本研究ノートは、執筆者が作成した日本で劇場公開されたスポーツ
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のリストの分析と、これからのスポーツ
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研究の展望を簡単に提示することを目的としている。
「はじめに」では、作品リストが日本のスポーツ
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研究に向けたものとして製作されたことを説明し、その研究の一つの視座としてトム・ガニングの「動き」に関する研究を紹介する。
第二節では、特に北米で盛んなスポーツ
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研究の概況について、具体的な研究の視座と
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分析手法の大まかな傾向を、先行研究例を用いながら整理し、その上でガニングの視座との差異を確認する。すなわち、これまでの、
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におけるキャラクター像や物語分析とは異なり、「動き」そのものがどのように作られて、観客はそのスペクタクル性をいかに享受したかを考察する研究の可能性についての提示である。
第三節では
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リストの製作基準や方法を提示し、近代スポーツと日本
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の連関を研究することに向けて、日本スポーツ
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の大まかな特徴を明らかにする。
結びでは、第二節と第三節とを踏まえて、「動き」のスペクタクルという視座から日本のスポーツ
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研究という大きな展望を、例を交えながら示したい。
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