1994年, 大阪大学では2次元CADを用いた作図のみによる図学教育を実施し, 正投象の作図法の理解度を見るための客観テスト (OTO) を試作開発し実施した.
摂南大学
では同じ時間帯で講義をし演習をさせるという従来通りの図学教育を行い, 手書き作図によるテスト (DTO) を実施しているが, このOTOが
摂南大学
でも教育効果を見るために利用できると考え, 1995年度, DTOに加えて同じテストOTOを実施した.また, 両大学とも比較のために同じく客観テストであるMCTを同時に実施している.以上2年にわたる結果はMCTとOTOの間でほとんど相関関係がないこと, 及びOTOとDTOの間にもほとんど相関関係が認められないこと, すなわち三者三様のテストであることを示している.この結果が果たして本当にそのように言えるのかどうか, 1996年
摂南大学
において, もう一度同じ要領でテストを実施した.これら両年にわたるテストは安定した結果を得ており, これらの3テスト間に全く関係ないのではなく, すべてに良くできる者と全然できない者がある, 1題でも完全に理解した者は他の問題の理解力にも優れる可能性があることなどが判った.このような客観テストは教育上の問題点を浮き彫りにすることが可能であり, 教育改善に役立つことが予想される.
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