新しいセフェム系抗生剤てあるceftriaxone (CTRX, Ro 13-9904) を内科的感染症8例に投与し, その臨康的効果, 副作用について検討したので報告する。
対象は呼吸器感染症5例, 尿路感染症2例, 敗血症疑い1例で, いすれも気管支喘息, 肺癌等何らかの基礎疾患を有する症例である投与は, 1日2~4g, 6日から18日間one shot静注した。臨床効果の判定は, 総合判断により, 替効, 有効, 無効, および不明の4段階にて行った。
臨床効果の内訳は, 呼吸器感染症5/列中, 著効2例, 有効1例, 無効1例, 不明1例, 尿路感染症2例中, 有効2例, 敗血症疑いの1例は無効であった全症例18例中, 不明1例を除き, 著二効, 有効を含めた有効率は71.4%であった, 起炎菌と本剤との関係は少数例のため明らかにはされなかったが, 比較的広い抗菌スヘクトラムを育することか示唆された。副作用については, アレルギー症状, 消化器症状等は全例ともみられなかったか, 1例に軽度のS-GOT, S-GPTの上昇, 1例に軽度好酸球増多がみられたが, いすれも中止後速やかに消失した,
以上より, 本剤CTRXは各種感染症に対して有用な抗生剤と考える。
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