開放式
石油ストーブ
の燃焼排ガスによる臭気について分析機器を使用した定量的な評価方法を見いだすことを目的に, 官能試験による臭気の判定と燃焼排ガス中の臭気成分の濃度との関係について検討した。燃焼形式の異なる3種類の開放式
石油ストーブ
を用いて, 燃焼排ガスの揮発成分の確認をGC/MSとGC/FT-IRで行った。そして確認された燃焼排ガス中の揮発成分88物質の中から臭気成分として30の物質を選択した。GC/MSの特定イオンモニター法により燃焼形式の異なる開放式
石油ストーブ
10台の点火時, 燃焼時, 消火時の3状態別での臭気成分30物質の濃度測定を行った。合わせて点火時, 燃焼時, 消火時の3状態別での官能試験による臭気強度も測定した。その結果, 官能試験による臭気強度と相関が高かった臭気成分は,(1) 点火時では, Acrolen, Toluene, 1-Pentene, Crotonaldehydeで,(2) 消火時では, Methyl Cyclohexane, Allylacetone, iso-Propyl, Methyl Ketone, Propionaldehydeであったが, 燃焼時は臭気強度が低いため臭気強度と相関のある臭気成分はなかった。点火時と消火時では重回帰分析により臭気強度と相関の高かった何種類かの臭気成分濃度から臭気強度を予測するモデル式を検討した。
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