DL-マンデル酸(
DL-MA)とアミン類との塩について優先晶出法による分割の可能性を検討した。そして各アミン塩のラセミ体と活性体のIR,溶解度,融点を比較することから,それらがラセミ混合物,ラセミ化合物,ラセミ固溶体のいずれを形成しているかを検討した。結果として,ジイソプロピルアミン(DIPA)塩はラセミ混合物,ジシクロヘキシルアミン塩とジフェニルアミン塩に関しては,ラセミ固溶体であり,またブチルアミン塩,アニリン塩ジエチルアミン塩およびその他の塩に関してはラセミ化合物であることがわかった。そしてジエチルアミン塩,DIPA塩,ジシクロヘキシルアミン塩,ジフェニルアミン塩について分割実験を行ないDIPA塩についてのみ分割可能であるという結果を得た。
DL-MA・DIPA塩の分割において,分割温度と過飽和度が分割に与える影響についても検討した。過飽和度116~125%において光学純度の高い光学活性体が得られた。
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