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クエリ検索: "神経病理学"
1,968件中 1-20の結果を表示しています
  • 長嶋 和郎
    日本内科学会雑誌
    2002年 91 巻 8 号 2281-2283
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 生田 房弘
    医学教育
    1980年 11 巻 2 号 74-76
    発行日: 1980/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 室伏 君士
    順天堂医学
    1969年 15 巻 1 号 44-59
    発行日: 1969年
    公開日: 2014/11/22
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 亮平, 新井 哲明
    神経心理学
    2022年 38 巻 2 号 96-108
    発行日: 2022/06/25
    公開日: 2022/07/12
    ジャーナル フリー

    Ataxin-2(ATXN2)はTDP-43蛋白症の疾患修飾因子として近年注目されているが,そのヒト脳組織での特徴は多くが未解明である.我々は,健常例とTDP-43の蓄積を伴う前頭側頭葉変性症(FTLD-TDP)例の脳標本を用いて,ATXN2の神経細胞における詳細な局在様式および発現量について検討した.ATXN2は神経細胞質で主にリボソームに局在しており,翻訳過程における機能が示唆された.患者脳ではATXN2の発現量が健常例よりも有意に低下しており,さらにATXN2はリン酸化TDP-43陽性封入体と共局在した.本結果から,ATXN2がFTLD-TDPの病理過程に関与する可能性が示唆された.

  • 髙尾 昌樹
    運動障害
    2010年 20 巻 2 号 53-64
    発行日: 2010年
    公開日: 2023/04/18
    ジャーナル フリー
    Movement disordersとは運動低下あるいは運動過多を呈する神経学的症状,徴候,疾患を含む一 連の概念ととらえることができる.そこで扱われる神経疾患のなかで,特に神経変性疾患の神経病理を 最近のトピックスも含め広く概説した.Movement disordersは,(1)akinetic-rigid movement disorders, (2)Hyperkinetic movement disorders,(3)ataxic movement disorders,(4)motor neuron disorders の 4 種類に分類される.本稿では,(1)~(2)のなかで,代表的な疾患をとりあげた.
  • 早川 達郎, 細田 欣也, 浦田 重治郎, 湯浅 龍彦
    医療
    1996年 50 巻 7 号 516-519
    発行日: 1996/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    進行性核上性麻痺(PSP)は, パーキンソン症候群, 眼球運動障害および痴呆を特徴とする進行性の神経変性疾患である.
    今回我々は, 66歳の女性で, 長期間にわたってうっ病を疑われて治療を受けていたPSPの1症例を経験した. 本症例は, 垂直方向の眼球運動障害, パーキンソン症候群および抑うっ状態を中心に皮質下痴呆に伴う特徴的な精神症状を兼ね備えていたが, 心理社会的要因が症状の増悪に関与しているようにみえたこともあって, うつ病が疑われた. うつ病と神経疾患に伴う抑うっ状態の鑑別は重要であるが, 症候論的には両者を区別する的確な方法はなく, あくまでも合併する神経学的基礎病変を念頭に置きながら診断することになる. 抑うつ状態を中心とした精神症状を診ていく際に, PSPでは皮質下痴呆の概念が非常に有用であると思われた.
  • 吉田 眞理
    臨床神経学
    2013年 53 巻 11 号 919-922
    発行日: 2013/11/01
    公開日: 2013/11/29
    ジャーナル フリー
    神経疾患の確定診断には病理診断が不可欠である.臨床診断では神経症候学や神経画像の情報が重要な役割をはたすが,画像所見は病変の部位や大きさ,脳浮腫や脳萎縮という性状を経時的に観察できる利点があるものの,病変の質的診断はあくまで,脳生検や剖検による組織学的所見によらなければ確定できない.病理診断の第一歩は,肉眼所見の観察から始まり,疾患特異的な病変分布を捉えることがポイントである.肉眼所見の正誤は顕微鏡診断のフィードバックにより確認あるいは修正・訂正され,さらに画像所見,臨床症候を裏打ちする.パーキンソニズムを呈する神経疾患の脳の肉眼所見を呈示し,その可能性と限界を概説する.
  • 吉田 眞理
    臨床神経学
    2012年 52 巻 11 号 931-932
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/29
    ジャーナル フリー
    Neuropathology is essential for neurology since disease concepts of neurological disorders have been based on the neuropathological findings. Amyotrophic lateral sclerosis, Parkinson disease, multiple system atrophy and Alzheimer's disease have been established on the pathological findings. Neuropathology has been still important, even if diagnostic procedure has progressed in neuroimaging and genetic screening. Today neuropathology includes not only morphological findings, but also immunological and molecular biology. Minimum requirements for post-graduate education indicate that autopsy and clinicopathological conference are essential for young doctors for specialists. The practical experience of autopsy procedure promotes further knowledge and understandings of macroscopical findings of central nervous system. CPC provides the training place to compare clinical neurological signs and neuroradiological pictures to pathological findings, and the chance to confirm the clinical diagnosis. These trainings may raise quality of clinical neurology. It is recommended to practice the training courses in specialized neuropathological institutes, or to attend annual and local meetings of Japanese Society of Neuropathology, although the small number of neuropathological educational center and the decreased number of autopsied brains make it difficult for trainee doctors.
  • 入谷 修司
    日本生物学的精神医学会誌
    2019年 30 巻 4 号 141-146
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/03/30
    ジャーナル オープンアクセス
    かつては,精神神経疾患の病態解明の方法は,解剖学や脳を顕微鏡で観察する
    神経病理学
    的手段が主であった。現在の精神医学の礎をつくったドイツのクレペリンも,精神疾患の原因は脳神経の機能の問題として捉えて脳の観察を精力的にすすめた。その中で,アルツハイマー病などの疾患単位を見いだした。しかし,その後いわゆる統合失調症のような内因性精神疾患の病因病態は
    神経病理学
    的手法では見いだせず,“統合失調症は
    神経病理学
    者にとって墓場”とまでいわれた。近年,組織病理の研究手法の進歩や,神経画像技術の進歩,分子生物学的研究などの発展から,再度,精神神経機能の首座である脳でなにが起きているかの検証が必要となってきた。統合失調症をはじめとする精神疾患の病態解明にあらたな視点の
    神経病理学
    的研究によって神経画像や分子精神医学の成果を脳組織に収れんさせる時代になろうとしている。そしてそのためにも,研究リソースの脳組織の蓄積は重要で,日本版ブレインバンクの成功が待たれている。
  • 平野 朝雄
    臨床神経学
    2008年 48 巻 11 号 804-808
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/01/15
    ジャーナル フリー
    During over 50 years of my career in Neuropathology at Montefiore Medical Center in New York, I have come across certain interesting neuropathological findings. In this communication, some photographs showing macroscopic, microscopic and electron microscopic significant findings are selected to illustrate the usefulness, not only for the diagnosis but also for the understanding of the nervous system. The 11 topics presented in this paper are: (1) alteration of dura mater associated with advanced aging; (2) orderly arrangement of tumor cells in leptomeningeal carcinomatosis; (3) horizontal section of brain with border zone infarct; (4) neurofibrillary tangle formation in the nucleus basalis Meynert ipsilateral to a massive cerebral infarct; (5) extracellular spread of hematogenous edema fluid in the white matter; (6) unrolled myelin sheath; (7) unattached presynaptic terminals in cerebellar neuroblastoma; (8) unattached post synaptic terminals in agranular cerebellar degeneration; (9) neurofibrillary tangles and Lewy bodes in a single neuron; (10) Cu/Zu superoxide dismutase positive Lewy body-like hyaline inclusions in anterior horn cells in familial motor neuron disease; (11) Hirano body. Analysis of these findings are presented for an educational purpose.
  • 藤崎 隆三, 大野 吉昭, 大竹 欣哉
    AUDIOLOGY JAPAN
    1971年 14 巻 5 号 484-491
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    In 1965, a mysterious illness, diagnosed chronic organic mercury poisoning, began to affect the inhabitants, especially fishermen, farmers and their families, who lived in around the mouth area of river AGANO, situated in suburbs of Niigata city, Japan. They had taken ocasionally at table fishes and shelfishes, which were contaminated with mercury compounds, products of chemical manufacturing processes.
    25 cases of them were investigated otologically and audiologically. And 14 cases were pointed out some audiological disturbances. The peculiar findings of them: 1) outwardly normal or very little hearingloss in pure tone audiometries at least in early stage, 2) pure tone thresholds appeared to be unsettled in a few cases, 3) speech articulation score were growing worse in spite of normal pure tone thresholds, 4) in middle stage, pure tone thresholds became to worse slowly at all frequencies or at high frequencies and speech intelligibility functions became systematically poorer, 5) recruitment (SISI and others) were negative in all cases except 4 cases of inner ear deafness, 6) Békésy audiometries (T. T. S) showed two types, unsettled wide amplitude and severe abnormal adaptation characterizing the type III pattern.
    As above mentioned, hearing impairment of chronic organic mercury poisoning was revealed to be retrocochlear disturbance, especially cortical deafness.
  • 第1報
    朝長 正徳, 山之内 博, 万年 徹, 亀山 正邦
    日本老年医学会雑誌
    1975年 12 巻 1 号 13-17
    発行日: 1975/01/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    60歳以上の老年者剖検脳約100例につき, そのアンモン角における平野小体 (Hirano et al. 1965) の出現頻度, 性状および微細構造につき検討し以下の結果を得た.
    (1) 平野小体はアンモン角の Sommer 扇形部錐体細胞層にみとめられた. 検索例の46%にみられ高齢者ほど出現率が高く, 特に70歳以上で著しい.
    (2) アンモン角にみられた老人斑, アルツハイマー原線維変化の出現と平野小体の出現とは平行関係を示し, 特にアルツハイマー原線維変化とよく相関を示した.
    (3) 脳動脈硬化の程度とは関係がなかった.
    (4) 平野小体高度出現群に痴呆の頻度が高かった. その他, 種々な原疾患, 神経症状との間に一定の相関はみられなかった.
    (5) 組織学的には, エオジン好性の桿状または球状, 楕円型を示し, 神経細胞体または neuropil にみられた. トリクローム染色で赤染し嗜銀性 (-). 組織化学的に蛋白染色強陽性で, 脂質・糖質は弱陽性ないし陰性であった.
    (6) 電顕的には線維性構造物よりなり, 強拡大でみると直径100Åの珠玉状フィラメントや格子状に規則正しい配列をしたフィラメントからなる. 傾斜装置でみると, これらは基本的に同一構造物であり, 径約100Åのフィラメントが規則正しく交叉して作られている. この構造物は神経細胞体, 神経突起や老人斑の中に見出された.
    以上より, 老年者の大脳アンモン角における平野小体は年齢および脳の老年性変化と最も関係があり. その構造は直径100Åのフィラメントの規則正しい交叉配列によって作られた結晶様構造で, 蛋白質を主成分とする物質よりなる. その本態は不明であるが, アンモン角 Sommer 扇形部錐体細胞層の神経細胞および神経突起の変性に由来する可能性が考えられる.
  • 加齢と病変との関係について
    小林 康孝, 水谷 俊雄, 高崎 優, 江崎 行芳, 嶋田 裕之
    日本老年医学会雑誌
    1992年 29 巻 9 号 644-651
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    筋萎縮性側索硬化症の上位運動ニューロンと下位運動ニューロンにおける病変の程度と死亡時年齢の関係, 老年性変化と死亡時年齢の関係を, 55例 (40歳代8例, 50歳代8例, 60歳代20例, 70歳代12例, 80歳代7例, 罹病期間6カ月~14年) について検討した. なお, 各年代に正常5例を対照とした. 罹病期間と死亡時年齢には明らかな相関は認められなかったが, 各年代とも人工呼吸器使用例では罹病期間が延長し, 非使用例に比べると病変は強かった.
    病変と死亡時年齢の関係は頚髄膨大部前角に最も現れており, 若年者に比べると高齢者では明らかに病変が軽かった. 40歳代では前角神経細胞の著明な脱落, 線維性グリオーゼとともに前角の萎縮がみられた. 80歳代ではほとんど前角の萎縮は認められず, 神経細胞の脱落も軽度であったが, 残存細胞の多くはリポフスチン沈着が高度であった. グリオーゼも軽度であった. このような変化は腰髄, さらに脳幹運動核にも認められた. 一方錐体路に関しては, 若年者ではほとんどの症例に変性が認められたのに対して, 高齢者では変性が高度な症例とほとんど変性を見いだせない症例があるため, 前角病変ほど加齢との関係は明瞭ではなかった.
    一方, 大脳皮質を中心にした老年性変化は5例を除いて, 高齢者ほどアルツハイマー神経原線維変化および老人斑が出現していたが, 対照例と差が見いだせず, 本症で老年性変化が対照例に比べて加速されているという形態学的証拠はなかった. 5例はいずれも60歳以上で, 明らかに正常の上限を越える老人斑が新皮質に出現していたが, そのうち痴呆を認めたのは1例のみであった.
  • −神経病理学の立場から−
    生田 房弘
    日本重症心身障害学会誌
    2010年 35 巻 1 号 11-18
    発行日: 2010年
    公開日: 2025/05/31
    ジャーナル フリー
    はじめに 司馬遼太郎の小説「峠」の主人公、河井継之助は、ここ長岡藩の家老でした。皆さまの多くが今回降り立たれた長岡駅のホームが丁度その本丸の位置とのこと、したがって私どもは今その本丸にごく近い処を会長の小西 徹先生が学会場と決められたところで、顔を合わせていることになります。 今日は脳病変の回復と、脳機能の生まれるしくみのごく基本的な点に絞って、考えてみたく思います。 神経細胞の結合について 人の脳表面には手足に運動の司令を出す領野や、後頭部の物を見る中枢とか、側頭葉の音を聞く中枢、さらには物思う前頭葉など、さまざまな機能のおよその場所が解っています。こうした大脳に割を入れ、後方から見ると(図1A)、左右の脳は対称的で、少し色のついた灰白質と言われる部分を染めて顕微鏡の下に入れると、多数の三角形のような神経細胞が見えます(図1B)。このような神経細胞(ニューロン)は、大脳だけで140億個もあると言われています。神経細胞にもこのように核があり、胞体があり、他の細胞と何の変哲もありません。 しかし普通の細胞とまるで違うことに初めて気づいた一人はイタリアのカミロ ゴルジーCamillo Golgiで、自分で発見したゴルジー法で染色し、これらの細胞体から多数の枝のような樹状突起という突起が出ている特別の細胞であることが分かりました。これを、光学顕微鏡で見て、彼も他の多くの人々同様、神経細胞の突起は互に結合し、網のようになり機能していると考え、 1906年12月11日、ノーベル賞に輝きました。 ところがその翌12月12日、スペインのカハールSantiago Rámon y Cajalは(図1C)、そうではない、この神経細胞の樹状突起には、イバラのトゲのようなシナプス(この頃まだシナプスという言葉はなかったのですが)があり、受話器のように他の細胞からの情報を受け、次の神経細胞に一本の軸索という突起で伝える、いわゆるニューロン説という、全く相反する意見を述べ、ノーベル賞を受けました。この、1906年頃の技術では、シナプスで2つの神経細胞が結合しているのか、離れているのか、誰も解る方法がなかったのです。 後に、カハールの方が本当らしいとなったのは、それから60年ほど経った1960年過ぎで、電子顕微鏡の方法が確立し、シナプスには、20ナノメータというわずかながら隙間があって、別々の細胞が互いに接近していたことが解りました(図2B)。つまり、カハールの方が正しいらしいということになりました。 かくして、たとえば運動領の神経細胞突起は脊髄のシナプスで情報を伝え、筋肉まで司令を伝える運動神経とか、逆に皮膚からの知覚神経が情報をシナプスで交換して脳に伝えることなどが解ってきました。 神経細胞の間(ま)をうめる膠(グリア)細胞 脳の歴史にもう1つ大きな出来事がありました。それは、1858年、ベルリンのウィルヒョー R.Virchowがニューロンと異なる小さな別の細胞が脳にあることに気づいたことでした。普通、腎臓でも肝臓でも細胞はぎっしり詰まっているのに、脳の神経細胞たちの間には何もない間(ま)のように見える所(図1B星印部)がいっぱいある。ウィルヒョーはこうした神経細胞達がばらばらにならないためには何か接着させる膠(にかわ、グリアglia)のようなものがなければならないはずだと考え、この小さな細胞に、膠,グリア細胞という名を与え、今日に至っているのです。 やがて、皆が気がついたことは(図2A)、グリア細胞の一つアストロサイトの突起の一部はすべての毛細血管の周りを膜状に囲んでいる点でした。そして、私どもが使うエネルギーも酸素も毛細血管(Cap)中の血液から運ばれ、その5分の1はニューロンが使うのですから、ニューロンは毛細血管に直接しがみついていればよさそうなものですが、実際には、毛細血管とニューロンの間には必ずアストロサイトが介在しているのです。今日、脳研究が爆発的に発展しつつあると言われているのは、実はこれらのグリア細胞の理解が爆発的に深まったことにあります。数も多く最も重要なのはアストロサイトですが、このアストロサイトで一番大切なことを見出したのは、アルゼンチンからロックフェラー大学に来ていた、当時30歳位のドゥ ロバーチスDe Robertisだと私は思っています。彼は電顕による観察でニューロンをモンタージュ、スケッチし、すべてのシナプスsynapseの周囲は、アストロサイトに包まれていることを示した点であります。図2Aはそれを改変した私の模型図です。シナプス(S)は何故必ずアストロサイト(A)にカヴァーされている(図2A、B)のか。思えば、ドゥ ロバーチスの観察こそ、今日の神経科学を切り開く礎になったと私は考えます。それは次の発見で理解が進みます。 1979年、アメリカのノーレンベルグNorenbergは、一度使い古された神経伝達物質グルタメイトと、血中に残っている微量の老廃物アンモニアを素材に、アストロサイトだけが持っているグルタミン合成酵素の働きで、アストロサイトが神経伝達物質グルタミンを作って神経細胞に与えていることを突き止めたのです。すなわち、アストロサイトは、アンモニアと使い古したグルタメイトを取り込んで、グルタミンを作り、それをニューロンに与えているので、ニューロンは、情報を伝達できるようになっていたことが判明したのです。 脳梗塞とアストロサイト 脳梗塞など脳の病変部を見ると、いつも高度な脳容積の増大が見られます。それは脳の腫脹swellingとか、脳浮腫edemaと呼ばれ、恐れられ、1960年〜'80年代は、毎年国際学会最大のテーマでした。何故ならそのedemaで頭蓋内圧亢進が生ずると、いつも脳幹天蓋部に2次性に出血性病変が起き、眠っていても呼吸ができる脳幹網様体も、臓器から脳に至る上行性のすべての情報路も遮断され、脳死状態に入るからです。 もう30年も昔ですが、
    神経病理学
    会がウィーンであり、その時のシンポジウムのテーマが脳浮腫edemaで、私どもはこの時、edemaを全く別の観点から述べました。すなわち、「edemaというのは、本当は病変を治すために、そして細胞を移動させるために、非常に巧妙に生体が準備した状態で、決して本来悪者なのではない。」と、以下の理由から述べたのです。時とともに脳病巣の所見を追ってみましょう。 生きているネズミの心臓から灌流固定法で脳を固定し観察すると、正常脳ではごく小さく見えるアストロサイトなのに、病的となった神経細胞の周りのアストロサイトは、急激に極度に膨らむswellingのです。しかし、神経細胞の脱落が激しく数十億ともなると、今度は加えて血管の周りを包んでいたアストロサイトが血管から離れ、血液脳関門が破綻するのです。でも、私どもは本当は壊れたのではなく、「開放した」のだと考えたのですが、その血管から血清が、正常では20ナノメータしかない細胞間隙に流れだし、順に途方もない広さに押し開き、そこに溜まります。その時の、脳浮腫とは、細胞外間隙に血清が溜まった状態です(図3A)。当時、世界中が真っ二つに分かれて、病変部の容積増大はアストロサイトの膨れだ、いや細胞間の浮腫水のためだ、と論争を繰り返していましたが、両方正しかったのです。まずアストロサイトが膨れswelling、次いで水が溜まるedemaのです。時期の違いを見ていただけのことでした。 でも、アストロサイトが膨れるだけでも人は死ぬかも知れぬのに、どうしてさらに水を溜めて人を殺すようなことを自然はするのだろうと非常に不可解でした。 その頃、私は運よく、新潟に「新潟日報」という地方新聞があり、当時社長の廣井継之助さんと言われる、ここ長岡市の方が、私に、「間」という考え方を教えて下さったのです。ある朝、渋滞に遭いました。そうか、車の前に「間」がないと動けない。間があるから動けるのだと思ったとたん、飛行機も、汽車の切符も、全部自分が移動する間を買っているのだ。edemaの細胞間隙の水は「間(ま)」ではないのか?  その中で何かが動くのではないか?  と考えさせられることがあったのです。すぐ、実験を根底からやり直すために研究室に急ぎました。 脳浮腫水は動くための 「間」か 私は皆に、今日からは何十匹ものネズミに同時に病変を作り、時間毎に、毎日しらみつぶしに追って行こうと、口にしました。そして2日目、3日目と進むと、どの論文でも見たことのない所見が出てきたのです(図3B)。非常に汚いこの浮腫液の中には死んだ細胞の屑が、いっぱいある。その中を、沢山の貪食細胞が、死細胞片を血管内に片付けている。そうだ、間がなければ貧食細胞は動けない、間がなければ死細胞は除去できないはずだ、と私どもは知らされました。 (以降はPDFを参照ください)
  • 高尾 昌樹
    臨床神経学
    2012年 52 巻 11 号 851-854
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/29
    ジャーナル フリー
    The concept of mild cognitive impairment (MCI) is clinical condition between normal cognition and dementia. Annual rate of conversion from MCI to dementia is estimated as 10-15%. It must be emphasized that all MCI will not be potential patients of dementing illness. Most studies have been focused on amnestic-MCI as preclinical condition of Alzheimer's disease (AD). Along with the increase number of analyses, MCI is divided in four categories according to clinical presentation such as amnestic-MCI, amnestic-MCI with multiple domains, non amnestic-MCI with single domain and non amnestic-MCI with multiple domains. In general, the underlying disease of amnestic-MCI with multiple domains may be AD, cerebrovascular disorders (CVDs), metabolic disease or depression. Non amnestic-MCI may be frontotemporal dementia, dementia with Lewy body, CVDs and metabolic disorders. In fact, neuropathologic evidence of MCI revealed the presence of various types of pathologic change. Those pathologic changes include an accumulation of tau, amyloid beta, α-synuclein, TDP-43 and FUS protein with various degrees. It is not unusual condition that several different types of pathology are observed in a single individual. Besides neurodegenerative pathology, CVDs and hippocampus sclerosis significantly contribute the cognitive condition of MCI. To realize the complexity of neuropathologic alterations of MCI is important for early intervention of dementia indivisuals.
  • 鳥居 洋太, 入谷 修司
    日本生物学的精神医学会誌
    2023年 34 巻 2 号 47-52
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/06/25
    ジャーナル オープンアクセス
    統合失調症の
    神経病理学
    的研究は100年以上前からなされてきた古典的な手法である。その観察所見は統合失調症における神経細胞の分化・遊走,神経突起の分枝・伸長,シナプス形成などの発達段階における異常を示唆し,統合失調症の病態解明に寄与してきた。一方で,統合失調症における
    神経病理学
    的研究では,統合失調症という臨床診断に伴う生物学的な異質性や生涯にわたるさまざまなイベントの影響から,得られた所見が実際の疾患に特異的であることを明確化することに度々困難が生じることがあった。そのため,筆者らはまれなゲノム変異を有する統合失調症に着目して観察を行い,遺伝学的な情報も加味することによって,より疾患特異的な
    神経病理学
    的所見を見いだすことを戦略の一つとして行っている。統合失調症の病態の解明のためには,単に死後脳を集積するのみならず,ゲノム解析情報も備わったブレインバンクの拡充が望ましいと考えられる。
  • 田中 順一, 福田 隆浩
    日本内科学会雑誌
    1994年 83 巻 4 号 528-532
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    パーキンソン病の黒質病変が見つかったのは本病が最初に記載されてから約100年後である.すなわち,緻密帯に現れる色素神経細胞の萎縮と脱落, Lewy小体の形成およびグリア細胞の増生が特徴的な所見であり,ドーパミン神経細胞の減少が免疫組織化学的に証明される.近年,痴呆の合併やびまん性Lewy小体病が注目されてきている.本病の原因を究明するために種々の候補物質を用いて動物実験が試みられているが,いまだ十分な成果は得られていない.
  • 林 伸, 小橋 潤己, 藤本 眞弘, 町田 明敏, 木澤 卓嗣, 尾崎 卓郎
    中部日本整形外科災害外科学会雑誌
    2012年 55 巻 3 号 607-608
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/07/12
    ジャーナル 認証あり
  • 三山 吉夫
    九州神経精神医学
    2019年 65 巻 3_4 号 113-122
    発行日: 2019/12/15
    公開日: 2020/10/05
    ジャーナル フリー

    初期にはうつ病として治療され,経過中に幻覚・妄想状態,せんもう状態,パーキンソン症候がみられ,その後認知機能低下が出現した。剖検により脳幹・間脳に加えて大脳皮質にびまん性に多数のレビー小体(LB)がみられ,βアミロイドやタウ病理がほとんどみられなかったのでDLBの純粋型と診断した。DLBは,臨床病理学的に規定される疾患であるが,日常の臨床で

    神経病理学
    的検索が行われている症例は,必ずしも多くないと考える。臨床-
    神経病理学
    的概念をより確立するためにも一例一例の検討は必要と考え,13年間臨床経過を観察し,
    神経病理学
    的検索が可能であった症例を報告する。

  • 佐藤 順一
    脳と発達
    1985年 17 巻 4 号 330-340
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭てんかんの既往を持つ剖検例22例の
    神経病理学
    的所見を検討した.出生前要因による11例のうち, 5例は肉眼的に明らかな中枢神経系奇形を呈していたが, 6例は微小な形態異常のみを示す例であった.周生期要因によると考えられる10例および6カ月時の急性脳症による1例の計11例のうち, 高度の大脳外套病変を示すものは6例あり, なかでも皮質病変に比べて白質の線維性グリオーシスが著明である症例が注目された.また各障害時期の症例を通じ, 脳幹被蓋の低形成, 海綿様状態, グリア瘢痕を高率に認めた.脳幹被蓋病変の存在は, 患児の臨床像および精神運動発達に対する理解やリハビリテーションの方向性を考慮する上で重要であろう
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