胃癌を合併したマクログロブリン血症の1例を報告した.
患者は72歳男性.血清単クローン性IgMの増加(3,110mg/dl)と他の血清免疫グロブリンの低下がみられ,マクログロブリン血症と診断された.
患者は, bestrabucilの投与をうけ,血清IgMは漸減したが, 1987年1月,心窩部痛が出現し,胃内視鏡検査にて幽門前庭部後壁にBorrmann I型の胃癌を認めた.生検組織診にて,管状腺癌と判明した. CTにて,肝に多発性のlow density areaを認めたため,手術は行われず, 1987年9月死亡した.胃癌を合併したマクログロブリン血症の症例に関し,若干の文献的考察を加え報告する.
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