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クエリ検索: "山形ロイヤル病院"
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  • 富樫 綾香, 島田 佳美, 落合 悦子, 前田 恵美, 奥山 栄美子, 杉原 敏道, 田中 基隆, 高橋 玲子
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 P2-034
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    高齢者の転倒は外傷や骨折を引き起こすばかりでなく、時として死を引き起こす現象でもある。身体機能要素の中でも特に加齢による低下率が著しいとされるのは感覚要因である。感覚要因が低下した場合、空間での体幹や四肢の位置の認識が低下し、足部のつまずきなどが誘発される。加齢による歩行の変化としては重複歩距離の短縮や歩隔の拡大、二重支持期の延長などが挙げられる。しかし、歩行精度そのものにどのような影響をおよぼすかは明らかとなっていない。そこで本研究では、平地歩行における歩幅に焦点を絞り、高齢者と若年者の歩行精度について検討することとした。
    【方法】
    対象者は下肢に既往のない60歳以上の高齢群(平均年齢73.4±7.5歳)30名と、若年群(平均年齢20.0±1.0歳)30名を対象とした。対象者にFAX用紙を床面に貼り付けた長さ16mの歩行路で歩行を行わせた。歩幅が計測できるよう被験者には市販の靴(チヨダ物産(株)社製)の踵部最後部から2cm前方の一部分をくり抜き朱肉を埋め込んだ靴を着用させた。靴のサイズはJIS(日本工業規格:Japanese Industial Standards)の基準に準じて被検者の足のサイズを5mm単位で測定して選定した。条件として歩行中は歩行路の最終地点においた目標物を注視させ、歩行速度は自由とした。歩幅の測定は歩行開始時と終了時の変動を除外するため、歩行路の前後3mを除いた中間の10mで行った。歩幅はFAX用紙におけるそれぞれの朱肉の最後端からFAX用紙の長軸に垂直な線を引き、一側の朱肉の最後端から他側の朱肉の最後端までのそれぞれの垂線間をメジャーを用いてmm単位で測定した。10mにおける歩幅の平均値を各歩幅から減じ、その絶対値の平均を各個人の歩幅の誤差とした。両群で得られた歩幅の比較には分散の比の検定を用いた。
    【説明と同意】
    本研究は研究の目的、実験方法について対象者に十分な説明を行い、同意を得た後、測定を行った。
    【結果】
    高齢群と若年群における歩幅の誤差はそれぞれ2.2±0.7cm、1.6±0.4cmであった。両群における歩幅の誤差を比較したところ、若年群に比べて高齢群の歩幅の誤差の方が有意に大きいことが明らかとなった(p<0.05)。
    【考察】
    本研究の結果から,若年群より高齢群の方が歩幅の誤差が大きいことが分かった。また、それは若年群と比べて平均で約1.4倍程度であることも分かった。加齢に伴いさまざまな機能が低下することが知られている。その中でも特に加齢による低下率が著しいとされるのは感覚要因である。そのため、このような感覚をはじめとする様々な機能の低下が歩行時のバランスを低下させ、歩行時における歩幅の誤差を招いたと考察される。また、高齢者の歩行では1歩あたり約2.2cmの誤差があり、若年者の約1.4倍程度であることを考慮すれば、不整地歩行などにおいては若年者と比べてかなり転倒のリスクが高くなると考えられる。さらにその誤差は1歩1歩ごとに生じていることから、いつどのタイミングで転倒が起きてもおかしくないことを示していると考察される。今後はこれらの誤差と転倒の関係についても検討していきたいと考える。
    【理学療法学研究としての意義】
    高齢者における歩行精度を歩幅から捉え、若年者に比べてその誤差が有意に大きいことを明らかにした。さらに高齢者の歩行では歩幅の減少や歩隔の拡大などが生じるだけではなく、1歩1歩の歩幅の変動も大きくなることを明らかとした。
  • 奥山 栄美子, 島田 佳美, 落合 悦子, 前田 恵美, 富樫 綾香, 杉原 敏道, 田中 基隆, 高橋 玲子
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 P1-031
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    二重課題とは要求される二つの課題を同時にこなすことであり,人は日常生活において二つの課題を同時に行うことが多くある.理学療法においても,対象者が歩行練習をおこなっている際に杖の使い方や荷重の方法について指導することは二重課題にあたる.虚弱高齢者における二重課題下での歩行に関する研究では,歩行時間が延長することや姿勢動揺が増大することなどが報告されている.しかし,二重課題下での歩行時の歩幅の変動による歩行精度の変化については明らかにされていない.そこで本研究では,二重課題が高齢者の歩行精度におよぼす影響を見る前段階として,二重課題が若年者の歩行精度におよぼす影響について検討することとした.
    【方法】
    対象者は健常若年者(平均年齢20.0±1.0歳)30名であった.対象者にFAX用紙を床面に貼り付けた長さ16mの歩行路で歩行を行わせた.歩幅が計測できるよう被験者には市販の靴(チヨダ物産(株)社製)の踵部最後部から2cm前方の一部分をくり抜き朱肉を埋め込んだ靴を着用させた.条件として歩行中は歩行路の最終地点においた目標物を注視させ,歩行速度は自由とした.歩幅の測定は歩行開始時と終了時の変動を除外するため,歩行路の前後3mを除いた中間の10mで行った.課題は歩行のみを課したSingle Task(以下ST)と,歩行課題中に認知課題を課したDual Task(以下DT)とした.DTでは上述した歩行課題中に認知課題として逆唱課題を課した.各条件における歩幅の測定は,FAX用紙におけるそれぞれの朱肉の最後端からFAX用紙の長軸に垂直な線を引き,一側の朱肉の最後端から他側の朱肉の最後端までの垂線間をメジャーを用いてmm単位で測定した.各条件での10mにおける歩幅の平均値を各歩幅から減じ,その絶対値の平均を各個人の誤差とした.両条件で得られた歩幅の比較には分散の比の検定を用いた.
    【説明と同意】
    被験者には本研究の目的,実験方法について十分な説明をし,同意を得た後に測定を行った.
    【結果】
    STとDTで得られた歩幅のばらつきの平均はそれぞれ1.64±0.39cm,2.63±0.75cmであった.STとDTにおける歩幅のばらつきを比較したところSTに比べDTでは有意にばらつくことが明らかとなった(p<0.05).
    【考察】
    本研究の結果から,STとDTにおける歩幅のばらつきを比較したところSTに比べDTでは有意にばらつくことが明らかとなった.また,そのばらつきは約1.6倍程度であった.高齢者を対象とした立位における先行研究では,STに比べてDTではバランスの低下が生じることが報告されている.そのため,本研究においても先行研究と同様にバランスの低下が生じたことで歩幅に誤差が生じたものと考察される.加齢に伴い固有感覚が低下する高齢者においては,若年者に比べてSTだけでもかなりの誤差が生じると予測される.その上,DTを課した場合ではさらに大きな誤差が生じると推測される.そのため,高齢者における歩行練習などの際は注意や指示の与え方には注意が必要であると考えられる.しかしながら,このことについては推測の域を脱しないことから今後検討していく必要があると考えられた.
    【理学療法学研究としての意義】
    本研究では,二重課題が若年者の歩行精度におよぼす影響について明らかとした.DTはSTに比べ歩行精度に有意なばらつきを生じさせることから注意が必要であると考えられた.
  • *田中 基隆, 三島 誠一, 杉原 敏道
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 909
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】この研究では学生の周径計測における具体的な技術到達レベルを明確にする目的で、この計測における理学療法士(以下、PT)の計測値の信頼性について検討した。また、理学療法評価技術を習得した学生の周径計測における計測値の信頼性係数も求め、PTと同等の信頼性が保証されるのに必要な計測回数についても調べた。
    【方法と方法】PT 10名(平均臨床経験4.9±2.8年)と理学療法評価技術を習得した学生10名を対象に、健常モデル1名の膝上10cmの周径を複数回計測させた。被検者には大腿部に巻尺を巻くまでを開眼とし、それ以降の作業は閉眼で実施するよう指示した。計測値は検者が1mm単位で読み取った。メカニカルな計測誤差を除外するために計測は同一の巻尺を用いて行わせた。最初に複数回の計測値から両群の信頼性係数(ICC推定値)を求めた。次にPTの計測で得られたICC推定値を目標として、学生で得たICC推定値をSpeaman-Brownの公式に代入し、学生の計測でPTと同等の信頼性が保証されるための理論的測定回数を求めた。学生にはこの回数をもとに再度計測を行わせ、この回数の計測でPTと同等の信頼性が得られるか確認を行った。
    【結果】PTの計測で得られた1回の計測におけるICC(1.1)推定値は0.91、95%CIは0.79~0.98であり、1回の計測でも高い信頼性が保証されると判断した。学生の計測で得られた1回の計測におけるICC(1.1)推定値は0.78、95% CIは0.30~0.93であり、一定の基準に満たないことから1回計測での信頼性は低いと判断した。次にPTの計測で得られたICC推定値を目標値として、学生で得たICC推定値をSpeaman-Brownの公式に代入して得られた値は2.9であった。そのため、PTと同等の信頼性を保証するのに必要な学生の計測回数を一時的に3回計測した際の平均値を用いることとした。3回計測の平均値を用いた際の学生のICC(1.3)推定値ならびに95%CIは一定の基準を満たし、PTの1回計測の基準と同等であったことから、3回計測の平均値を用いることがPTと同等の信頼性を保証するために必要な計測回数であると判断した。
    【考察】今回の結果よりPTの周径計測は1回の計測でも高い信頼性が保証されることから、この水準の計測が最終的に到達しなければならない学生の技術的レベルであると考える。周径計測の誤差を招く要因として巻尺への張力のかけ方や、膝上10cmの部位を特定する際の触診技術の問題があると考えられる。そのため、学生ではこのような技術がPTに比べて十分でなかったことが今回の結果を招いたと考察する。したがって、学内ではこのような技術的能力を向上させるための何らかの介入が必要であると考えられた。
  • 星 真行, 荒木 訓, 高橋 寿和, 鈴木 崇広, 渡部 美聡, 渡部 崇久, 相澤 裕矢, 難波 樹央, 小下 弘嗣, 曽根 稔雅
    日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
    2022年 1.Suppl.No.1 巻
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2023/06/07
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】

    Motor Fitness Scale(以下、MFS)は14項目で構成される質問票であり、移動性・筋力・平衡性といった運動能力を評価できる。また、MFSは、信頼性、基準関連妥当性、構成概念妥当性、予測妥当性が高く、一般高齢者においてMFS得点はパフォーマンステストと関連があることが報告されている。本研究では、二次予防対象者を対象に、MFS得点をさらにカテゴリー別にし、パフォーマンステストとの関連性を再検討することが目的である。

    【方法】

    対象は、当地域在住の二次予防対象高齢者236名(男性51名女性185名)である。パフォーマンステストは、10m最大歩行時間、Timed Up and Go test(以下、TUG)、握力、左右膝伸展筋力、開眼・閉眼片脚立ち時間、ファンクショナルリーチテスト、長座位体前屈を実施した。質問紙では、MFS、Modified Falls Efficacy Scale、老研式活動能力指標を実施した。MFSは、移動性・筋力・平衡性を質問紙形式で評価するものであり、「はい」は1点、「いいえ」は0 点の14点満点である。移動性は項目1~6で6点満点、筋力が項目7 ~10で4点満点、平衡性が項目11~14で4点満点である。基本特性による群分けでは、前期および後期高齢者、要介護発生リスクとしてのMFS得点により、男性は11点、女性は9点をカットオフ値とし群分けした。統計学的には、2群間の差の検定には対応のないt検定

    (Mann-Whitney's U test)を用い、MFSと各パフォーマンステストおよび質問紙評価との相関の検討には、Spearmanの順位相関係数および重回帰分析を用いた。有意水準は5%とした。

    【結果】

    MFS得点による基本特性では、最大歩行速度やTUGによる移動性において、MFS得点が低ければパフォーマンステストも低下した

    (p<0.01)。また、MFS移動と最大歩行速度の相関係数は0.46(p<0.01)、年齢・性別を調整変数とした標準化回帰係数βは0.38であり、MFS移動のみでも正の関連が認められた(決定係数R 2 =0.29)。MFS 移動とTUGの相関係数は-0.42(p<0.01)、年齢・性別を調整変数とした標準化回帰係数βは-0.32であり、MFS移動のみでも負の関連が認められた(決定係数R 2 =0.26)。MFS筋力と左右の握力との相関は、MFS合計よりもMFS筋力の方が有意な関連性が認められた(決定係数R 2 =0.54)。

    【結論】

    MFS得点は一般高齢者だけでなく、二次予防対象高齢者のパフォーマンステストとも関連があることが示唆された。MFS得点は運動機能因子の中でも、移動性と関連が強い傾向にあり、MFS移動の6 項目のみの聞き取りでも十分に代替可能なスクリーニングである。高齢者の将来的な要介護発生リスクには移動性の低下が先行している可能性があると考える。また、MFS筋力の4項目は、筋力を代表する握力を十分反映していると考える。MFSは運動機能を評価する上で、パフォーマンステストに代替可能なスクリーニングとして活用できる可能性がある。

    【倫理的配慮、説明と同意】

    対象者には本研究に参加するにあたり、口頭と書面で十分に説明した後、書面にて同意を得た。また、当自治体健康長寿課より同意を得ている。

  • *及川 真人, 武田 知樹, 志賀 辰三
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 792
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     高齢者の転倒を引き起こす内的要因として,感覚系,視覚,神経系,筋骨格系等の加齢変化による立位バランス低下が挙げられる.感覚系の加齢変化の中でも,足底の表在感覚低下は立位姿勢において足底が唯一床面と接していることから,見落とすことができない項目の一つであると考えられる.本研究の目的は,視覚代償の有無,静的或いは動的立位など異なる条件下において高齢者の足底感覚と立位バランスの関連性を明らかにすることである.
    【方法】
     対象は本研究に協力の得られた65歳以上高齢者17名(平均72.3±8.7歳;以下高齢者群),比較対象として若年者19名(平均22.8±3.0歳;以下若年者群)を設定した.測定項目は足底感覚,静的バランス,動的バランスの3項目とした.足底感覚はスピアマン式触覚計を用いて母趾足底面の2点識別覚を計測した.また静的立位バランスは開眼・閉眼時の片脚立位保持時間,動的立位バランスはFunctional Reach Test値を計測した.なお,計測にあたり下肢の筋力低下,可動域の制限等を有する対象者は除外した.また,統計学的解析には対応のないt検定(P<0.05)とピアソンの相関係数(P<0.05)を用いた.
    【結果】
     高齢者群と若年者群の足底感覚を比較すると,高齢者群の平均値17.9±7.1mmに対し,若年者群は平均値8.4±2.4mmと高齢者群が有意に高値であった(P<0.001).また足底感覚と静的立位バランスの関連性は,高齢者群で開眼(r=-0.74,P<0.01),閉眼(r=-0.75,P<0.01)共に有意な負の相関が認められたのに対し,若年者群では開眼・閉眼共に有意な相関関係は認められなかった.さらに足底感覚と動的立位バランスの関連性は,高齢者群(r=-0.74,P<0.01),若年者群(r=-0.54,P<0.05)共に有意な負の相関が認められた.
    【考察】
     高齢者群の足底2点識別覚は若年者群と比較して著しく低下しており,加齢に伴い足底感覚が低下する事が確認された.また足底感覚と静的・動的立位バランスの関連性について,高齢者群は若年者群と比較して静的・動的立位バランスの双方,視覚代償の有無に関わらず強い関連性を認めた.この事は高齢者において静的立位姿勢だけでなく,動的立位バランスを要求される条件下において,視覚情報の有無に関わらず,足底感覚への依存度が高いことが示唆された.
    【まとめ】
     高齢者において,足底感覚が静的・動的立位バランスの双方に影響を与えることが確認された.高齢者にとって足底感覚を改善させることが可能であれば,日常生活の多様な場面において転倒リスクを軽減できる可能性が推測された.しかし,本研究の結果からは,他のバランス構成要素との関連性について明らかにすることができなかったため,この点については今後の課題としたい.
  • *杉原 敏道, 三島 誠一, 田中 基隆, 落合 悦子, 高木 真理子, 対馬 栄輝
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 791
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
     起立動作は日常生活において繰り返し行われる動作の一つであり、この動作の障害は高齢者や障害者の日常生活の自立度を大きく左右する。この研究では30秒椅子立ち上がりテスト(以下、CS-30)を用いた起立動作能力と排泄の自立度の関係について検討した。
    【対象と方法】
     通所リハビリテーションを利用する尿意ならびに便意に問題がなく、認知症や中枢神経疾患を有さない高齢者60名を対象とした。施設内のトイレを自立して安全に利用可能か否かで排泄自立群と排泄自立困難群に分類した。CS-30はJonesらの方法を日本人用に修正した中谷らの方法に準じた。昇降可能な椅子を用い、股・膝関節90°屈曲位、足関節0°になるよう高さを調整した。測定開始肢位は両手を胸の前で組み、両足を肩幅程度に広げさせ、座面の中央部よりやや前方に座らせた座位とした。課題は30秒間での反復起立とし、検者の合図にしたがい測定を開始した。全力で反復起立を行うことを条件に、起立時は股・膝関節が完全に伸展するよう指示した。その後、再び着座するまでの一連の動作を1回とし、30秒間での反復回数を測定値とした。起立時に股・膝関節が完全に伸展していなかった場合にはその回数を測定値から減じた。起立時の股・膝関節の完全伸展に関する判断は測定時に撮影したビデオ記録に基づいて行った。測定は1回とし、起立の途中で30秒に達した場合は1回の測定値としてカウントした。
    【結果】
     排泄自立群(n=36)ならびに排泄自立困難群(n=24)のCS-30の平均はそれぞれ9.4±4.8回および2.5±2.0回であり、排泄自立群に比べ排泄自立困難群で有意な低下が認められた(p<0.01)。判別特性分析では、5.5回の起立回数を境に排泄自立群と排泄自立困難群を判別することが可能であった(判別的中率94.4%・感度85.0%)。
    【考察】
     今回の結果から、自立した排泄動作を可能とするにはこの程度の起立動作能力が必要であると考えられた。今回の排泄自立ならびに自立困難に関する判断は通所施設内のトイレ利用の可否に基づいて行った。しかしながら、各個人を取り巻く在宅での環境は個々で異なるため、今回の結果をすぐに臨床で活用するには限界があると考えられる。したがって、一つの判断材料として用いるのが妥当であろう。
  • *岩月 宏泰, 岩月 順子
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 910
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】動作分析は理学療法の中で核となる技術である.理学療法学生(以下,学生と略す)に学内教育でこの技術の意義,理論,手順などを教授し,健常者を対象とした反復練習させても,臨床実習場面では現象を分析することに苦慮する学生は多い.この技術は,様々な動作場面からその患者の動作の特徴や規則性を見出すものであるため,ある程度熟練した予測能力を必要とする点は否めない.しかし,学生の多くは予測に基づいて分析できないというよりも,必ずしも根拠があるとはいえない1つの予測に基づいて現象を分析するため,多くの情報に理論的な意味付けが出来ないことが原因といえる.そこで,本研究では学生に有疾者の諸動作を観察・分析させた際の視線軌跡から,動作分析技術の習熟度について検討した.【方法】被験者は研究主旨・内容を理解し同意した学生6名及び免許取得後10年以上の理学療法士2名であった.方法は被験者の頭部にナック社アイマークレコーダ(EMR-8)を装着させ,眼前1.5mに設置されたTV画面(21インチ)を注視させた.課題として,予め収録した脳血管障害後片麻痺者の起居動作及び歩行の動画を観察・分析させた後に分析結果のレポートも提出させた.なお,動画観察時の視線軌跡の解析には経時的停留データ(停留データ軌跡を視野座標に描画したもの)及び停留回数(視野座標に停留した累積数)を採用し,レポートの完成度との関係及び学生と理学療法士について比較した.【結果と考察】1)視線軌跡の分析結果:学生の動画観察時の視線軌跡は対象者の特定の部位に留まり,全身を俯瞰的に捉えるための視線移動は少なかった.一方,理学療法士の視線軌跡では動作時に対象者の全身を1か所に留まることなくみており,また麻痺肢と体幹とを交互に見返していた.さらに,対象者とベッド,車椅子などの周囲環境との関わりに配慮した視線移動がみられた.2)レポート内容:学生のレポートでは線図,姿勢・運動の表現は全ての者が正確に記述していたが,各相に分けた動作の運動力学的説明,姿勢・動作の解釈を正確に記述できた者は僅かであった.臨床で行う動作分析では観察した動作を空間的・時間的に運動学用語で記述し,異常もしくは代償運動を発見した折にはその原因となる機能障害を同定することが含まれる.こうした動作分析の「結果の統合と解釈」は原疾患による機能・形態障害及び二次的なそれについての知識を備えていなければ,対象者の運動機能を判断することは困難と考えられる.今回,学生は視線軌跡から対象者の限局した部位のみの観察に留まっていたこと,個々の知識を関連付けて異常運動の理解することが困難であることなどから,レポートの内容が不十分なものとなったと考えられる.【結論】学生の動画観察時における視線軌跡解析から初学者の動作分析の特徴が認められ,動作分析技術の習熟度を高めるための教授方法が示唆された.
  • FRTを用いての検討
    *杉原 敏道, 三島 誠一, 長沼 誠, 武田 貴好, 舩山 貴子, 田中 基隆, 落合 悦子, 高木 麻里子
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 556
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    冬期間における圧雪や凍結は高齢者を転倒にさらす脅威となる。本研究ではFunctional Reach Test(以下、FRT)を用いて、冬期間でも外出可能な高齢者の身体能力レベルについて検討した。
    【対象と方法】
    日常生活に支障のない同意を得た健常高齢者85名を対象とした。運動障害や感覚障害ならびに認知症を有する者は対象から除外した。FRTに先立ち、後方質問法での冬期間の外出に関する聞き取り調査を実施した。聴取内容は他期間と比べた冬期間(12~2月)の外出頻度と、その際の介助ならびに転倒の有無とした。外出頻度とは寒さなどの影響を除き、積雪や凍結による転倒を懸念して外出を回避した、または外出を抑制したことに由来する外出頻度である。積雪による制約がなく安全に外出が可能であった場合は外出自立群、積雪や凍結による外出の回避あるいは外出頻度の抑制、冬期間のみ介助や監視を要した、外出時に転倒があったのいずれかの回答が得られた場合には外出自立困難群とし対象者を分類した。その後、各対象者にはFRTを実施した。FRTはDuncanらの方法に準じた。体幹の回旋は行わないこととし、最大リーチ下での肢位保持時間は5秒とした。記録はmm単位で行い、転倒がないように十分な配慮を行って測定を実施した。両群のFRTの比較には二標本t検定を用いた。また、両群を最適に分類することが可能か判別特性分析を用いてcut off値を求めた。
    【結果】
    外出自立群(n=46)と外出自立困難群(n=39)のFRTは18.3±5.2cmおよび12.1±5.0cmで、外出自立群に比べて外出自立困難群で有意な低下が認められた(p<0.01)。判別特性分析を用いた検討では15.5cmを境として両群をおおむね判別することが可能であった(判別的中率76.2%・感度71.1%)。
    【考察】
    FRTを指標とした場合、外出自立群と外出自立困難群では明らかな身体能力レベルの差異があると考えられる。また判別特性分析では15.5cmを境として両群をおおむね大別することが可能であったことから、FRTから見た高齢者の冬期間でも外出可能な身体能力レベルはおおよそこの程度であると考えられる。しかし、外出自立困難群の中にはある一定の身体能力を有しているがために活動頻度に由来して転倒した者もいたと考えられる。また、判別特性分析の的中率や感度が十分とは言い難いことや、この検討が後ろ向きであることから、この結果を評価基準としてではなく参考材料として用いるのが妥当であると考える。
  • *牧迫 飛雄馬, 島田 裕之, 加藤 仁志, 小口 理恵, 石井 芽久美, 古名 丈人
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 555
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】地域在住高齢者を対象とした運動介入研究が多数実施され、運動の有用性が実証されているが、これらの対象者に対して、介入への参加や運動の継続を左右する行動科学的な要素についての検証は十分にはなされていない。健康行動に対する動機付けの準備性の程度の違いは、個人や集団の身体活動を促進しようとする場合に検討すべき課題であり、行動変容ステージモデルが準備性の程度の把握に有用である。また、このモデルを考慮して支援方法を検討することで効果的なプログラムの企画が可能になる。本研究では、地域在住高齢者における運動行動変容ステージと運動機能、日常生活での身体活動量、および身体活動への意識との関係を検証することを目的とした。
    【方法】対象者は東京都に在住する70歳以上の高齢者とした。対象者の募集は、新聞折り込み広告を板橋区全域で10万部配布し、運動定着に対する介入研究の希望者を募った。参加希望者には説明会を実施して、同意が得られ介入研究の対象となった110名のうち、本調査に協力の得られた101名(平均年齢75.7±4.1歳、男性31名、女性70名)を分析対象とした。なお、本研究は東京都老人総合研究所の倫理委員会からの承認を得て実施した。調査項目は、運動機能測定として、膝伸展筋力(膝関節90度での等尺性収縮)、Timed Up & Go Test(最大努力)、タンデム歩行歩数(最大10歩まで)を測定した。質問紙調査は、運動行動変容ステージ、運動習慣に関する内容、日常活動や身体活動に関する内容について聴取した。行動変容のトランスセオレティカル・モデルに基づき、運動行動変容段階を無関心期、関心期、準備期、実行期、維持期に分類し、無関心期・関心期・準備期と実行期・準備期の2群に分けて、調査結果を比較した。分析は、対応のないt検定およびMann-WhitneyのU検定にて群間比較を行った。
    【結果】運動行動変容ステージは、無関心期1名、関心期20名、準備期30名、実行期4名、維持期46名であった。無関心期・関心期・準備期(51名)と実行期・維持期(50名)の群間比較では、すべての運動機能測定値に有意差を認めなかった。質問紙調査では、実行期・維持期の対象者のほうが、月間運動時間が有意に多く、また、日常の活動に関しては、1週間のうちで身体活動をしないで過ごす日が少なく、近所へ外出する頻度が多かった。また、身体活動量を増やすための意図した行動が有意に多く認められた。
    【まとめ】新聞折り込み広告により参加募集を行ったため、運動行動が定着している対象者が多かった。無関心期・関心期・準備期と実行期・維持期の群間比較では、運動行動変容ステージの違いにより運動機能に有意差は認められなかった。しかし、実行期・維持期の対象者では、運動時間が多く、日常活動で意図して身体活動量を向上させる行動をとり、活動向上への意識が高かった。
  • 杉原 敏道, 三島 誠一, 武田 貴好, 舩山 貴子, 長沼 誠, 田中 基隆, 落合 悦子, 高木 麻里子, 対馬 栄輝
    理学療法科学
    2007年 22 巻 1 号 89-92
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/10
    ジャーナル フリー
    通所リハビリテーションを利用する,尿意ならびに便意に問題がなく認知症や中枢神経疾患を有さない旧介護区分で要介護1と2に区分される高齢者60名を対象に,30秒椅子立ち上がりテスト(以下,CS-30)を実施し,起立動作能力と排泄の自立度の関係について検討した。施設内のトイレを安全に自立して利用することが可能か否かで対象者を排泄自立群と排泄自立困難群に分類し,両群にJonesらの方法を日本人用に修正したCS-30を実施した。その結果,排泄自立群に比べ排泄自立困難群ではCS-30の有意な低下が認められた(p<0.01)。また,判別特性分析では5.5回の起立回数を境に排泄自立群と排泄自立困難群を判別することが可能であった(判別的中率94.4%・感度85.0%)。このことから,自立した排泄動作を可能とするにはこの程度の起立動作能力が必要であると考えられた。しかしながら,在宅での各個人を取り巻く環境は個々で異なるため,今回の結果を在宅において活用するには更に検討が必要であると考えられた。
  • 日本レーザー医学会誌
    2000年 21 巻 3 号 241-302
    発行日: 2000年
    公開日: 2012/09/24
    ジャーナル フリー
  • 糖尿病
    2019年 62 巻 Suppl 号 S-216-S-274
    発行日: 2019/04/25
    公開日: 2019/07/13
    ジャーナル フリー
  • 糖尿病
    2018年 61 巻 Suppl 号 S-172-S-229
    発行日: 2018/04/25
    公開日: 2018/09/13
    ジャーナル フリー
  • 糖尿病
    2019年 62 巻 Suppl 号 P-43-P-258
    発行日: 2019/04/25
    公開日: 2019/07/13
    ジャーナル フリー
  • 糖尿病
    2018年 61 巻 Suppl 号 P-39-P-263
    発行日: 2018/04/25
    公開日: 2018/09/13
    ジャーナル フリー
  • Palliative Care Research
    2022年 17 巻 Supplement 号 S219-S464
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー
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