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クエリ検索: "対立遺伝子"
5,011件中 1-20の結果を表示しています
  • 蒲生 卓磨
    遺伝学雑誌
    1965年 40 巻 3 号 219-226
    発行日: 1965年
    公開日: 2007/05/21
    ジャーナル フリー
    1. 実用品種「昭光×栄華」に見いだされた過剰半月紋蚕の発現様式およびその遺伝を調べた.
    2. 第6染色体のE
    対立遺伝子
    群に所属することが判明したので, これを過剰半月紋退化腹肢 (EDl: extra-crescents and degenerated abdominal legs) 遺伝子と命名した.
    3. hetero 型は第6環節に不完全な半月紋を現わし, その浸透率および発現度は遺伝的構成の影響を受けるもののようで, 正常斑紋の日本種系統と交雑した場合に高い浸透率を示した.homo 型は第6環節に過剰半月紋を有するが第8環節の星紋および第6環節における第1腹肢あるいはその鈎爪を欠く.
    4. 腹肢の欠如は劣性であるが, 過剰半月紋の発現は不完全優性である.
    5. 致死性を有せず, 雌雄生殖器官, 翅などの異常を伴なわない.
    6. EH 遺伝子との間に0.32±0.09%の組換え率が得られた.
    7. EN 遺伝子とのトランス型は EDl hetero にもかかわらず第1腹肢を欠如したので, EN と共通の site を有するものと推察される.
    8. E部位における遺伝子の配列を考察すると, EH•EN•EDl•ECa•EKp•ENc•EGd の順になり, EDlEHECa にまたがる ETc site における小さな site の変化によるものと推定される.
  • 石川 直幸
    作物研究
    2010年 55 巻 1-8
    発行日: 2010年
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル オープンアクセス
    北海道においてはコムギの品種交代が進み,収量と品質の向上がめざましいが,温暖地・暖地においては品種交代が進まず収量と品質の向上が緩慢である.温暖地・暖地においては日本めん用品種を主目標に育種が行われてきたが,日本めん用には北海道産コムギが使われ,都府県産コムギは主として菓子用に用いられるようになったため,対象用途の見直しが必要となっている.輸入コムギに対抗するため高品質化が重視され,品質を構成する硬軟質性やグルテニンに関する研究が進展し,成果を挙げてきた.一方収量性や耐病性に関する研究は停滞しているが,見直す必要がある.早熟化や耐湿性など,重要であるにもかかわらず遺伝資源がないために改善の目途が立っていない形質もあり,変異の拡大が求められている.
  • 第II報 家蚕の+w3遺伝子座位における同類対立遺伝子
    吉武 成美
    遺伝学雑誌
    1958年 33 巻 4 号 102-106
    発行日: 1958年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    カイコの卵は普通藤鼠色を呈するが, 所謂正常卵色といわれるものの中で漿液膜の色が濃いもの或は淡いものがある。このような差異を示す原因は, 卵色色素の基質としての3•hydroxykynurenine 量に多寡があることと, それに作用する酵素作用に強弱があるためである。著者は多くの正常卵色系統について, この酵素作用を支配する遺伝子の分析を行った結果, +w3遺伝子が正常卵色の表現型の変異に最も重要な働きをなしていることを明らかにした。w3遺伝子座位或はその附近には数種の+w3同類
    対立遺伝子
    が存在し, その作用は量的に多少異なる。正常系統における漿液膜の色調に差異を生ぜしめる原因の1つは, この+w3遺伝子の相違によるものであると考えられる。
  • 金 貞希, 森 智代, 若菜 章, ノー スンビン, 酒井 かおり, 梶原 康平
    Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
    2011年 80 巻 4 号 404-413
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/22
    ジャーナル オープンアクセス
    無核カンキツ品種育種における重要形質の一つである配偶体型自家不和合性はブンタン,ブンタン雑種およびミカン類で知られているが,自家不和合性遺伝子(S)の
    対立遺伝子
    変異,S
    対立遺伝子
    頻度および自家不和合品種や半自家和合品種の S 遺伝子型についてはほとんど分かっていない.本研究においては,まず‘晩白柚’自家交雑(S1)実生への‘晩白柚’の授粉と‘晩白柚’S1 実生間の授粉を行ってホモの S1 実生を決定した.つぎに,55 のブンタン品種・個体を含む 78 種類のカンキツにホモの S1 実生(S1S1 または S2S2)を交配した.S1 花粉授粉後に花柱基部で花粉管の伸長阻害がみられた 22 品種・個体は S1
    対立遺伝子
    を持ち,S2 花粉授粉後に花柱基部で花粉管の伸長阻害がみられた 15 品種・個体は S2
    対立遺伝子
    を持つことが明らかとなった.S1
    対立遺伝子
    を持つ品種・個体の頻度は 29.9%(‘晩白柚’を含む 77 品種・個体中 23 品種・個体)で,S1
    対立遺伝子
    頻度は 16.4%(Sf
    対立遺伝子
    を除いた 140
    対立遺伝子
    中 23
    対立遺伝子
    )であった.S2
    対立遺伝子
    を持つ品種・個体の頻度は 21.3%(‘晩白柚’を含む 75 品種・個体中 16 品種・個体)で,S2
    対立遺伝子
    頻度は 11.6%(Sf
    対立遺伝子
    を除いた 138
    対立遺伝子
    中 16
    対立遺伝子
    )であった.S1
    対立遺伝子
    を持つ個体は鹿児島県で採種したブンタン個体群に特に高率(56.3%)で存在 していた.供試した 79 品種・個体のうち,6 品種・個体(‘晩白柚’,‘入来文旦’,長島文旦 No. 6,長島文旦 No. 7,‘カオパン’,‘早柚’)が S1S2 の遺伝子型を持っていた.本研究で S 遺伝子型を確定できたカンキツ品種は‘晩白柚’(S1S2),‘入来文旦’(S1S2),‘カオパン’(S1S2),‘早柚’(S1S2),‘キヌカワ’(SfS2)および‘川野なつだいだい’(SfS2)である.
  • 間 陽子
    動物遺伝育種研究
    2008年 36 巻 Supplement 号 9-19
    発行日: 2008/11/30
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
    牛白血病は複数の遺伝的背景が複雑にからみあって病態の悪性化や発症が規定されており、有効な治療法の確立は非常に困難である。この慢性感染症を克服するためには、その病態を制御する疾患責任遺伝子を同定し、その抵抗性に関わる
    対立遺伝子
    を有する家畜を選別して、感染症になりにくいウシを作出するという戦略が有効である。
    牛白血病の疾患責任遺伝子の一つがウシ主要組織適合性遺伝子複合体 (MHC) (BoLA) である。これまでに我々は、BoLA遺伝子群の中で、最も機能的で多型に富むBoLA-DRB3
    対立遺伝子
    を特定できるPCR-sequence-based typing (SBT) 法を開発し、牛白血病の発症の感受性・抵抗性に関わる
    対立遺伝子
    を同定した。さらに、感受性
    対立遺伝子
    を有する個体は持たない個体に比較してウイルス感染細胞率が有意に高いこと、即ち感染し易い可能性を見出した。興味深いことに、感受性
    対立遺伝子
    は肉質等の経済形質に影響を及ぼさないことも明らかにした。
    ここで、牛白血病抵抗性MHC
    対立遺伝子
    をマーカーとした育種選抜を通して牛白血病を発症しにくいウシを作出するという育種戦略の有効性を提唱したい。
  • 今西 規
    日本組織適合性学会誌
    1994年 1 巻 2 号 130-134
    発行日: 1994年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    HLAは多重遺伝子族を構成し, しかも各遺伝子座が多数の

    対立遺伝子
    を持つ. この遺伝的多型は世界のどの集団にもみられるが, その
    対立遺伝子
    の構成は集団ごとに異なる. ここでは, HLAの
    対立遺伝子
    が世界の民族の中でどのように分布しているかを示し,
    対立遺伝子
    頻度の統計学的解析を通して, ヒトの進化の歴史について論じる. 1. HLAの遺伝的多型 ヒトの主要組織適合性複合体(MHC)であるHLAは, 免疫機構の中で非自己抗原の認識を担当する分子である. HLAの遺伝子には多数の
    対立遺伝子
    があり, 個体ごとに異なるタイプの遺伝子を持つ場合が多い(1). このような遺伝的多型は, HLAに限らず他の多くのタンパク質をコードする遺伝子でも観察される現象である. しかし, HLAの遺伝的多型は他の遺伝子とは異なり,
    対立遺伝子
    の種類が極端に多い. 実際に, HLAは, ヒトの遺伝子の中でもっとも変異に富む遺伝子であるかもしれない. そして, この遺伝子の変異を比較研究することによって, さまざまなヒトの集団の間の進化的系統関係を探ることができるのである.

  • 星野 安咨
    遺伝学雑誌
    1964年 38 巻 5-6 号 378-385
    発行日: 1964年
    公開日: 2007/05/21
    ジャーナル フリー
    I. H-h alleles. In the presence of ss, the H gene reveals the white spot on the head or face, while its recessive allele h reveals the white spot on the lumbar or back. This assumption has been obtaines from the following experiments.
  • 小川 篤子, 光永 滋樹, 徳永 勝士, 石川 善英, 赤座 達也, 田所 憲治, 十字 猛夫
    日本組織適合性学会誌
    1998年 5 巻 1 号 4-17
    発行日: 1998年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    HLA-B抗原遺伝子を高精度にタイピングするためのPCR-RFLP法を考案した. ゲノムDNAを鋳型として, エクソン2およびエクソン3を含むDNA断片をHLA-B遺伝子特異的にPCRで増幅した. さらにこのPCR産物を鋳型として, エクソン2は2組の, エクソン3は3組の

    対立遺伝子
    群特異的プライマーを用いてPCRを行った. この二次PCRで得られた増幅産物を制限酵素処理し電気泳動後, その酵素処理断片長の泳動パターンによりHLA-B
    対立遺伝子
    を同定した. HLA Nomenclature(1996)に示された178の
    対立遺伝子
    について酵素処理断片のパターンをコンピューターで解析したところ, エクソン2は60種のパターンに分かれ, エクソン3は80種のパターンに分かれた. これらの組み合わせより, 解析した178の
    対立遺伝子
    のうち, 127種の
    対立遺伝子
    は特定のRFLPパターンとして識別され, 残りの51種の
    対立遺伝子
    はそれぞれ2から4の
    対立遺伝子
    を含む19のパターンに識別された. UCLA Tissue Typing Laboratoryで主催されているInternational Cell Exchange Programで配布された56検体についてタイピングを行なったところ, これまで経験したことのない
    対立遺伝子
    も精度よくタイピングすることができたこの方法は, 比較的少数検体で, 検体のDNA量も少なく血清学的タイピング結果が参考に出来ない場合においてHLA-B座の
    対立遺伝子
    をタイピングするために有用であると思われる.

  • *加藤 珠理, 岩田 洋佳, 津村 義彦, 向井 譲
    日本生態学会大会講演要旨集
    2004年 ESJ51 巻 P2-069c
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/07/30
    会議録・要旨集 フリー
    自家不和合性(Self-incompatibility)は自家受精を防ぐ性質でS遺伝子座上の
    対立遺伝子
    (S
    対立遺伝子
    )によって制御されている。集団中のS
    対立遺伝子
    の数が減少すると、同じS
    対立遺伝子
    を保持する個体同士の交配が増え、種子の稔性は低下する。このため、遺伝子流動が制限される島嶼集団では1個体のみでも繁殖可能な自家和合性の植物種が多いことが指摘されている。しかしながら、本研究の供試種であるオオシマザクラ(Prunus lannesiana var. speciosa)は自家不和合性であるにも関わらず、伊豆諸島を主な分布域としている。本種がS遺伝子座の遺伝的変異をどの程度、有しているかは興味深いことである。
    伊豆半島および、伊豆諸島の大島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の7箇所に分布するオオシマザクラをサンプリングの対象とした。オオシマザクラを含むバラ科の自家不和合性にはS-RNaseが関与し、S-RNaseの多型分析により個体のS遺伝子型は推定できる。そこで、分析個体のDNAを抽出し、S-RNaseのcDNA断片をプローブとしたサザンハイブリダイゼーションを行い、S-RNaseの制限酵素断片長多型(RFLP)を検出した。検出したRFLPに基づいて、各個体のS遺伝子型を決定した。種レベルで保持されるS
    対立遺伝子
    は63個で、各島の集団については伊豆半島で62個、大島で46個、新島で47個、神津島で46個、三宅島で34個、御蔵島で40個、八丈島で26個であった。各島におけるS
    対立遺伝子
    の数は本州から離れた島ほど少なく、明瞭な地理的勾配が認められた。オオシマザクラの島間の遺伝子流動は鳥による種子散布に依存していると思われ、本州から離れた島ほど種子が持ち込まれる頻度は減少するだろう。このため、遺伝子流動は制限され、各島に保持されるS
    対立遺伝子
    の数として反映されたと思われる。
  • 赤座 達也
    日本組織適合性学会誌
    1998年 5 巻 1 号 18-22
    発行日: 1998年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    ある集団のHLA遺伝子頻度をだすためには, ランダムで, 血縁関係のない健常人の集団を必要とし, また, 実施されたHLAのタイピングの水準が同一であることが求められる. この条件に該当するのが, 共通の抗血清を使用して, 大量の検体のHLAタイピングデータが集められる組織適合性ワークショップ(HWS)である. HLA遺伝子頻度はその時にダイビングできるHLA型により微妙に異なってくる, また頻度の信頼性は計算に用いた集団の大きさにかかっている. HLAタイピングは, 臨床的には疾患感受性, 親子鑑定などにも使われているが, 現在では, 移植ペアの適合性を決めるために, もっとも多く用いられていると思われる. 特に骨髄バンクのためのタイピングは, 世界的規模で膨大な数が行われている. 国際的にHLA型の適合したドナーを見つけるために設立された, 骨髄提供ドナーのHLA型を登録する機構である, BMDW(Bone Marrow World Wide)に登録されているHLA型タイピング済みドナーは478万人を越えており, データはインターネットで見ることができる. 日本も本年の4月よりデータを提供することになった. このホームページの中の, HLA型適合の検索は契約者でないと見られないが, 各骨髄バンクの登録者数と登録されているHLA-A,B,DRの遺伝子頻度は誰でも見ることができる. 各骨髄バンクごとのデータなので, 民族別には整理されてはいないが, 2座, 3座のハプロタイプ頻度もバンクによっては公開されている. これらの情報からある程度のHLA型適合の予測は可能であるし, さらにハプロタイプ頻度とバンクの規模から, 計算によって適合率の計算が可能である. この稿では, 日本人のHLA頻度を過去の資料を参照しながら振り返るとともに, 信頼性について検討したものをまとめた.

  • *臼間 菜々海, 松下 範久, 福田 健二
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-165
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    ズミは千葉県では柏市のみに隔離分布するRDB種であるが、S

    対立遺伝子
    の多型によって維持される配偶体型自家不和合性を持つため、S
    対立遺伝子
    数の減少による種子稔性の低下が危惧されている。柏市の小集団と、群落規模の大きい山中湖集団(山梨県山中湖村)、蓼科集団(長野県茅野市)の3集団を対象として、S
    対立遺伝子
    の特定と結実率(充実種子数/胚珠数×100,果実ごとに算出)の調査を行った。柏集団の全開花個体である29個体からは8、山中湖集団の24個体からは16、蓼科集団の29個体からは20の異なるS
    対立遺伝子
    が検出された。柏集団では、特定のS
    対立遺伝子
    が高頻度であり、半和合性となる他個体の割合が最も多く、不和合性も11.7%あったのに対して、山中湖集団と蓼科集団では和合性他個体の割合が最も多く、不和合性は約3%であった。一方、柏集団の結実率の平均は44.0%と山中湖集団の13.2%よりも高く、開花個体の多いエリアに生育する個体は結実率が高かった。以上の結果から、柏集団ではS
    対立遺伝子
    数の減少により不和合性花粉が増加しているものの、周囲に開花個体を多く持つ個体で高い種子稔性が維持されていると考えられた。

  • 自家不和合性
    *加藤 珠理, 岩田 洋佳, 津村 義彦, 向井 譲
    日本林学会大会発表データベース
    2004年 115 巻 L19
    発行日: 2004年
    公開日: 2004/03/17
    会議録・要旨集 フリー
    自家不和合性(Self-incompatibility)は自家受精を防ぐ性質で、遺伝的多様性の維持に寄与している。自家不和合性はS遺伝子座上の
    対立遺伝子
    S
    対立遺伝子
    )によって制御され、集団中のS
    対立遺伝子
    の数が減少すると、同じS
    対立遺伝子
    を保持する個体同士の交配が増え、種子の稔性は低下する。このため、遺伝子流動が極端に制限される島嶼集団では1個体のみでも繁殖可能な自家和合性の植物種が多いことが指摘されている。しかしながら、本研究の供試樹種であるオオシマザクラ(Prunus lannesiana var. speciosa)は自家不和合性であるにも関わらず、伊豆諸島を主な分布域としている。本種がS遺伝子座の遺伝的変異をどの程度、有しているかは非常に興味深いことである。そこで、本研究では各島のオオシマザクラの集団におけるS遺伝子座の遺伝的変異を調べることにした。
    伊豆半島および、伊豆諸島の大島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の計7箇所に分布するオオシマザクラ集団を対象とした(八丈島では島内における比較を行うため、3集団を対象とした)。オオシマザクラを含むバラ科の自家不和合性にはS-RNaseが関与し、S-RNaseのDNA多型に基づいて、個体のS遺伝子型が推定できる。そこで、分析個体から採集した葉芽組織よりDNAを抽出し、オオシマザクラよりクローニングしたS-RNaseのcDNA断片をプローブとしたサザンハイブリダイゼーションを行い、S-RNaseの制限酵素断片長多型(RFLP)を検出した。制限酵素はBglII、DraI、EcoRV、MspIを用い、検出したRFLPパターンに基づいて、S遺伝子型を決定した。
    検出したRFLPパターンは非常に複雑であったが、各個体のバンドパターンを比較することで、全ての個体のS遺伝子型を決定できた。決定したS遺伝子型は全てヘテロ接合を呈しており、S遺伝子座の
    対立遺伝子
    がホモ接合しない原則に従っていた。421個体、分析して、75個のS
    対立遺伝子
    が見つかったが、このうち、伊豆半島のみで観察されたS
    対立遺伝子
    は12個もあった。伊豆半島にはオオシマザクラ以外の種類のサクラも分布しているので、伊豆半島のみで観察されたS
    対立遺伝子
    はオオシマザクラ以外のサクラに由来する可能性がある。このため、種レベルでオオシマザクラが保持するS
    対立遺伝子
    は伊豆半島のみで観察されたS
    対立遺伝子
    を除いた63個であると考えたほうがよいだろう。この63個のS
    対立遺伝子
    のうち、多くの島(5または6箇所の島)で共通のS
    対立遺伝子
    は17個で、全体の26.98 (17/63)%であった。一方、一部の島(1または2箇所の島)にしか存在しないS
    対立遺伝子
    は26個もあり、全体の41.27 (26/63)%を占めていた。このように種レベルで保持されるS
    対立遺伝子
    の多くは一部の島にしか存在せず、これらのS
    対立遺伝子
    は各島に分布するオオシマザクラを特徴づけているものと思われる。
    各島における
    対立遺伝子
    数は伊豆半島(50.73)が一番多く、本州から最も離れた八丈島(18.08)では最も少なかった。各島の
    対立遺伝子
    数は本州から離れた島ほど、少なく、本州からの距離の間には負の相関が見られた。サクラは虫媒花で、種子は鳥によって散布される。オオシマザクラの島間の遺伝子流動は専ら鳥による種子散布に依存しているものと思われ、本州から離れた島ほど、鳥により種子が持ち込まれる頻度は減少し、遺伝子流動は制限されると考えられる。このような遺伝子流動の制限は各島に保持されるS
    対立遺伝子
    の数として反映されたものと思われる。また、3個のS
    対立遺伝子
    が存在すれば、自家不和合性が機能するが、3個のS
    対立遺伝子
    が存在する集団の本州からの距離は295kmであると推定された。本州から260kmの位置に青ヶ島があるが、青ヶ島にオオシマザクラが分布すれば、保持され得るS
    対立遺伝子
    は8個である。
  • 長嶋 等, 石川 直幸
    育種学雑誌
    1995年 45 巻 1 号 87-90
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    オオムギの種子貯蔵タンパク質であるホルデインは,電気泳動的に判別可能なオオムギのタンパク質の中では最も多型性が高いので,その
    対立遺伝子
    の多型による品種の識別は,他の多型性を持つタンパク質の分析に比べ有効であると考えられる.これまで欧米のオオムギ品種のホルデインの
    対立遺伝子
    については報告があるが,日本のオオムギ品種についての報告はほとんどない.本研究では,日本のオオムギ品種のホルデインの
    対立遺伝子
    の同定を行った結果,これまでに報告のないHor1の
    対立遺伝子
    が3タイプ(Ch,Ta、Ka),Hor2の
    対立遺伝子
    が2タイプ(Sa,Ta)見つかった.そのほかに,裸麦と渦性の六条皮表はほとんどがヨーロッパの品種には見られないホルデインの
    対立遺伝子
    のタイプであったのに対して,二条大麦と血性の六条氏麦はヨーロッパで見られるタイプが多かったこと.裸麦はHor1,Hor2ともに
    対立遺伝子
    が同じものが多く,ホルデインの
    対立遺伝子
    による裸麦の品種の識別は効果的ではないことがわかった.
  • 鈴木 簡一郎, 小玉 知己
    遺伝学雑誌
    1949年 24 巻 5-6 号 138-144
    発行日: 1949年
    公開日: 2007/05/21
    ジャーナル フリー
    (1) D 過剩半月紋蠶は♀支4号(姫)×♂白竜(形, 伴性油)のF2から発見した突然変異体で, 形斑紋の外, 第4環節にも一対の半月紋を有するものである。本種は斑紋に関しては木暮及田中の過剩肢過剩半月紋蠶と類似するものであるが, 過剩肢の発現度の低い事に於て木暮 のそれと著しく異り, 田中のそれに稍近い。
    (2) D過剩半月紋蠶は其 Sib に於て過剩半月紋蠶と形蠶とを2:1に分離するが之れは過剩半月紋因子 EDP に対しては優性であるが致死作用に関しては劣性で, Homo の個体は催青期に於て致死される事に依つて理解された。
    (3) 重い形蠶 (ECa) とD 過剩半月紋蠶 (ED) との交雜からは D, Ca, D/Ca 及形の4種を2:2:1:2に分離するが此分離比は ECaED とが複対遺傳子である事に依つて理解される。
    (4) 重い形蠶と D 過剩半月紋蠶の交雜によつて分離する四種の蛾の内 D, Ca 及形は産卵上何等の異常も示さないが, D/Ca は生殖不能を示す。
    (5) D/Ca の生殖不能の原因は雌蛾生殖内器の異常に基くものであり, 其卵巣は正常の発育を遂げて居るが, 左右輸卵管が一本に癒着して盲管となつて体内に遊離して居るる事が認められる。
    (6) D/Ca 雌蛾が斯くの如き陷を現わすのは D, Ca 両因子の共同作用に依るものと思われる。何となれば DCa に於ては斯くの如き個体を示さないからである。
  • 安井 健, 佐々木 朋子, 松木 順子
    育種学雑誌
    1998年 48 巻 4 号 405-407
    発行日: 1998/12/01
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    胚乳澱粉に結合するワキシー(Wx)蛋白質のうち,Wx-A1およびWx-B1蛋白質を二重に欠失するコムギ品種関東107号の種子をメタンスルホン酸エチル(EMS)処理することによって得たモチ性突然変異系統,K107Wx1およびK107Wx2,は,関東107号に由来する機能のない2種のWx
    対立遺伝子
    ,Wx-A1bおよびWx-B1b,とともに,EMSによる突然変異で誘発された機能のないWx-D1
    対立遺伝子
    をもつことが推定されていたが,この
    対立遺伝子
    と品種Bai Huoに由来する機能のないWx-D1b
    対立遺伝子
    との関係は明らかになっていなかった。そこで,この二つのモチ性突然変異系統とBai Huo/関東107号の交配に由来し,機能のない3種のWx
    対立遺伝子
    ,Wx-A1b,Wx-B1bおよびWx-D1b,をもつことが明らかなモチ性系統,Wx-3およびWx-4,とを交配し,後代検定を行なった。その結果,F1種子は全てモチ性の胚乳をもつことを認めたが,F2世代ではウルチ性の胚乳をもつ種子の分離が認められた(Tab1e 1)。また,ウルチ性胚乳をもつF2種子は,F3種子における胚乳のウルチ・モチ性の分離(Table 2)から,ヘテロ接合型であることが判明した。これらの結果から,モチ性突然変異系統は,Wx-D1遺伝子座にWx-D1bとは構造の異なる機能のない
    対立遺伝子
    をもつことが明らかになった。そして,Wx-D1bをもつモチ性系統との交雑においては,遺伝子内組換えによりウルチ性の胚乳をもつF2種子が生じたと推定できた。この機能のない新しい
    対立遺伝子
    を,Wx-D1dと命名する。Wx-D1遺伝子座内における機能のない2種のモチ性
    対立遺伝子
    ,Wx-D1bおよび,Wx-D1d,間の組換え頻度は,トウモロコシのWx遺伝子座内における種々のモチ性
    対立遺伝子
    間の組換え頻度(O-125×lO-5)の範囲内にあった。なお,電気泳動法によって,K107Wx1/Wx-4の交配に由来するウルチ性のF4種子から調製した胚乳澱粉は,関東107号由来のWx-D1蛋白質と移動度が同等な蛋白質を含むことを確認した。
  • *鶴田 燃海, 向井 譲
    日本森林学会大会発表データベース
    2018年 129 巻 P2-136
    発行日: 2018/05/28
    公開日: 2018/05/28
    会議録・要旨集 フリー

    染井吉野(ソメイヨシノ)は、日本で最も親しまれているサクラ(バラ科サクラ属)の園芸品種で、エドヒガンとオオシマザクラとの雑種であるといわれている。本研究は連鎖地図を利用することで、ゲノム全体にわたりかつ染色体ごとに、染井吉野の由来を推定した。染井吉野の交雑家系を用いた連鎖解析により、SSRマーカー27座の

    対立遺伝子
    が、どちらの染色体に座乗していたかを決定した。これと同時に、
    対立遺伝子
    がエドヒガン、オオシマザクラそれぞれ3集団にどれほど保持されているかを調べた。この
    対立遺伝子
    頻度から、54個の染井吉野の
    対立遺伝子
    のうち、44.4%がエドヒガン由来、33.3%がオオシマザクラ由来と推定された。残りの22.2%は、どちらの種でも頻繁に見られるまたは両種ともに稀な
    対立遺伝子
    のため、由来は不明であった。染色体ごとにみると、複数の染色体でエドヒガンとオオシマザクラに由来する領域とが混在していた。この結果は、染井吉野の染色体が乗り換えを経て形成されたことを意味し、染井吉野がエドヒガンとオオシマザクラ間の一回の種間交雑による雑種ではなく、より複雑な交雑に由来することが示唆された。

  • 中島 文明, 中村 敦子, 岡野 俊夫, 森 智恵子, 横田 敏和
    日本組織適合性学会誌
    1994年 1 巻 1 号 41-42
    発行日: 1994年
    公開日: 2017/03/31
    ジャーナル フリー

    HLA-Cw1抗原のサブタイプを認識すると思われるアロ抗血清を得た.この抗体に反応しないCw1を“Cw1N”と仮に呼ぶこととし,血清学的に解析を試みた.頻度は非常にまれで5/1859(p.f=0.3%)でしかない.また,A24-Cw1N-B46-DR9-DQ3となる特徴あるハプロタイプを有し,family studyにおいても確認された.しかしながら,抗体との反応のみで述べていることであり,これが本当に“Cw1N”と呼んでいる新抗原であるのか,あるいは複雑な抗原構造の結果としてこのような反応を示すものかは現在のところ不明である.少なくとも,このHLA-C領域をcodeしている塩基配列が従来のCw1と同一であるか確認する必要があると考える.

  • *加藤 珠理, 向井 譲
    日本林学会大会発表データベース
    2003年 114 巻 R07
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/03/31
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、オオシマザクラが多く分布する伊豆諸島において、自家不和合性遺伝子座における遺伝子流動の実態について解析した。オオシマザクラを含むバラ科の自家不和合性の制御にはS-RNaseが関与しているので、分析個体のS遺伝子型はオオシマザクラのS-RNaseをプローブとして、サザンハイブリダイゼーションを行い、検出された制限酵素断片長多型(RFLP)に基づいて、決定した。なお、制限酵素はBglII、DraI、EcoRVを用いた。
    まず、大島と八丈島に生育するオオシマザクラのS遺伝子の保有状況を比較するために、大島において2集団50個体、八丈島において3集団97個体のオオシマザクラを分析した。その結果、大島では計38個、八丈島では計25個のS
    対立遺伝子
    が観察された。推定される
    対立遺伝子
    数は大島の集団が43.4個、八丈島の集団が18.5個で、大島に生育するオオシマザクラのS遺伝子のほうが多様性に富んでいた。大島は本州に近接しているので、八丈島よりも多くのS
    対立遺伝子
    が本州から流入していると考えられる。大島と八丈島の両方の島で観察されたS
    対立遺伝子
    は12個のみで、島間でS遺伝子の遺伝子流動は制限されていた。両方の島で観察された12個のS
    対立遺伝子
    の保持率は大島が43.1%、八丈島が63.5%であった。
    また、八丈島に分布するオオシマザクラ林において、2箇所の調査地を設け、母樹と種子の間における花粉を介したS遺伝子の流入について解析した。各調査地内に生育する全てのオオシマザクラ個体(計165個体)とそのうちの6個体から採集した種子(1母樹当たり15-25個)を分析した。その結果、各調査地内には約20個のS
    対立遺伝子
    が保持されていたが、実際に種子の花粉親として、寄与したS
    対立遺伝子
    は6-9個(平均7.83個)のみであった。集団内に多くのS
    対立遺伝子
    が保持されていても、各母樹に対して、交配に関与できるS
    対立遺伝子
    の数は限られており、このことは特定の個体間での交配が多いことを示唆しているだろう。
  • 阿部 智明, 中野 裕司, 倉本 宣
    日本緑化工学会誌
    2004年 30 巻 1 号 344-347
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/11/22
    ジャーナル フリー
    日本産のコマツナギと中国産のコマツナギをアロザイム分析して
    対立遺伝子
    の構成を比較した。
    対立遺伝子
    の構成は日本の4つの産地では類似していたが,中国産の種子は大きく相違していた。自生種の使用が求められる地域において中国産コマツナギを用いることには慎重になるべきである。
  • 井上 栄一, 寧 林, 山本 俊哉, 阮 樹安, 松木 裕美, 安西 弘行, 原 弘道
    園芸学研究
    2008年 7 巻 4 号 475-480
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/25
    ジャーナル フリー
    ニホングリで開発された7対のSSRプライマーを用いて,朝鮮半島由来のクリ品種のSSR遺伝子型を解析し,チュウゴクグリ17品種,ニホングリ32品種,およびニホングリとチュウゴクグリの種間雑種1品種の遺伝子型と比較した.用いたニホングリのプライマーのうち,KT006a座のみチュウゴクグリ3品種において検出されなかったが,それ以外の遺伝子座では,用いた全品種のSSR
    対立遺伝子
    型を決定できた.その結果,チュウゴクグリにおいて合計26種類,ニホングリにおいて合計37種類の種特異的な
    対立遺伝子
    が得られた.一方,朝鮮半島由来のクリ7品種においても全7遺伝子座の遺伝子型を明らかにすることに成功し,座あたり2~9種類の
    対立遺伝子
    (平均5.14種類)が検出された.種特異的な
    対立遺伝子
    に着目して両者を比較した結果,‘兎山9’,‘兎山13’,‘兎山60’,‘仁興王栗’および‘韓6’はニホングリ,‘咸従3号’はチュウゴクグリ,そして‘大城’はチュウゴクグリとニホングリの種間雑種品種であると推察された.一方,‘韓6’と‘丹沢’および‘大城’と‘利平ぐり’の間で,それぞれ7遺伝子座のSSR
    対立遺伝子
    型がすべて一致したことから,これらはそれぞれ異名同一品種の関係にあるか,枝変わり品種とその原品種の関係にある可能性が示唆された.
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