さいきんの医学界における流行語ともいえる摂食障碍 (H. Bruch) を表題としたが, このうち心因性肥満については, 既に本誌28巻1号, 1982年に発表したので, 今回は
神経性無食欲症
の診断と治療上の原則とについてのべた. ただし
神経性無食欲症
の経過中にみられる多食やこれに引続く嘔吐や肥満は, 本症に関する豊かな治療経験をもつ者にとってはなじみぶかい現象なのだが, これらの現象に関する知識は普及しているとはいい難いので, この点の記述にいささか力点をおいた. 治療については, 私の多年の治療経験に基づいて, 基本的に重要とおもわれる事項について, 文献に頼ることなく, 解説した.
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