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クエリ検索: "畑野ひろ子"
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  • ALS患者を担当して
    *今井 伸也, 九里 美和子, 南 千佳子, 宮内 吉則, 斉藤 裕子, 畑野 ひろ子
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 446
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    H18年4月の介護報酬改定により、難病やがん末期の要介護者など、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ在宅の中重度者への通所サービスとして「療養通所介護」が創設された。当訪問看護ステーションは、4月より同サービスを開始している。今回、訪問看護(PT)を提供している患者の中で、療養通所介護を併用する症例を経験する機会を得たので、PTとしての関わりの観点から報告する。
    【症例紹介】
    ALS(65歳)男性、妻と二人暮らし:平成17年2月頃より構音・嚥下障害、筋力低下がみられ、7月上記診断。平成18年5月30日入院し、6月16日PEG造設。6月19日気管切開(人工呼吸器)。10月17日退院。当初、表情は硬く、自発的な会話(筆談、ジェスチャー等)は少なかった。ROM-tは右肩関節屈曲制限、右手指伸展制限が見られた。四肢の粗大筋力は3~4レベル。易疲労の為、長時間の座位保持や約5~10m以上の歩行は困難。基本動作は監視レベル。ALS重症度分類は球型で重症度4。ADL(BI)は50/100。QOLはSF-8で身体的健康度(PCS)は22.87、精神的健康度(MCS)は25.10だった。
    【経過】
    退院後より在宅サービスを開始した。訪問看護(Ns)は10月17日より5回/週、訪問看護(PT)は10月19日より1~2回/月。訪問看護(PT)は評価を中心にROM-ex、呼吸リハビリ、筋力増強訓練、指導(患者、介護者、Ns、介護員等)、環境整備、福祉機器の紹介を行った。並行して療養通所介護が10月26日より1日/週開始。療養通所の中でPTは、運動療法、通所スタッフに対してアプローチ(ROM-ex、呼吸リハビリ、筋力増強訓練など)の指導やリスク管理の説明、通所での生活やレクリエーションの助言等を行った。
    【結果】
    身体機能は初期と著変は無かったが、ADL面やQOL、精神機能の改善が見られた。表情は柔和になり、自分の気持ちを話すようになった。
    【考察】
    療養通所介護を訪問看護ステーション(PTのいる)と併設することによって、下記のサービスの向上につながった。リハビリ頻度・活動量が増えた。ニーズ・生活状況の評価を行い易く、「出来るADL」と「しているADL」を確認し、差異をチームアプローチで改善する事が出来た。実際場面で患者のリハビリを療養スタッフが立ち会うことで、質の向上につながった。信頼関係の向上、精神面のサポートにつながった。Ns中心の施設の為、リスク管理が行い易かった。本人のストレス緩和や介護レスパイトにつながった。
    ALSは、一般的に発症すると約2-3年で死亡するとされている。今回の症例より、在宅療養を継続しQOLの向上に結びつける為には、訪問看護(PT)だけでなく療養通所介護を併用することは効果があると考えられた。また、チームの中でPTの専門性を活かすことにより、リハビリの質の向上が期待できる事を認識した。
  • Zarit介護負担尺度日本語版(短縮版)による事例検討
    *土山 裕之
    理学療法学Supplement
    2007年 2006 巻 445
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】自宅復帰を目指すにあたり、患者の心身機能のみならず家族の介護力が問題になる。そのため家族の介護負担の程度を入院時より客観的に把握しておくことは、非常に重要である。Zarit介護負担尺度は、介護によってもたらされる身体的・心理的負担、経済的困難などを総括し、介護負担として表したものである。今回、重度の認知症患者に対し、入院時の理学療法および退院時の環境面への働きかけが、妻の介護負担の軽減につながった症例を経験したので、この尺度の縮小版(J-ZBI_8)を用いて分析し報告する。
    【症例紹介】症例は、78歳、男性。性格は、頑固な職人気質。家族構成は、7人家族で、キーパーソンである妻は、75歳。当初の家族の希望は、日中の移動を介助がいらないくらい良くなって欲しいとのこと。H17.11.12 脱水状態となり、左脳梗塞にて当院入院。
    【理学療法開始時評価】理学療法開始時、ブルンストロームステージは、上下肢5。ROMは、足関節背屈 右 –15°、左– 30°。MMTは、 両上肢3-4、両下肢2-3。筋緊張は、右よりも左に強く全体的に亢進。基本動作は、背筋が優位で寝返り、起き上がりは、不可能。 端坐位では、PUSHER現象が見られ、保持は不可能。ADLは、食事のみ一部介助でその他は、ほぼ全介助の状態。また、高次脳機能については、記憶・注意障害がみられHDS-Rは、8点であった。
    【妻の介護負担尺度の変化】J-ZBI_8は、荒井らによって開発されたもので8項目ある。そのうちパーソナルストレイン(PS)である5項目(20点満点)とロールストレイン(RS)である3項目(12点満点)に分け、入退院時の変化をみた。理学療法2ヶ月時は、PS10点RS3点、退院直前は、PS9点RS1点、退院直後は、PS14点RS6点、退院2ヶ月の時点では、PS2点RS3点、退院3、6ヶ月共にPS0点RS1点であった。
    【歩行量の変化】理学療法2ヶ月の時点で妻や看護師に介入してもらい、歩行練習を行っていった。この頃より歩行量は、右肩上がりで増えていった。
    【退院後の住宅改修】退院時、四つ這いを移動手段とした住宅改修を行った。退院2ヶ月の時点で、歩行能力の向上に伴い本人が独歩するようになった。そのため出来るだけ転倒を回避できるように再度住宅改修を行った。
    【考察】入院中は、RSに比べPSで高く、介護に否定的であることが感じられる。退院直前、妻の歩行面への介入や歩行量の増加が、PS、RS共に減少した要因と考えられる。また、退院直後に介護負担度が急増したのは、歩行時の転倒に対する不安が要因と思われる。退院2ヶ月の時点で、特にPSが極端に減少したのは、歩行時の転倒を回避できる住環境の改善が大きいと考えられる。今回、重度認知症患者に対して歩行能力を活かす住環境の整備により家族の介護負担の軽減につながることをJ-ZBI_8により確認できた。

  • ―ギャルママのファッションは逸脱なのか―
    髙橋 香苗
    家族研究年報
    2019年 44 巻 43-60
    発行日: 2019/07/16
    公開日: 2022/12/25
    ジャーナル フリー

        本研究はギャル系ファッションを好むギャルママのファッション行動は母親として規範的であるとみなせるにも関わらず母親集団の中では他者化されていることを明らかにした。母親の外見のイメージはファッションの選択肢が増えたことに伴って多様化していると推察される一方で、ギャルママは服装によって周縁化されるという状況が生じている。その要因として母親を読者に想定する雑誌のフォーマル・ファッション特集から判明したことは、母親の規範的なファッション行動は場へのふさわしさを意識しつつ個性を主張できる装いをすることだとわかった。しかし個性を発揮して目立つことが志向される一方で、ギャルママは外見において個性を忠実に表明しているがゆえにその周縁性を増大させている。このことから母親のファッションは多様化といっても、それは一定の範囲内で許容される現象であり、個性が志向される外見においても同調的であることの要請は大きいのだ。

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