日本及びタイの市場に流通するPETボトル清涼飲料水のパッケージを対象として,日本人及びタイ人それぞれのデザイン評価の特徴を明らかにするために,イメージ調査と総合的なデザイン評価を行った。その結果,イメージ調査では,PETボトル清涼飲料水のパッケージに対するイメージ構造が,日本人及びタイ人において異なることが認められた。日本人の場合,健康感,洗練性,濃淡感,タイ人の場合,審美性,自然感,はなやか感の3因子で構成されている。総合的なデザイン評価では,日本人・タイ人共にユニークなボトル形状や,ラベルに具象的要素を含まない特徴的な表現で,パッケージ全体がスタイリッシュなものに高い評価をする傾向がある。加えて,日本人においては,繊細に細部まで表現を,タイ人においては,形や色の扱いが大胆で強い印象を与える表現をあわせて評価する傾向がある。総合的なデザイン評価とイメージ構造との関係においては,日本人の場合,洗練性,健康感と,タイ人の場合,審美性と相関関係が認められた。
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