月探査においては,
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風化作用による二次的改変の影響を受けていない元来の岩石組成を測定することが重要となる.本研究では,月面上において
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風化の程度を定量する目的で,主要元素組成に基づく
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風化度の指標を提唱する.本研究では,アポロ試料の主要元素データ標本空間の写像と特異値分解によって解析し,2つの
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風化指標を得た.第1の指標は,マイクロインパクトなどの効果による揮発性元素の消失と難揮発性元素の濃集を表していると考えられる.問題点としては,第2の判別図では未風化岩石が岩系別にクラスターを形成して縁にプロットされ,
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風化を受けると中央に移動することから,インパクト等によるミキシング過程を表していると考えられる.プロットされる領域で
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風化作用の程度が判定できる.
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