泌尿器科における内視鏡の現況についてご紹介するために, 三つの疾患を取り上げてみました.
現在米国では前立腺肥大症に対する手術はほとんどが内視鏡手術 (TUR) で行われております. わが国においても近年TURの普及は目覚ましく, 前立腺肥大症手術の9割以上がTURである施設も少なくありません. CCDカメラの開発は, 複数の医師が同時に手術の進行を監視することを可能とし, TURの安全性と教育の向上とに役立っています.
また尿路結石の治療においても過去10年程の間に大きな進歩がみられ, 現在では開腹手術が行われることはほとんどなくなりました. 体外式衝撃波結石破砕や, 腎孟鏡・尿管鏡などの内視鏡下にレーザー・超音波・衝撃波などによる結石破砕が, 全国的に行われております.
泌尿器科領域における腹腔鏡の応用は, 比較的歴史の浅い分野ですが, 男性不妊の原因の一つである精索静脈瘤に対する内精静脈結紮術は, 腹腔鏡手術の最も良い適応の一つであると思われます.
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