2000年4月に施行された新海岸法では, 従来型海岸事業で生じていた施設整備と市民の望む海岸のあり方との乖離を埋めるために合意形成の必要性が謳われた.本研究では, 新海岸法を前提に1999年に青森県大畑町の木野部海岸を対象として実施された「住民合意に基づく海岸事業の進め方に関する実践的試み」について体系的にとりまとめたものである.
対象は漁村の海岸であり, 地域住民, 海岸管理者, 専門家, 技術者との対話形式で, 計6回にわたる
懇話会
を行った.
懇話会
では, 整備以前から現在までの海岸環境の変遷や施設の設置経緯などが明らかになり, 構造物設置後の海域の変化や, 利用上の問題等が指摘された.これより対策箇所の絞込みを行い, 結果を常時
懇話会
ヘフィードバックしながら検討を進め, 磯の生態系の回復や子供達の利用に寄与できる施設など具体的な計画がまとまった.
抄録全体を表示