射出成型製品の代表的性能として反りと冷却時間がある。相反性能であるこれらの性能を達成するには金型内の冷却管の設計が重要である。本研究では熱可塑性樹脂の成型に関して、モールドフローソフトとセットベース設計(PSD)手法を用いて、反りと冷却時間の2性能を同時に満足する冷却管の直径、本数、製品までの距離の3影響因子の範囲解を求めた。結論としてPSD手法の有用性が示された。
Selective laser melting法により金属粉末をレーザにより付加加工する際の各種条件設定と造形物との関係はいまだに不明な点が多い。本実験ではブロック状の積層造形物を作成し各種レーザ条件を変更することによって造形物にどのような影響を与えるのかを観察し評価を行った。
本研究ではキャベツの底面給水育苗システムの灌水自動化時の適切な灌水パターン策定を目的として,吸水マットに設置した体積含水率センサを用いて生産者の慣行法における灌水パターンの記録を試みた.実験は夏季に2作行い,1作目の生育率は91.3%,2作目で88.6%であり2作目の生育が劣った.催芽期間の含水率を20%以上に維持した1作目では正常に生育したが,過剰な乾燥により含水率が夜間に0%まで低下した2作目では枯死する株が発生した.催芽期間以降では日の出から午前中の10時までに含水率35%程度まで灌水し,午後は乾燥させるのが通常のパターンであった,ただし,高温日と定植直前に午後にも灌水した.2作目では高温・低湿度・高飽差により蒸発量が増えたにもかかわらず灌水回数が不足したことが生育悪化の原因と考えられた.以上の結果より,1日の灌水回数を定めるだけでは気象環境の変化への対応は困難であり時間帯ごとに目標含水率を定め,含水率が不足した場合に適宜灌水を行えるシステムの構築が有効と考えられた.
金属光造形法において目的とする加工物を作製するには金属の凝固状態の予測が必要である. 本稿ではレーザを用いてマルエージング鋼粉末を溶融凝固させる造形において, レーザ出力やレーザ走査速度を変化させた際に造形物がどのように変化するかをメルトプールの凝固形状から測定した. また, 理論値からメルトプールの硬化形状を算出し造形物の硬化形状予測が実験値に対して比較検討を行った.
金属光造形法は金属材料をレーザ光で選択的に溶融・凝固させ積層し, 立体的な造形物を完成させる手法である. 本稿では造形条件を新しく決定する際のプロセスを簡略化することを目的として金属材料が溶融した一部分であるメルトプールの硬化形状を表す理論式を導出した.また,マルエージング鋼材料にレーザ光を複数の条件で照射し,メルトプールの硬化形状を測定することで導出した理論値との比較を行った.
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