中国は1970年代末, 改革・開放路線への歴史的大転換を決定し, すでに二十年余りが経過している。この間, 中国への外国の直接投資流入は拡大基調であり, 92年以後, 途上国の中でも最大の直接投資受入国になった。一方, 中国の対外直接投資はどのようであっただろうか。これまで中国への直接投資は比較的多く研究されてきたが, 対外直接投資は殆ど議論されてこなかった。特に今日, 経済グローバリゼーションの背景の下で, 中国経済の持続した高度成長に伴い, さらにWTO加盟により, 国内市場の開放と
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の海外進出が加速している中, 中国
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の海外直接投資はどのように展開しているかは益々注目を集めている。そして, 近年急速に海外へ進出・展開し, 資源開発型投資として中国の海外直接投資に大きく貢献した石油産業も関心をもたれている。そこで本稿ではこの問題に焦点をあて, 1979年から99年にいたる期間に中国の対外直接投資はどのように展開してきたのか。またそうした中, 資源開発の主な担い手である石油業界はどのように海外へ進出しているか, その展開の背景・特徴はどのようであったかを分析することを課題とする。
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