1991年の
山形県
におけるいもち病は, 葉いもちが平年より早い時期から発生し, 発生面積も平年の約2.8倍と多い発生であった。また梅雨明けが遅れ, 曇雨天下で経過したため, 葉いもちの病勢進展が終息することなく直接穂いもちの発生に結びつき, 発生面積で平年の約3.7倍と多発した。このような発生相様下で, 発病程度別に穂いもち発病株を各地より採取し, 収量および品質関連要素を調査した。その結果, 登熟歩合と精玄米重は, 概ね発病程度中以上で明らかに低下した。特に最上町のはなの舞は, 発病程度による影響が大きかった。また発病穂率と精玄米重との間には高い負の相関が認あれらた。粒厚分布については, 発病程度が高くなるにしたがって粒厚は薄くなり, 1.9mm以上の分布率は, 発病程度中~ 多以上で明らかに低下した。玄米形質については, 最上町のはなの舞は, 青未熟とその他未熟の割合が, 庄内地域のササニシキは主にその他未熟の割合が多く, 発病程度が高くなるに従って, 整粒歩合は低下した。
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