素粒子の構造をさぐる研究においては, 高エネルギーの陽子または電子がプローブの役目を果す. 加速器のエネルギーは10年に1桁ずつ上がると言われてきたが, このままゆくとリングの直径は確実に10kmを超える. より効果的に高エネルギー素粒子反応を実現するために考案されたものが衝突ビーム型加速器で, 二つの高速のビームを正面衝突させる. 5000GeVの加速器に等価な衝突ビームは50GeVにすぎない(リングの大きさ1/100!). これにもまして衝突ビームの有用性を印象づけたのはe
+e
-反応を初めて実現し, しかも新粒子J/ψの発見をもたらしたことである. 今や衝突ビームの花盛りの観がある. ep,ppといった新しいリングも, 加速器技術の進歩とともに可能になろうとしている.
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