詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "植生地理学"
171件中 1-20の結果を表示しています
  • 三浦宏一郎
    植物研究雑誌
    1990年 65 巻 11 号 327
    発行日: 1990/11/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 鞠子 茂, 小泉 博
    日本生態学会誌
    2005年 55 巻 1 号 113-116
    発行日: 2005/04/25
    公開日: 2017/05/27
    ジャーナル フリー
  • 原正利
    生態環境研究
    2011年 18 巻 1 号 169-172
    発行日: 2011/12/28
    公開日: 2018/04/10
    ジャーナル フリー
  • 杉本 亨, 榎木 敦, 関岡 裕明
    日本緑化工学会誌
    2006年 32 巻 1 号 258-261
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/04/10
    ジャーナル フリー
    淀川河川公園三島江野草地区 (大阪府高槻市) では,国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所により,2003 年春に高水敷切り下げ工事が実施されている。切下げ工事後は,植生モニタリングが継続され,河川における自然再生の可能性評価がおこなわれている。本報告では,2003~2005 年の3か年行われた調査結果の概要を示すとともに,それらを踏まえた現況の評価及び課題についての報告を行う。
  • 地理学評論
    2004年 77 巻 2 号 115-118,iii_2
    発行日: 2004/02/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
  • 津山尚
    植物研究雑誌
    1990年 65 巻 11 号 327
    発行日: 1990/11/20
    公開日: 2022/10/20
    ジャーナル フリー
  • 回顧と展望
    水野 一晴
    アフリカ研究
    2001年 2001 巻 57 号 29-31
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 目代 邦康
    地学雑誌
    2012年 121 巻 2 号 367-383
    発行日: 2012/04/25
    公開日: 2012/05/29
    ジャーナル フリー
     IWATA Shuji and KOIZUMI Takeei initiated Japanese geoecology studies in the 1970s. The Colloquium of Cold Region Landform (Kanrei Chikei Danwakai) contributed significantly to Koizumi's studies. Early geoecological studies have been classified into two categories: analysis of landscape structure and research on phytogeography. The former is similar to the general system theory. This concept is a good method for understanding the natural landscape and for resolving regional issues. The latter relates to systematic geography. These studies are mainly conducted in mountain areas. While studies on natural environments in mountain areas have advanced, Japanese geoecological studies seem to have focused on special areas.
     Furthermore, research trends of Japanese geoecological studies were analyzed by examining competitive funding practices. The results illustrate that there have been three types of study since the 1980s: (1) phytogeographical studies and analysis of the landscape structure in cold regions such as polar and high mountain areas; (2) comprehensive geographical overseas studies; and, (3) problem-solving research on regional issues such as resource management and countermeasures for natural disasters. Currently, phytogeographical studies and problem-solving research are advancing. However, Japanese geoecological studies have not appealed to researchers in different fields until now. The future development of geoecological research requires interdisciplinary research.
  • *苅谷 愛彦, 高岡 貞夫, 松四 雄騎
    日本地理学会発表要旨集
    2015年 2015s 巻 S1201
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/13
    会議録・要旨集 フリー
    ◆はじめに  日本アルプス(JA)の各地に大規模地すべりが存在する。従来,JAの大規模地すべりは,主に地形学や地質学,災害地理学の観点で研究対象とされることが多かった。ところが最近になり,大規模地すべりが高山帯-亜高山帯の生態系の発達に影響を及ぼしている可能性が
    植生地理学
    や地生態学の視点から指摘されるようになった。また地すべりの作り出す地形や土壌条件が山腹-山麓における集落の成立や土地利用形態に関与していることも指摘されている。さらに,大規模地すべりをジオサイトとした世界ジオパークもある。   このように,JA各地の大規模地すべりは地理学の多様な視点と手法でとらえることが可能なはずであるが,総合的・網羅的な討論の機会は従来ほとんどなかった。JAには,どこに・どのような・いつごろの大規模地すべりが存在するのかといった基本問題を解き明かすことを手始めに,大規模地すべりが自然環境や人間生活に与える影響・効果・災禍を解読するにはどのような地理学的アプローチがあるのかや,大規模地すべりを地域発展や生涯教育・防災教育に活かすにはどうしたらよいのか,私たち地理学研究者はどのように連携すべきか,といった話題はもっと議論されてよいであろう。   このことの端緒をつかむために,地形学や地質学,
    植生地理学
    ,災害地理学,地理空間情報学などの専門家による討論の場として,私たちはこのシンポジウムを企画した。個々の発表やコメント,総合討論を足がかりに,地理学が発信するジオグラフィック・ランドスライドロジー(地理学的総合地すべり学)の方向性や到達点を探るのが本シンポジウムの主たるねらいである。以下,本シンポジウムのあらましを述べる。 ◆地形・地質  大規模地すべりを扱った地形学・地質学的研究は最近多くの知見を得てきた。それについては,2013年信州大学・日本地理学会日本アルプスの大規模地すべり研究グループ共催シンポジウム(『日本アルプスの大規模地すべり:第四紀地形学・地質学的視点から』)での発表,包括的レビュー論文をはじめ,本大会において苅谷愛彦らがポスター報告を行っている。本シンポジウムでは,JAにおける大規模地すべりの分布特性や地質との対応について,齋藤  氏に防災科研地すべりデータベースや高精細DEM,数値地質情報などを組み合わせてGIS解析した結果を報告していただく。またJAの地形発達に果たす大規模地すべりの働きを,地形営力論や宇宙線生成核種を用いた年代論を絡めて,松四雄騎が詳しく論じる。 ◆地生態  上述のように,JAの高山帯・亜高山帯における生態系の発達に大規模地すべりが及ぼした影響はほとんど解明されていない。JAにおける池沼の形成や植生成立と大規模地すべりとの関係を,高岡貞夫が主に北アルプスを例にあげて野外・室内解析の両面から探ってゆく。 ◆災 害  いうまでもなく,JAでは大規模地すべりに起因する土砂災害が多発してきた。井上公夫氏には,地質調査も交えたうえで,歴史史料や古文書をひもといて主に歴史時代-現代の事例を整理し,湿潤変動帯の大起伏山地であるJAの土砂災害特性を論じていただく。 ◆環境利用  JAでは,大規模地すべり地が集落や耕地として利用されている例が少なくない。目代邦康氏には大規模地すべりが人間生活や人間による環境利用に結びついていると考えられる事例を複数あげ,それらの相互関係を論じていただく。 ◆ジオパーク  JA北端山麓にある糸魚川世界ジオパークを除き,JAでは大規模地すべりをジオパークに組み込む目立った動きはいまのところない。宮城豊彦氏には,大規模地すべりはいかにジオパークに活用しうるのかを,栗駒山・荒砥沢大規模地すべりの実例をもとに論じ,JAにおける将来展望を透視していただく。 ◆コメント  以上の発表に対して,2名にコメントをお願いする。ヒマラヤをはじめ世界各地の大規模地すべりを実見してきた檜垣大助氏と,野外・室内調査の両面からJAのマスムーブメント研究を進めてきた小口  氏である。 ◆総合討論  発表者とコメンテータのほか,フロアをまじえた全体質疑と総合討論を行う。地理学が主体となってランドスライドロジーを展開することの意義をはじめ,地理学研究者の総力を集めるといかなるジオグラフィック・ランドスライドロジーが展開可能なのかや,今後の課題は何かについて意見を交わしたいと考えている。
  • 特に光線の強弱と葉緑素量の変化について
    萩原 信弘, 小沢 知雄, 倉窪 努
    造園雑誌
    1971年 34 巻 3 号 24-30
    発行日: 1971/03/19
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
    樹木は光線の強弱により、それに応じて陽樹、陰樹の別を生ずるが、従来この区別は経験に基いたものが多い。そこで一つの規準を設け、この区別を決定させようとする企てを試みたのが本論文である。
    それは簡便な葉緑素計を用い、葉つきの樹枝を試材とし、或る照度のもとにその葉内の葉緑素量を測定してみた。その量の多少と照度とを比較することにより、その樹木が太陽光線の或る分量下における生育の良否が決定されるものと仮定して分類を試みた。
    その結果、次の如くである。
    陰樹:ゲッケイジュ、シイノキ、ヒイラギナンテン、サザンカ、ピサカキ、モッコク、アオキ
    半陰樹:ジンチョウゲ、キンモクセイ、マテバシイ、ウバメガシ、トベラ、クスノキ、コブシ、ヤマブキ、キョウチクトウ、ツバキ、サンゴジュ、トウカエデ、カナメモチ、ムクノキ
    陽樹:チョウセンレンギョウ、イチコウ、ポプラ、イボタノキ、ネコヤナギ
  • 沖津 進
    植生学会誌
    1996年 13 巻 1 号 25-35
    発行日: 1996/07/30
    公開日: 2017/01/06
    ジャーナル フリー
      1.サハリン南部に分布するエゾマツ-トドマツ林に焦点を当て,その量構成や組成,
    植生地理学
    的位置づけ,成立機構を,現地調査結果に既存の文献資料を併せて考察した.
      2.サハリン南部では針広混交林が主体と従来から言われてきたが,実際には,エゾマツ-トドマツ林が優占し,落葉広葉樹はわずかに点在するのみである.エゾマツ-トドマツ林の量的構成や組成は北海道のものとよく類似する.
      3.シュミット緑はフロラの境界としては重要で,それ以南のサハリン南部は植物区系的には北海道と同様である.しかし,森林相観の面からは,サハリン南部は低地から常緑針葉樹林が優占することが特徴で,このことが北海道とは大きく異なる.なお,シュミット線以北のサハリン北部は南部とはフロラ,森林相観ともに異質の地域で,グイマツ林が優占することで特徴づけられる.
      4.サハリン南部のエゾマツ-トドマツ林は北東アジアでは珍しい,低地に広がる常緑針葉樹林で,北半球に広がる常緑性の亜寒帯針葉樹林と相同の植生と見なすことができる.いっぽう,北東アジアでは,基本的には,低地の亜寒帯針葉樹林は落葉性のカラマツ林が主体である.そのため,北東アジアの亜寒帯は,北米大陸やヨーロッパの北部や西シベリアの低地と
    植生地理学
    的に全く相同とはいえない.
      5.サハリン南部のエゾマツ-トドマツ林は,宗谷海峡における落葉広葉樹の衰退,および,シュミット線以北におけるトドマツの衰退に対して,エゾマツが一定の生長量を確保していることが重なり合った結果,成立したものである.北東アジアに限っていえば,北に分布するグイマツ優占林と南に分布する針広混交林との間に現れたものである.
  • *荒木 祐二, 平吹 喜彦, 鈴木 邦雄
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 P2-028
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     東北地方南部の太平洋岸地域は,常緑広葉樹林帯の北縁に位置し,落葉広葉樹林帯へと移行する領域(中間温帯)とみなされている。その気候的極相および代償植生については,多くの研究にもかかわらず,種組成や構造,分布範囲などに関して未だ判然としない状況がある。そこで本研究では,(1)林冠でカシ類の欠落した中間温帯北縁域に位置する二次的森林植生の実態を,植物社会学的手法を用いて明らかにすること,(2)その成立機構を気候や立地,人為と関連づけて数量的に解析すること,をめざした。 調査は,宮城県仙台市蕃山ほか合計5つの丘陵地において1998年5月から2001年8月に実施した。まず個々の丘陵地を踏査した上で,林冠のうっ閉した高木林内に225m2の方形区を設置して植物社会学的調査を行った。これにより得られた124の植生調査資料を用いてTWINSPANにより植生型を識別し,さらにDCAを用いて調査林分の序列化を行った。 その結果,モミ・イヌブナ-キッコウハグマ植生型,ミズナラ-マルバアオダモ-ヤマツツジ植生型,コナラ・カスミザクラ-ヤマツツジ植生型,アカマツ-ヤマツツジ植生型,ケヤキ・ミズキ-ミゾシダ植生型の5植生型が識別された。各植生型は,DCAにより,土壌の乾湿と温量指数の環境傾度上に序列化された。これらは微地形や人為とも密接に係わりながら成立していた。また,中間温帯北縁域を代表する二次林であるコナラ・カスミザクラ-ヤマツツジ植生型とアカマツ-ヤマツツジ植生型において,温量指数の低下に伴い,シロダモやカシ類などの暖温帯要素から,ハイイヌツゲやヒメアオキ,マイヅルソウといった冷温帯要素への種組成の推移が認められた。こうした状況は,アカマツ-ヤマツツジ植生型でより顕著であった。
  • 守田 益宗
    植生学会誌
    2001年 18 巻 1 号 39-44
    発行日: 2001/06/20
    公開日: 2017/01/06
    ジャーナル フリー
    Pollen analysis of deposits from Ochiishi Mire was made with special references to the vegetation history of Nemuro Peninsula in easternmost Hokkaido since the Late Pleistocene. A landscape consisting of grassland and birch forest was seen around this area ca. 11500 years ago. Thereafter, conifers such as spruce, fir and larch began to invade and formed boreal forests. These coniferous forests, excluding larch, continuously occupied this area until ca. 6000 years ago. Though the coniferous forests deteriorated due to climatic warming, cool temperate deciduous forest has not fully developed in this area yet. The cool temperate oak forest slightly decreased and boreal birch forest developed in the peninsula ca. 2500 years ago.
  • 菅野 勉, 森田 聡一郎, 佐藤 節郎, 黒川 俊二, 九石 寛之, 島田 研
    日本草地学会誌
    2011年 57 巻 1 号 43-46
    発行日: 2011/04/15
    公開日: 2017/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
  • 中村 幸人
    日本生態学会誌
    2003年 53 巻 2 号 117-
    発行日: 2003/08/25
    公開日: 2017/05/26
    ジャーナル フリー
  • *鈴木 力英, 近藤 昭彦
    日本地理学会発表要旨集
    2005年 2005s 巻
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/27
    会議録・要旨集 フリー
    砂漠や氷で覆われるような地域を除き,植物は陸地の大部分を覆っている.極端な場合を除いて,人間の住むすべての地域で植物が存在すると言っても過言ではないだろう.植生は,気候などと並び人間環境を形作る極めて重要な要素であり,植生の変化は,人間社会への影響となって敏感に現れるはずである.現在の世界に分布する植生は,気候,水文,土壌,地形,雪氷といった自然の環境要因との太古からの相互作用を経験して成り立っている.さらに,人間による文明が地球上に現れてからは,農業や林業などによる植生の人工的な改変,すなわち人間活動との相互作用も経験してきた.以上のように,植生を考える時,自然要因と同時に人間要因考慮する必要がある.このような背景を持つ植生は,総合学問である地理学が積極的に扱うべき研究対象であろう. 植生は古くから人の興味を引き,盛んにその研究が行われてきている.19世紀を通じて世界各地の植物相が調べられ,現在では世界の植生分布が大きく六つの植物区系界に分けられている(例えば,林,1990).このような分類を行うには植生の現地調査が必要となる.実際のフィールドを訪れ,植物の種類,個体数などを観測することになる.しかし,地上を広く覆う植生すべてを,しかも継続的に現地調査することが不可能であることは明白である.それに対して,人工衛星は広域を均質に,かつ,継続的に観測するという,現地調査では適うことのない非常に大きな観測能力を持っている.衛星観測の持つ空間性と時間性という特徴は,植生を地理学的な視点から観察する重要な手法になるはずである.葉緑素を含む植物の葉は,可視域において反射率が小さいが,近赤外域では非常に大きい.この植物特有の分光反射特性を利用し,リモートセンシングによって得られる最も基本的,かつ広く応用されている植生情報である「(正規化)植生指数(NDVI: Normalized Difference Vegetation Index)」がNDVI = ( NIR – VIS ) / ( NIR + VIS )で計算される.NIRは近赤外域,VISは可視域での反射率である(例えは,ホッブス・ムーニー,1993).植生指数は算術的には –1 _から_ 1の値域をとるが,現実の陸域の場合は0.0 _から_ 0.7程度であり,地表面の「みどりの度合い(greenness)」を代表している.衛星「NOAA」のセンサー「AVHRR」,以下同様に「Terra,Aqua」の「MODIS」,「SPOT-4」の「VEGETATION」,「Landsat」の「TMやETM+」,などの観測値から計算することができる.植生指数は地表面の単なるgreennessであるため,「植物区系」や「植物相」といった従来からの植生に関する概念を取り入れ分析することは難しく,地上観測に基づく
    植生地理学
    との間にギャップがあることも否めない.しかし,すでに30年間に及ぶ衛星観測の歴史があり,様々な方面でそのデータは応用されてきている.例えば,植生指数を元にしたフェノロジー解析により,全球を1kmの解像度で覆う植生分類マップが作成されている.また,植生指数データの時間的連続性を活かし,近年の気候変化や,大気中の二酸化炭素濃度の増加と植生の経年変化との関連が研究されている.さらには,地球表層での炭素循環の研究分野でも植生指数が応用され,成果を挙げつつある.衛星観測による植生データの中には,植生の地域性や様々な変動に関する情報が記録されている.それを読み出すためには,地理学の持つ総合性,時空間に対するセンスが必要である.本シンポジウムでは,衛星リモートセンシングを利用した
    植生地理学
    の可能性を多様な側面から探り,得られる知識資産が人間社会へどう貢献するかを考える.将来に対する懸念である環境変化について,地理学はその課題解決に最も期待される学問分野であることを確認し,今後の発展へとつなげて行ければと考える.引用文献:林 一六 1990.『
    植生地理学
    (自然地理学講座5)』 大明堂.ホッブス, R.J. ・ ムーニー,H.A.編,大政謙次・恒川篤史・福原道一 監訳1993.『生物圏機能のリモートセンシング』 シュプリンガー・フェアラーク東京.
  • 京都府西南部における事例
    小林 勇介
    地理学論集
    2010年 85 巻 1 号 42-50
    発行日: 2010/09/30
    公開日: 2012/12/28
    ジャーナル フリー
  • 戸祭 由美夫
    人文地理
    1986年 38 巻 4 号 379-381
    発行日: 1986/08/28
    公開日: 2009/04/28
    ジャーナル フリー
  • *鈴木 力英
    日本地理学会発表要旨集
    2005年 2005s 巻
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/07/27
    会議録・要旨集 フリー
    1.はじめに植生と気候の両者は地球環境の構成要素の中でも人間社会と非常に密に関わっており,その本質を理解することは,地理学の一つの大きな役割と考える.特に,両者のグローバルな分布関係は,
    植生地理学
    における最も本質的かつ基本的なテーマであり,従来から盛んに研究されてきた.例えば,Budyko (1986)は放射乾燥指数と正味放射量を植生帯と関連付けたダイヤグラムを提示した.Lieth (1975)は世界の植生と気温,降水量との関係を図示した.また,Ohta et al. (1993)も同様の気候物理量と筑後モデルで推定した純一次生産力(NPP)との関係を示すダイヤグラムを作成した.しかし,現実の植生状態を全球陸域で知ることは地上観測によっては不可能である.これに対し,衛星観測は全球植生について均質で桁違いに大量の情報量をもたらす.衛星データを使って植生と気候との関係についての従来からの理解を見直すことができる.2. 植生指数(NDVI),湿潤指数,温量指数葉緑素の色素は可視域では反射率が小さいが,近赤外域では非常に大きい.この植物特有の分光反射特性を利用し,植生指数(NDVI: Normalized Difference Vegetation Index)がNDVI = (NIR - VIS) / (NIR + VIS)で計算される.NIRは近赤外域,VISは可視域での反射率である.NDVIは算術的には-1 _から_ 1の値域をとるが,現実の陸域の場合,0.0 _から_ 0.7程度の値をとる.この原理を利用して,衛星観測値からNDVIを計算することができる.本発表では衛星「NOAA」のセンサー「AVHRR」のデータを使った解析を紹介する.温暖月(北半球は3月から9月,南半球は9月から3月)における10年(1986_から_1995年)の平均NDVIを各1×1度グリッドセルについて計算した.湿潤指数は可能蒸発量に対する降水量の比と定義し,温暖月の10年平均値を各1×1度グリッドセルについて計算した.同様に,10年間平均の温量指数(月平均気温のうち5℃を越えた部分の年間積算気温)を同様のグリッドセルについて求めた.3. リモートセンシングによる植生_-_気候ダイヤグラム陸域の各1度グリッドセルにおける平均NDVI,湿潤指数,温量指数を図1にプロットした.湿潤指数,温量指数共に大きいとNDVIも大きいが,どちらかでも小さいとNDVIが小さい.これは,水分や温度条件が植生分布の制限要因となっていることを表している.大きく見ると,図の上半分の領域ではNDVIが湿潤指数に依存して変化し,下半分の領域では温量指数に依存している様子がわかる.これは,全球の植生を規定する気候条件が水分,あるいは温度であるのかを大局的な視点から分離して表している.リモートセンシングによる植生データを使って初めて明らかになった全球植生分布の特徴と言えるだろう.以上のように,リモートセンシングによる植生データを用いると,全球陸域の植生と気候分布の基本的な関係を面的に密に,かつ均質な情報に基づいて分析することができる.その結果からもたらされる植生と気候との基本的関係に関する理解は,地球環境変動を予測する際の知識資産として大きく役立つと考える.謝辞と引用文献:地球環境フロンティア研究センターの徐健青さんと本谷研さんの計算結果を利用させていただいた.Budyko, M.I. 1986. The Evolution of the Biosphere. Translated by M.I. Budyko, S.F. Lemeshko, and V.G. Yanuta. Holland: D. Reidel Publishing Company.Lieth, H. 1975. Modeling the primary productivity of the world. In Productivity of the Biosphere, ed. H. Lieth and R.H. Whittaker. 237-263, New York: Springer-Verlag.Ohta, S., Uchijima, Z., and Oshima, Y. 1993. Probable effects of CO2-induced climatic changes on net primary productivity of terrestrial vegetation in East Asia. Ecological Research 8: 199-213.
  • 地理学評論 Series A
    2020年 93 巻 5 号 419-423
    発行日: 2020/09/01
    公開日: 2023/02/19
    ジャーナル フリー
feedback
Top