1. 池の泥の中から採集した古いハスの果実の中に含まれているガスを, 流動パラフィンと置換することにより, 注射器で捕集した。
2. このガスを注射器, ミクロピペットなどを用い, 吸収法に基づく筆者独自の方法て分析した。
3.
新しい果実
に含まれているガスも分析した。この結果,
新しい果実
では古い果実に比して炭酸ガスが多くて酸素が少ないことがわかった。しかし,
新しい果実
に含まれているガスを毎月分析してみると, 時の経過によって変化が見られ, 炭酸が減少, 酸素が増加し,数カ月たつと, 古い果実とほぼ同じ比率をもつようになった。
4. 0°,30°と60°の各温度における果実内のガス組織の変化をみると, 0°では炭酸ガスは減少したあと増加する傾向があり, 酸素は一般に減少した。30°では炭酸ガスは減少したあと増加し, 配素は少し増加した。60°では炭酸ガスはかなり増加し, 酸素は減少した。
5. 60°にある期間おいてあと流動パラフィンにつけた果実をみると, 果皮よりガスの放出はみられない。これらの果実内のガスを分析した結果, 炭酸ガスは減少し, 酸素は増加するというきわめて注目すべき結果が現われた。
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