キノロンカルボン酸系の新合成抗菌剤であるNY-198を17例の麦粒腫, 涙嚢炎, 瞼板腺炎などの眼部感染症に1回100~200mgを1日3回経口投与し3~8日間にて, ほとんどの症例に効果を認め, 著効10例, 有効6例, やや有効1例の94%の有効率であった。副作用としては1例に軽度の胃痛が認められたが, 投与中止には至らなかった。
また本剤200mgを健康成人に食後1回経口投与した際のヒト涙液内濃度を検討したところ2時間付近にそのピークがあり, 0.98±0.27μg/mlを示した。この移行涯渡は本剤の
Staphylococcus aureusの臨床分離株に対するMICのピークが0.78μg/mlにあることにより, 本剤は瞼板腺炎, 麦粒腫, 涙嚢炎などの外眼部感染症に対し高い有用性を示すと思われる。
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