わが国
石油
開発の戦後30年はまず帝国
石油
(株)による国内油田開発中心の昭和20年代,次に
石油
資源開発(株)の大陸棚開発とアラビア
石油
(株)•北スマトラ
石油
(株)による海外進出に始まった昭和30年代,そして
石油
開発公団が発足し,民間にも統括
石油
開発会社が設立され,官民一体による海外および大陸棚の
石油
開発が本格的に進められた昭和40年代に3大別して,それぞれ特色づけられる。
しかし昭和50年代に入り,既往の投資の成果が充分でないまま40年代末期に起った
石油危機以来の世界的不況から脱却できないわが国石油
業界は,探鉱資金の調達,開発原油の引取,新規利権の取得などで種々の難問に直而し,1つの転機に立っているのが現状である。
昨年米国のCIAをはじめとし,国際機関や国際
石油
会社が1985年~1990年の間に
石油
危機再来を警告し,世界的な話題となっているが,現実にはせっかくの自主開発原油も買手がつかず市場にだぶついている有様で,今後のわが国の
石油
開発の推進にはこのような現状に対応する新しい発想が必要となっている。
筆者は昨年11月
石油
学会の20周年特別講演会でも同様の問題を取り上げる機会が与えられたので,重複する点があると思うが,わが国の
石油
開発の今後の進め方について若干の提言を試みたい。
抄録全体を表示