ブラジル北東部における砂糖産業の中心はペルナンブコ州海岸部であるが,そのなかでも近年重要性が増しつつあるゴイアナ川流域を対象として,近代化した製糖工場(ウジーナ)の展開とサトウキビ集荷圏の空間組織に関して検討を試みた.
この地域では, 1910年代から1920年代にウジーナが設立されて砂糖産業の近代化が進み,1930年代になって砂糖アルコール院が設立され統制時代に入ると,ウジーナの整理'・統合が促進された,さらに, 1970年代中頃以降,アルコール計画の実施を背景にウジーナの規模拡大と経営の多角化が進んだ.
現在,ゴイアナ川流域は, 9カ所のウジーナとそれを取り巻くサトウキビ集荷圏によって組織化され,各サトウキビ集荷圏は,ウジーナ所有の農場と経営参画者およびサトウキビ栽培に専門化した原料供給者の農場によって構成されている.サトウキビ地帯におけるこのような空間組織の変化と実態が明らかになった.
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