思春期を中心に10年間以上にわたって臨床症状の経過を観察し得た症例について寛解群と非寛解群に分け, 各々の群の背景因子, 血中好酸球, 血中IgE値, 特異IgE抗体, RT-Achの各項目について比較検討した.
対象は41名で男性31名, 女性10名, 現年齢の平均は18.1歳であった. この中, 寛解群は16例, 非寛解群は25例であった. アレルギー性家族歴, 喘息発症年齢ともに予後との間には関係はみられなかった. 初診時重症例は寛解し難い傾向がみられた, 血中好酸球の推移は寛解群において前値に比べ, 後値は有意に減少した. 血清IgE値の推移は寛解群, 非寛解群ともに有意な減少を認めなかった. 多種類の吸入性抗原に感作されている症例, アレルギー疾患合併例は, 寛解し難い傾向にあった. RT-Achの経年的推移は, 寛解群, 非寛解群ともに前値に比べ, 後値で有意な改善を認めた. 小児
気管支喘息
の長期予後を調査する際には, 気道過敏性のfollow upが必要と考えられた.
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