【活動目的】 通所型サービスC(以下、通所型C)とは介護予防・日常生活支援総合事業における生活機能改善に向けた運動機能向上等を行う短期集中予防サービスである。
益城町では近年の通所型C利用率が低く、従前相当の介護サービス利用が大多数を占めると共に、要支援1・2の介護度の悪化率が周辺市町村と比較して非常に高い事が課題であった。
これを受け、令和4年に地域づくり加速化事業にて、全国8市町村のプッシュ型支援のうちの1つに選ばれ、厚労省の伴走支援を受ける事となった。
伴走支援を通じて介護サービス事業所や包括支援センター、
生活支援コーディネーター
、住民代表への通所型Cの普及啓発、意識統一が図られたが、実践へ向けた取組は町に任されており、令和5年2月に新たな体制での試行的実施が開始されたばかりである。
この度、通所型Cの体制整備に向け、益城町役場の任期付職員の理学療法士として雇用される機会を得た。
高齢者がフレイルになっても再び元気になり、介護を受けずに地域で暮らし続けられる仕組み作りを進めると共に、包括ケアにおける規範的統合や総合事業の体制整備を進めていく立場での理学療法士の活動についてまとめ、報告する。
【活動内容】 1. 普及啓発・対象者の拾い上げ体制整備
伴走支援で頂いた助言を元にサロンなど町内各地を回って講話を行い、介護予防の考え方の周知及び“介護保険を使わずに元気になれるサービス”として通所型Cの普及啓発を行う。
加えて体力測定を実施して頂いている事業所から測定結果を集め、フレイルに該当する方を拾い上げて通所型Cに繋ぐ体制を整備していく。
また、町内医師会や周辺の病院等とも連携し、介護サービスに繋がる流れとは別に通所型Cの選択肢も候補に入れて頂けるよう働きかけ、通所型Cで短期集中的に生活機能を改善し、地域で自立して介護を受けずに生活を続けていける流れを整備する。
2. 関連組織のチーム化・連携
通所型Cの関連職種とも定期的に実施状況や町の状況を共有する会議を行い、必要に応じ実施方法の提案・連携などを進めていく。
包括支援センターとの連携では通所型Cの予防プラン立案に向けたアセスメントへ同行し、理学療法士目線でアセスメント方法を共有しつつ生活場面での課題と阻害因子の分析を行い、ゴール設定等のプランニングにも協力する。
通所型C卒業前にも
生活支援コーディネーター
なども含めた卒業前カンファレンスを実施し、卒業後も包括支援センターと協働し必要に応じて利用者と一緒に地域の繋ぎ先へ同行して自立した地域生活が継続できるようフォローを行うとともに、終了後のアセスメントも実施する。
その中で生活場面や地域活動のビフォーアフターの動画を撮影し、利用者の満足度向上、地域住民への啓発拡大も行う。
一連の流れを繰り返す事で従前相当の介護サービスと通所型Cの違い、介護保険利用の際の自立支援の理念などの共通認識を事業所・住民ともに形成し、規範的統合を進めていく。
【活動経過】
令和4年8月 地域づくり加速化事業第1回支援
令和4年12月 地域づくり加速化事業第2回支援
令和5年2月 通所型Cの試行的実施開始
令和5年2月 地域づくり加速化事業第3回支援
令和5年4月 通所型C試行的実施中間報告、町内医師会との連携、サロン等体力測定事業所への協力依頼、地域住民への啓発資料作成
(予定)
令和5年5月 サロンへの啓発開始、通所型C卒業前カンファレンス、アセスメント同行、通所型C卒業後フォロー
令和5年6月 高齢者相談員定例会での通所型Cの啓発、通いの場立ち上げ啓発、試行的実施第1クールの終了、振り返り、第2クールへの移行
令和5年7月 民生委員児童委員協議会での通所型Cの啓発
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