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クエリ検索: "笛吹中央病院"
73件中 1-20の結果を表示しています
  • 岩尾 憲明, 宮川 幸子, 御園 清香
    臨床血液
    2012年 53 巻 1 号 1
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/02/25
    ジャーナル 認証あり
  • 齋藤 恵介, 堀内 俊樹, 落合 優希
    理学療法学Supplement
    2020年 47S1 巻 P3-3
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
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  • 健康診断後の健康教室における当院の予防的関わり
    坂本 祐太, 甘利 貴志, 小野 美奈, 松田 英樹, 村松 雅也
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-YB-25-4
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    笛吹市では,特定健康診査の保健指導において,特定の基準を満たした者に対し健康教室を実施している。メタボリックシンドローム対策であるチャレンジ脱メタボ教室(以下,脱メタボ教室)と,動脈硬化対策である動脈硬化予防教室にて,当院リハビリテーション科が患者教育視点の運動指導プログラムを考案,実施した。本報告は,動機づけに着目したカウンセリングの即時効果について分析する。

    【方法】

    健康教室は基準によって脱メタボ教室,動脈硬化予防教室に分かれ,希望者に当院で運動指導が行われた。測定は身体組成測定(IN BODY720;バイオスペース社),身体機能測定に膝伸展筋力(Nm/kg),長座体前屈,Functional Reach Test,閉眼片脚立位を測定した。質問紙で運動に対する自信度と重要度のVAS(Visual Analog Scale)と,運動の準備性(行動変容ステージ)の回答を得た。以上の情報を元に,運動を実施するためのカウンセリングを個別に30分行った。カウンセリングは行動変容を目標とし,傾聴や助言による運動への考え方が変容する支援を中心に実施した。また,対象者によっては実際の運動指導も併せて行った。カウンセリング後に再度,質問紙を回答してもらい,即時的な変化を評価した。脱メタボ教室と動脈硬化教室ではカウンセリング前の質問回答時期に差があるため,分けて分析した。誤答,体調不良などを除外して算出し,検定は対応のあるt検定,Wilcoxonの符号付順位検定を用い,優位水準5%未満,解析にJMPver11を用いた。

    【結果】

    各教室の参加者は,脱メタボ教室は16名(年齢63.4±9.8歳,男女比1:1,BMI 25.7±2.9),動脈硬化予防教室は11名(年齢65.5±9.4歳,男女比2:9,BMI 23.5±3.3)となった。質問紙でのカウンセリング前後の即時効果判定は,脱メタボ教室で自信度51.6±19.1mmから68.3±15.7mm(p<0.0001),重要度89.4±13.2mmから92.3±8.8mm(p<0.09)となった。動脈硬化予防教室は自信度44±27.3mmから69.1±35.0mm(p<0.002),重要度88.8±18.0mmから97.3±6.8mm(p<0.06)となった。カウンセリングでは,運動器の痛みの訴えが8名にあり,運動の方法がわからないといった訴えが11名にあった。

    【結論】

    運動を継続して実施するには,動機づけなどの行動変容を促すプログラムが有効とされている。参加者は運動の重要性は理解しているが,具体的な運動方法がわからない,関節痛などの他の要素で運動が行えないといった理由から,運動に対する自信度が低下している傾向性がみられた。本結果は,個別にカウンセリングを行うことは,対象者の意識を即時的に変化させることが可能であることを示唆している。問題として,単発のプログラムのため長期的な効果がわからない点があり,今後は対象者が継続的に運動できる支援が必要と考える。

  • 堀内 俊樹, 渡邉 浩文, 坂本 祐太, 甘利 貴志, 保坂 岳
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-SP-09-5
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】成長期の野球選手において野球肘の有病率は高く予防すべき課題である。野球肘の中でOCD(Osteochondritis dissecans:離断性骨軟骨炎)は特に予後が悪く,症状の出現時にはすでに病態が進行していることが多い。そのため,早期発見することが重要である。近年野球検診が行われる地域が増え,全国的にも広まりつつある。今回,山梨県において野球肘検診を行い,OCDに特徴的な身体機能検査を実施した。【方法】対象は山梨県全域の少年野球団,及びリトルリーグに所属する児童155名,中学校野球部に所属する生徒50名,計205名とした。検診では全例に対し医師による超音波検査(内側/外側)及び,PT・OTによる身体機能検査として,現在の痛み,ROM(伸展制限/伸展時痛/屈曲制限/屈曲時痛),圧痛(内側上顆/小頭/肘頭),外反ストレステスト,MERを横断的に実施した。OCDが疑われた対象者は病院での受診を勧めた。【結果】超音波検査でOCDが疑われ,病院受診を勧められた対象者は8名(3.9%)であった。医師の診察によりOCDが確定した対象者は6名(2.9%)であった。OCDが確定した6名の身体機能検査結果では,共通見解は得られなかった。しかし,6名の内3名は,現在痛みがあり,可動域制限と小頭に対しての圧痛が特徴的に見られた。【結論】野球肘検診におけるOCDの有病率は,先行研究と比較して同程度の発見数であった。OCDが確定した6名の身体機能検査結果では,共通見解は得られなかった。各選手において投球動作は異なり,実際の投球に直結したフォームや普段の姿勢に着目する必要がある。加えて,早期に発見できるOCDの評価法を作成し,用いることで精度の高い野球肘検診につながると考える。こうした野球肘検診を行うことで,理学療法士がOCDの予防に参加,貢献できると考える。
  • 甘利 貴志, 藤田 博曉, 大久保 栄造, 堀内 俊樹, 坂本 祐太, 大森 舞子, 渡邉 浩文
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-DM-05-4
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
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    【はじめに,目的】糖尿病患者における合併症は患者のQOLが著しく損なわれるだけでなく,患者の生命予後に重大な影響を及ぼす。その中でもDPN(Diabetic Polyneuropathy:糖尿病性多発神経障害)は比較的早期に出現する。近年ではDPNと転倒の関連性が報告されており,糖尿病患者のバランス能力低下が報告されている。教育入院患者を対象とした報告が多い一方,外来患者を対象とした報告は少ない。外来患者では,糖尿病教室において運動指導をする機会があるが,DPNに気づいていないことが多く,早期から身体機能が低下している可能性がある。そこで本研究では外来通院患者に対してDPNの有無で身体機能,身体組成の比較を行なった。【方法】対象は当院の内科外来を受診している患者32名(男性22名,女性10名,平均年齢62.5±7.3歳,体重68.4±16.9kg,BMI25.0±4.8,HbA1c7.0±1.0)である。身体機能測定は,膝伸展筋力,握力,開眼片脚立位,Functional Reach Test(以下,FRT),6m歩行テストを行った。身体組成評価は,体成分分析装置In Body720(バイオスペース社製)を使用し,補正四肢筋肉量,下肢筋量,体脂肪率,BMIを測定した。アンケートでは運動習慣の有無,身体活動量の指標にて国際標準化身体活動量質問票short version,QOL評価にてEuro QOL-5Dimension(以下EQ-5D)を調査した。なお,DPNの有無は糖尿病性末梢神経障害の簡易診断基準に準じて糖尿病専門医が診断した。統計学的解析は,対象者をDPN群と非DPN群に分類し,身体機能,身体組成,アンケートの各項目の測定値の群間比較はt検定を用いて検討した。また,DPN群,非DPN群と性別,運動習慣の有無,身体活動量についてはカイ二乗検定を用いて分析を行った。解析はJMP ver11を用いた。統計学的有意水準は5%とした。【結果】DPN群,非DPN群の身体機能の比較では,FRTでDPN群において有意な低下を認めた(p<0.05)。膝伸展筋力,握力,片脚立位時間,6mの歩行速度,歩幅では有意差は認めなかった。また,身体組成,アンケートの各項目では有意差は認めなかった。【結論】本研究において,DPN群でFRTが有意に低下した。本研究の対象者は,比較的血糖コントロール良好な患者であるがDPN群はバランス能力がより低下していることが示された。DPNの症状は感覚障害が早期に出現するとされている。DPN群において,重心を前方に移動し,より末梢の感覚情報が必要となるFRTにおいて低値を示したと考える。高齢者において,バランス能力の低下は転倒に深く関与する。本研究の結果,外来糖尿病教室では,既存の血糖コントロール指導に加え,DPNの評価を行い,バランス能力の改善を図ることや,転倒予防を含めた生活指導を行うことが必要と考えられる。
  • 坂本 祐太, 岡 猛, 甘利 貴志, 志茂 聡
    理学療法学Supplement
    2021年 48S1 巻 12-2-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
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  • −移乗用リフトで「吊られる体験」を通したリフトの操作方法・乗り心地のイメージの変化−
    太田 直樹, 後藤 達也, 田中 康之
    理学療法学Supplement
    2021年 48S1 巻 12-1-5
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
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  • 坂本祐太, 志茂聡, 甘利貴志, 堀内俊樹, 渡邉浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
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    【はじめに】慢性痛には精神・認知的要素が影響する。就労者の抱える痛みとしては腰痛が代表的である。近年、就労者の腰痛に対し,身体機能として柔軟性や筋力の改善が痛みの軽減に関与する報告は散見されるが,リハビリテーション従事者を対象にした報告は少ない。本研究では,慢性痛をもつ就労者の,痛みの精神・認知的要素と身体機能の比較とともに身体活動量を指標の一つとして検討した。

    【方法】対象は,リハビリテーション業務の従事者とした。3 か月以上の痛みを持つ慢性痛群9 名,健常群11 名の計

    20 名とした。評価項目は,慢性痛評価としてVisual Analog Scale,Pain Catastrophizing Scale,Hospital Anxiety and Depression Scale を用いた。身体機能には,握力をスメドレー式握力計,下肢筋力を徒手筋力計で膝伸展筋トルク値

    (Nm/kg)を算出し,柔軟性をFFD(Finger Floor Distance:指床間距離)で測定した。身体活動量は,身体活動量計を用いた。統計学的解析は慢性痛群と健常群の2 群をt 検定で比較し,解析にはJMP ver11 を用いた。なお,本研究はヘルシンキ宣言に則り説明し,同意を得た。

    【結果】慢性痛群は,痛み期間230.6±228.1 週,VAS 36.9±27.9mm,痛み部位は腰部4 名,頭頚部3 名,鼠径部

    2 名,胸部1 名,肩部1 名,膝部1 名となった。統計学的解析では,FFD は慢性痛群-5.6±8.6cm,健常群

    5.13±9.2cm で統計学的有意差を得た(p<0.05)。その他の項目では,統計学的有意差は得られなかった。

    【考察】本研究により,リハビリテーション従事者における慢性痛の部位は腰痛の比率が多い傾向が明らかとなった。

    しかし,その他の部位においても,慢性化した痛みを訴える対象がみられた。慢性痛群と健常群の比較では,柔軟性の指標であるFFD に統計的有意差を得た。また,痛みの精神・認知的要素,身体活動量は有意差を認めなかった。就労者における慢性痛には,身体機能の柔軟性が関係する可能性が示唆された。

  • 堀内 俊樹, 坂本 祐太, 甘利 貴志, 西田 裕介
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-SP-02-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【背景】

    成長期の野球選手において野球肘の有病率は高く予防すべき課題である。野球肘の中でOCD(Osteochondritis dissecans:離断性骨軟骨炎)は特に予後が悪く,症状の出現時にはすでに病態が進行していることが多い。そのため,早期発見することが重要である。近年,日本では野球検診が行われる地域が増え,広まりつつある。今回,山梨県において野球肘検診を行った結果について報告する。

    【方法】

    対象は山梨県全域の少年野球団,及びリトルリーグに所属する小学生259名,中学校野球部に所属する生徒50名,計309名とした。検診では全例に対し医師による超音波検査(肘関節外側)及び,PT・OTによる身体機能検査として,現在の痛み,ROM(伸展制限/伸展時痛/屈曲制限/屈曲時痛),圧痛(上腕骨小頭),外反ストレステスト,MERを横断的に実施した。OCDが疑われた対象者は病院での受診を勧めた。統計学的解析はOCDの有無を説明変数,各検査項目を独立変数として解二乗検定を用いた。解析にはJMPver11を使用した。有意水準は危険率5%未満とした。

    【結果】

    野球肘検診の結果からOCDが確定した対象者は8名(2.58%)であった。年齢の内訳は小学生4名,中学生4名となった。OCDが確定した8名の各検査結果は,屈曲制限(p<0.01),小頭圧痛(p<0.05),エコー外側(p<0.01)で統計学的有意差がみられた。

    【考察】

    OCDが確定した8名の各検査結果では,屈曲制限,小頭圧痛,エコー外側で差がみられた。これらの関係性をもとに日本全国での統一したOCDの評価法を作成することで,精度の高い野球肘検診につながると考える。こうした野球肘検診を継続的に行うことで,理学療法士がOCDの発生予防に貢献できると考える。また,OCDに対して検診は勿論のこと選手だけでなく保護者や指導者に向けても講習会を実施していく必要がある。そして,OCDだけでなく投球障害の拠点となる病院を目指し選手を救っていきたい。

  • 梅田 真太朗, 志茂 聡, 堀内 俊樹, 渡邉 造文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2012年 31 巻 30
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/07
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    【はじめに】
    近年、股関節鏡手術発展とともに股関節インピンジメント(以下、FAI)と診断されるアスリートが増加してきている。しかし、股関節鏡手術の歴史は浅くリハビリテーションの方針が現在も検討されている。今回、FAI股関節鏡手術術後の症例に対し競技復帰を目標としたリハビリテーションを行い、検討を行った。術前評価から術後12週までの経過をここに報告する。また、ここで使用される情報は本人に研究参加への説明をし同意を得た。
    【症例紹介】
    症例は20代男性の野球部投手でリーグ戦中に右股関節痛出現し、他院に受診。3DCT、MRI画像所見にてFAI(CAM type)と診断される。3ヶ月保存療法行うも症状改善せず。当院にて股関節鏡手術行い、翌日より理学療法開始となる。
    【術前理学所見】
    長時間座位や投球時のコッキング相の右股関節内旋時、股関節過屈曲時で股関節痛を認めた。インピンジメントテスト陽性、腸腰筋、股関節外旋筋、内転筋に圧痛認めROMは、股関節屈曲50°伸展5°内旋0°であった。股関節屈曲・外転筋MMT3、内・外旋は疼痛のため実施できず、股関節周囲に筋力低下、歩行時に跛行を認めた。
    【リハビリテーション方針】
    術後2日目より全荷重開始し、術後3週間は関節唇保護のため可動域制限(股関節屈曲30°伸展・回旋禁忌)が設定され筋力トレーニングは股関節外転筋・体幹筋を中心に等尺性収縮で行い移動は両松葉杖歩行とした。術後4週目より全可動域の可動・独歩許可、術後12週間で競技復帰を目標とした。
    【治療と経過】
    術後4週目で全可動域可動許可となり独歩にて自宅へ退院、その後外来通院となった。全可動域可動許可後、術後6週目で股関節屈曲120°伸展15°内旋15°獲得し、術後10週目でインピンジメントテストは陰性、内旋は左側同様30°となった。また、股関節屈曲・外転筋MMT5と筋力向上を認めたが骨頭を求心位に保つために必要な股関節外旋筋に疼痛を認めた。術後12週目では疼痛消失しスポーツテスト実施、18点に達しピッチング練習の開始とともに競技復帰となった。
    【考察】
    本症例に対し、股関節鏡手術術後の理学療法の内容を検討した。術後3週間は活動制限あり可動域制限と著しい筋力低下が想定されたが、術後12週目の時点では著しい筋力低下や股関節の違和感はなく、競技復帰へと進めていくことが可能であった。股関節鏡手術術後のFAI患者に対し今回のリハビリテーション内容は有用だったのではないかと考えた。今後も、様々なFAIに対するリハビリテーション内容や長期的な経過をさらに検証し取り組んでいきたい。
  • 堀内 俊樹, 西田 裕介, 渡邉 浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2012年 31 巻 10
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    理学療法介入の中でも,筋力強化運動は最もよく処方されるプログラムの一つである。本研究では,効率よく筋収縮を促すための運動条件を明らかにすることを目的に,筋発揮張力維持法(以下,LST)と筋への触圧覚刺激を融合させた運動を立案し,その運動方法が血中乳酸値に与える影響について検討した。
    【方法】
    対象は健常成人男性15名(年齢26.2±3歳、身長170.3±4.49cm、体重64.9±7.52kg(平均±標準偏差))とした。初めに最大随意収縮の測定をBIODEX System3を用いた。測定は3回行い,平均値を算出した。次に,足関節の底屈運動を右側のヒラメ筋を用いLSTで行った。運動方法は最大随意収縮の50%を負荷強度とし,3秒下ろし,3秒上げの動作を1回とし8回繰り返した。運動はランダムに施行し,触圧覚刺激は下腿最大膨隆部にカフを巻き施行した。運動終了後の1条件後に血中乳酸値を測定しました。条件設定は,0,30,40,50,60mmHgの5条件を用いた。測定姿勢は股関節,膝関節屈曲90°,足関節底屈0°とし,代償動作が出ないように配慮した。統計処理には,Tukeyの多重比較検定を用いて検討した。有意水準は危険率5%未満とした。<BR>対象者には口頭にて実験の主旨説明し,同意書にて参加の同意を得た。本研究は,聖隷クリストファー大学の倫理委員会の承認のもと実施した。
    【結果】
    血中乳酸値は,全ての対象者において60mmHgで高い値を示した。統計学的検討の結果,0mmHgと比較して60mmHgで有意に高い値を示した(n=15,0mmHg=1.87±0.51,60mmHg=2.79±0.82,p<0.05)。
    【考察】
    60mmHgという触圧覚刺激量は,筋内の低酸素環境を惹起できる刺激量であると考えられ,血中乳酸値を効率よく上昇させうる刺激量として適切な負荷量であることが示唆された。これまで疲労物質として捉えられていた乳酸は,現在ではその代謝特性から筋収縮におけるエネルギー源として定義されていることからも,代謝産物である乳酸の上昇は,筋収縮を効率良く促す条件設定として有効であると考えられる。
    【まとめ】
    健常成人男性に対して,LSTと60mmHgの触圧覚刺激を融合した運動は,血中乳酸値を効率よく上昇させることを明らかにしたことが挙げられる。さらに,血中乳酸値が上昇することは,筋のエネルギー源が増加することと類似している現象である。この血中乳酸値の上昇に伴う筋のエネルギー源の増加は,筋収縮力を増大させるための骨格筋内の環境を整える条件設定として有効であり,触圧覚刺激量の観点から骨格筋機能の特性を把握できた点は大変意義深い成果であると考える。
  • 堀内 俊樹, 西田 裕介, 坂本 祐太
    理学療法科学
    2018年 33 巻 6 号 969-973
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/12/21
    ジャーナル フリー

    〔目的〕野球肘検診で用いられている理学所見が離断性骨軟骨炎(Osteochondritis Dissecans:OCD)の検出に有用かを検討することである.〔対象と方法〕対象はOCDを発症しやすい年齢から考えて小学校4,5,6年生とした.参加の意思があれば中学1年生も許可した.〔結果〕OCDと診断された選手は全対象者297名のうち8名で,全体の約2.7%であった.OCD群と非OCD群で比較した結果,現在の痛み,圧痛,肘関節の屈曲制限,超音波検査の4項目で有意な差を認めた.〔結語〕上腕骨小頭への過剰なストレスが繰り返されることで,腕橈関節の構造的変化を誘発,肘関節の可動域制限と痛みを引き起こしたと考える.また, 超音波検査は, X線検査にて検出不能な早期病変や軟骨層のみの遊離なども描出可能である.

  • 甘利 貴志, 坂本 祐太, 松田 英樹, 村松 雅也, 小野 美奈
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-YB-09-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    笛吹市では,特定健康検査の保健指導において,特定の基準を満たした者に対し健康教室を実施している。メタボリックシンドローム対策であるチャレンジ脱メタボ教室(以下。脱メタボ教室)と動脈硬化予防教室において,当院のリハビリテーション科患者教育視点の運動プログラムを考案し実施した。各教室において,運動に対して消極的な捉え方をしている対象者の中には身体機能が低下している対象者が多くみられた。そのため,対象者の運動に対しての捉え方と身体機能に着目し,検討を行なった。

    【方法】

    健康教室は基準によって脱メタボ教室,動脈硬化予防教室に分かれ,希望者に当院で運動指導が行われた。

    測定は身体組成測定(IN BODY720;バイオスペース社),身体機能測定に膝伸展筋力(Nm/kg),長座体前屈,Functional Reach Test(以下,FRT)を測定した。質問紙で運動に対する自信度と重要度のVAS(Visual Analog Scale)と運動の準備性(行動変容ステージ)の回答を得た。以上の項目を元に,運動を実施するためのカウンセリングを個別に30分実施した。脱メタボ教室と動脈硬化予防教室は対象者が異なることより,教室前の自信度と重要度の数値と身体機能の分析をそれぞれの健康教室ごとに行なった。

    統計学的解析は,目的変数を各身体機能,説明変数を自信度,重要度としSpearmanの順位相関係数を用いて分析を行った。解析はJMP ver11.2を用いた。統計学的有意水準は5%とした。

    【結果】

    各教室の対象者は,脱メタボ教室にて16名(年齢63.4±9.8歳,男女比1:1,BMI25.7±2.9%,体脂肪率30.1±7.9%),動脈硬化予防教室にて11名(年齢65.5±9.4歳,男女比2:9,BMI23.5±3.3%,体脂肪率27.8±8.2%)となった。

    身体機能では,脱メタボ教室,動脈硬化予防教室ともに膝伸展筋力,FRT,長座体前屈は低値であった。動脈硬化予防教室において,自信度と膝伸展筋力(rs=0.75,p<0.01),自信度とFRT(rs=0.76,p<0.01)で有意な正の相関を示した。脱メタボ教室では自信度,重要度ともに身体機能では有意差を認めなかった。

    【結論】

    本研究において,動脈硬化教室のみ自信度と下肢筋力,FRTに正の相関を示した。これより,自信度が低い対象者は下肢筋力やバランス能力が低下していることが示唆された。脱メタボ教室では有意差は認めなかった。したがって,重症化の疑いがある動脈硬化予防教室において,自信度が低い対象者には運動の動機づけに加えて身体機能向上も含めた教育を行い,行動変容を促していく必要があると考える。

  • 痛みの精神・認知要素と職業性ストレスの関係
    坂本 祐太, 甘利 貴志, 堀内 俊樹, 渡邉 浩文
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-YB-06-5
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】本邦における痛みの疫学調査では,全人口の約15%が痛みを6か月以上継続しているといわれる。社会的にも痛みへの対応が求められているが,痛みは感覚,情動や認知といった多面性を有し,多角的な評価が必要とされる。また,厚生労働省は平成27年12月より労働者へのストレスチェック制度を義務化する。この制度は労働者のメンタルヘルス不調のリスクを未然に防止する取り組みである。本研究の目的は,リハビリテーション業務を行う労働者を対象に,痛みの実態調査を行い,痛みの精神,認知的要素と,職業性ストレスの関係を明らかにすることである。【方法】対象は,リハビリテーション科の労働者のうち,同意が得られた38名(年齢29.2±5.4歳,男性21名,女性17名,勤続年数6.3±3.3年,PT19名,OT16名,ST2名,事務職1名)とした。痛みの評価は,部位,発症期間,痛みの量をVisual Analog Scale(以下,VAS),破局的思考をPain Catastrophizing Scale(以下,PCS),主観的生活障害度をPain Disability Assessment Scale(以下,PDAS),不安と抑うつをHospital Anxiety and Depression Scale(以下HADS)を用いた。職業性ストレスは,職業性ストレス簡易調査票(57項目)を用いた。有痛者の痛みの評価と職業性ストレスの「ストレスによっておこる心身の反応(以下,ストレス反応)」の関係を,spearmanの順位相関係数で検討した。統計解析はEZRを使用し,有意水準5%未満とした。【結果】有痛者は25名で全体の65.8%となった。痛み部位は複数保有する部位も換算し,腰部11名,頸部5名,肩部3名,鼠径部3名,その他11名となった。痛みの期間は245.3±353.0週で,19名(有痛者の76%)が3か月以上痛みを保持していた。痛みの評価はVAS 38±23.6mm,PCS 17.3±9.0,PDAS 6.3±4.4,不安7.7±3.2,抑うつ8.0±3.4となった。ストレス反応は,活気6.12±1.9,イライラ感6.8±2.1,疲労感8±1.7不安感6.1±2.1,抑うつ感11.4±3.2,身体愁訴22±4.1となった。ストレス反応の不安感または抑うつ感と相関関係で統計学的有意差を得たのは,PCSと不安感rs=0.56(p<.005),不安と不安感rs=0.82(p<.000),不安と抑うつ感rs=0.46(p<.05),抑うつと不安感rs=0.81(p<.000),抑うつと抑うつ感rs=0.75(p<.000)となった。【結論】対象は勤続年数平均6.3年と若手の労働者が中心だったが,有痛者の割合が高く,慢性化している傾向がみられた。慢性痛では精神,認知的要素が複雑に絡み合い慢性化するとされる。また,ストレス反応の不安感と抑うつ感は高ストレスでみられるといわれる。今回の結果では,PCSと不安,抑うつが,ストレス反応の不安感または抑うつ感と中等度以上の正の相関関係にあった。職業性ストレスは,痛みの精神,認知的要素と影響しあうことが示唆された。
  • *北村 美咲, 瀧口 江理, 小野 美奈, 渡邉 浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2011年 30 巻 O1-7-039
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/03
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    当院は150床の急性期を中心とした病院であり、整形外科患者には歩行獲得のため、受傷後直ちに松葉杖歩行の指導を行う場合が多い。先行研究より、松葉杖歩行の不安定性は60歳代から急激に上昇し、荷重量に関係なく不安定性が出現する傾向があることが言われている。今回、簡便で全身筋力の指標となるとされている握力と松葉杖歩行の安定性の関係について検討したのでここに報告する。
    【対象】
    平成22年4月より平成23年3月にかけて当院リハビリテーション科にて松葉杖歩行の指導を行った患者62症例(平均年齢40.0±22.3歳、男性41名、女性21名)とした。
    【方法】
    実施の流れとしては、まずセラピストが松葉杖歩行指導問診票に記入し、握力を左右各2回ずつ測定、最後に松葉杖歩行指導を行った。握力の各年齢における平均値と安定性のデータを使用し、安定性の違いの有無をX〈SUP〉2〈/SUP〉検定を用いて検討した。不安定と判断した基準として、見守りまたは介助が必要な症例とした。松葉杖歩行指導時の肘関節の角度は、軽度屈曲位または伸展位で行うこととした。
    また、ここで使用される情報についてはヘルシンキ宣言に基づいて行った。
    【結果】
    握力と安定性の関係においては有意差が認められなかった(p<0.05)。また、男女別や年代別の安定性においても有意差は認められなかった(p<0.05)。松葉杖歩行時の肘関節の角度に関しては、軽度屈曲位で指導した際に不安定とされた症例に対して肘伸展位で指導した場合、安定性が向上する傾向がみられた。
    【考察】
    全身筋力の指標となるとされている握力が年齢平均以上であれば松葉杖歩行の安定性が増すとの仮説を立てていた。しかし、今回の調査では握力に関係なく不安定性が出現していた。このことから、握力があっても松葉杖歩行が安定するとは限らないといえる。これは、松葉杖歩行の安定性を増すためには筋力以外の要素も関与しており、これらの要素も視野に入れる必要があるのではないかと考える。また、松葉杖歩行時に肘関節軽度屈曲位で不安定な症例が肘伸展位で安定する傾向がみられた点は、肘伸展位にすることで骨性の支持が得られたことが要因ではないかと考える。
    【まとめ】
    今回は初回松葉杖歩行指導における握力と安定性の調査を行った。今後、不安定性が出ている原因について、バランス能力に関与している筋力以外の要素についても調査し、更に研究していく事を今後の課題としたい。
  • *堀内 俊樹, 有泉 奈緒美, 北村 美咲, 渡邉 舞子, 梅田 真太郎, 渡邉 浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2010年 29 巻 28
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/12
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】筋腹への圧迫は、皮膚の感覚受容器の刺激を介し運動皮質を刺激することにより、筋収縮の増大を強化することが言われている。そこで圧迫刺激の種類と筋収縮の増大する程度の関係を立ち幅跳び距離を指標として数値化することを目的とした。
    【対象】対象は下肢関節に整形外科的既往や現在痛みのない健常成人20名(男性6名、女性14名)とした。すべての対象者に研究内容と倫理的配慮について口頭にて説明し研究参加の同意を得た。
    【方法】測定条件は、立ち幅跳び動作時にテーピングで圧迫しない状態(以下、圧迫無し)と圧迫した状態を設定した。圧迫した状態は、臨床において利用の多い5cm幅の2種のテーピングを用いて、圧迫刺激の違いを設定した(ホワイトテーピング:以下、ホワイト圧迫、キネシオテーピング:以下、キネシオ圧迫)。圧迫部位は下腿最大膨隆部として、最大周径を基準にテーピングにより周径が0(cm)、-1(cm)、-1.5(cm)、-2(cm)となるように圧迫した。立ち幅跳びの測定は、開始立位の足底最前点から着地時の踵部までの跳躍距離を3回計測した。分析は、対応のあるt検定を用い有意水準は危険率5%未満とした。圧迫方法は無作為に行い、測定条件間は休憩を挟み行った。
    【結果】圧迫無しの跳躍距離は平均121.1±17.0(cm)であった。キネシオ圧迫0(cm)、-1(cm)、-1.5(cm) 、-2(cm)における各々の平均跳躍距離は135.5±21.4(cm)、133.9±22.3(cm)、130.9±21.1(cm)、126.7±21.0(cm)であった。圧迫無しとキネシオ圧迫間では全ての状態に有意差を認めた。ホワイト圧迫は、0(cm)、-1(cm)、-1.5(cm) 、-2(cm)における各々の平均跳躍距離は129.8±20.0(cm)、125.1±19.7(cm)、128.0±20.2(cm)、124.0±21.6(cm)、であった。圧迫無しとの間には有意差は認めなかった。
    【考察】圧迫により跳躍距離の増加を認めたことから、圧迫は筋収縮の増大と影響すると考えられる。テーピングの種類の影響として、キネシオテープでの圧迫が影響していた。要因として、伸縮性の違いがキネシオテープの方で、リンパ液・血液の循環を促進させ、筋肉の円滑の動きをサポートしたためと考えられる。今後の課題として、圧迫が筋出力に影響する程度の定量化やテーピングでの圧迫を徒手により代替できるよう、その方法について検討を加えていきたい。
  • *宮下 祐輔, 堀内 俊樹, 赤澤 美奈, 森谷 友羽, 渡邉 浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2009年 28 巻 47
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/11
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    当院では二次救急病院として、交通外傷の患者が多く搬送される。中でも軽度外傷に分類される頚椎捻挫いわゆる“ムチ打ち”のリハビリテーション(以下リハビリ)を行っている。そこで当院に来院される頚椎捻挫患者の傾向を検証するため、頚椎捻挫のリハビリのプログラムをまとめ、痛みを中心とした改善度の調査を行い、後ろ向き研究の18症例を報告する。
    【対象】
    平成20年度に交通外傷にて頚椎捻挫の診断によりリハビリを受けた中で、説明と同意を得た(平均年齢42.76±12.7歳、男性8名・女性10名)18症例(継続中の患者も含む)。
    【方法】
    対象者の年齢、リハビリ開始まで期間と痛みの改善度(開始時と最終時のNRSの差)、リハビリ終了までにかかった日数と回数調査を行い、痛みの改善度を基準にそれぞれ相関検定を行った。
    【理学療法プログラム】
    急性期は触れるだけで痛みを強く訴えることが多く、ホットパック、マイクロ波、干渉波や牽引などの物理療法で対応する。触れることが可能になると、徒手療法で介入する。主症状は筋緊張の亢進、筋スパズムと関節可動域制限に加え全般に痛みを伴う。徒手療法はまず皮膚レベルから介入する。改善に合わせて筋レベルに介入し、関節可動域練習や筋力強化と進めていく。以降アプローチを進めるが、身体的改善が見られない場合もある。その上で精神面でのサポートをする。社会復帰等勧める中で、復職等のアドバイスもしていく。
    【結果】
    痛みの改善度との各相関係数は、(1)年齢0.18、(2)リハビリ開始までの期間0.5、(3)リハビリ終了までにかかった日数0.038、(4)リハビリ回数0.16であった。 (2)のリハビリ開始までの期間と痛みの改善度が中等度で正の相関を示したが、その他の相関はほとんどみられなかった。(p<0.05)
    【考察】
    頚椎捻挫のリハビリの治療に関して検証を行なった結果、痛みの改善度とリハビリ開始までの日数に相関がみられた。このことは受傷直後の炎症期に徒手療法を開始するより、症状が落ち着いてから開始する方がより良いリハビリが提供できると考えられる。しかし、その他の項目に関しては、相関が見られなかった。このことは、頚椎捻挫の身体症状のばらつき(骨、筋、異常感覚、感覚障害、筋力低下)や重傷程度(強さ)、患者個々の精神的な問題や取り巻く環境が大きく影響しているのではないかと考える。今後は症例数を増やし、痛み以外の症状や環境因子を視野に入れ検討していきたいと考える。
  • *瀧口 江理, 赤澤 美奈, 北村 美咲, 森谷 友羽, 渡邉 浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2009年 28 巻 27
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/11
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    当院は急性期病院であり、整形外科患者は、受傷後すぐに松葉杖指導を行なう場合が多い。一般的に、高齢になるにつれ松葉杖歩行の獲得が困難になると言われているが、詳しい指標は提示されていない。今回、転倒リスクの軽減につなげることを目的に、松葉杖歩行の安定性が年齢や荷重量により違いがあるかを検証したのでここに報告する。
    【対象】
    当院リハビリテーション科に平成19年~平成20年にかけて松葉杖指導を受けた患者より、乱数を用いて無作為に抽出した100症例(平均年齢39.8±22.3歳、男性60例、女性40例)とした。
    【方法】
    年齢、荷重量、安定度のデータを使用し安定性の違いの有無をX〈SUP〉2〈/SUP〉検定を用いて検討した。不安定と判断した基準として、見守りまたは介助が必要なため、何度も繰り返し指導が必要だった症例とした。
    また、ここで使用される情報についてはヘルシンキ宣言に基づいて行った。
    【結果】
    年齢における安定・不安定の関係に有意差が認められた (p<0.05)。年齢・荷重量の関係、荷重量と安定・不安定との関係においては、有意差は認められなかった。年齢別に不安定性の出る確率をみると、60歳代から急激に上昇する傾向がみられた。
    【考察】
    今回の結果より、年齢が高くなるほど松葉杖歩行時の安定性が得られ難くなることが示唆された。年齢が高くなるにつれ、身体能力の低下が出現してくるため安定性の獲得が難しく転倒の危険性が高くなると考えられる。また、荷重量が多いほど支持面が得られるため安定性が増すとの仮説を立てていたが、荷重量に関係なく不安定性が出現していた。これは、部分荷重の難しさが関与しているのではないかと考えられる。以上のことから、高齢者の松葉杖指導をする際は、荷重量に問わず転倒に注意した松葉杖指導を行うことが必要である。
    【まとめ】
    今回は初回松葉杖指導における安定度の調査を行った。今後、不安定性が出ている原因について、更に研究していく事を今後の課題としたい。
  • *望月 成士, 渡邉 浩文, 赤澤 美奈
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2008年 27 巻 34
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
    理学療法を行う上で、閉鎖性運動連鎖(以下CKC)を用いてのエクササイズ(以下ex)を行う事が多い。効果としては、筋力増強、筋出力の制御、バランス等の身体機能向上が期待できる。今回、CKC-ex前後にActive Balancerを用いて、視覚的・数値的にデータを集計し、比較・検討を行ったのでここに報告する。
    【対象者】
    対象者を以下のように分類した。a群は当院通院中の外来患者でFree gait可能、Basal Index100点の8名(平均年齢45歳、男性2名女性6名)、疾患内訳は変形性膝関節症4、前十字靭帯損傷保存2、アキレス腱損傷1、膝蓋骨骨折1であり、b群は健常者9名(平均年齢23歳、男性4名・女性5名)であった。
    【方法】
    対象者に、自重のみでハーフスクワットを10回、左右ラウンジを各10回のCKC-exを実施し、以下の計測を前後に行った。(1)スタティック計測は、開眼にて左右片脚立位を15秒間保持、(2)アクティブ計測では、踵接地、膝関節伸展位を条件に前後左右8方向への最大ウエイトシフトを実施した。分析には、データを10項目に分け、対応のあるt‐検定を用い危険率5%とした。
    【結果】
    今回、有意差がみられたのは、10項目中1項目のみ、外来患者スタティック片脚立位左側重心平均X軸であった。その他の計測では有意性がみられなかった。しかし、スタティックな課題においてはa・b群毎に反応している傾向がみられ、アクティブな課題ではa・b群共に過半数が計測時間の短縮がみられた。
    【考察】
    今回、有意差見られたのは、外来患者スタティック片脚立位左側重心平均X軸のみであったが、理由としてはex前の特徴は外側優位に重心があり、CKC-exを行うことにより、良的なアライメントで荷重をかけることが可能になり、主動作筋・拮抗筋による協調性と運動連鎖が改善、大腿内側筋群の遠心性収縮の向上が得られ、内側部に重心がシフトされたことが考えられる。
    しかし、他の計測で傾向はみられたものの、有意差が認められなかった理由としては、測定条件は一定条件だが、個人データのばらつき、1回のみの計測実施だったことや、個々に応じた運動回数・運動負荷が未設定だったこと、計測条件の難易度、疲労の問題等が考えられる。今後、さらに対象、運動負荷、測定回数、環境条件等を考慮し、CKC-exの有用性を追求したいと考える。
  • *赤澤 美奈, 望月 成士, 山田 由記, 加藤 研太郎, 齊藤 成, 渡邉 浩文
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2007年 26 巻 24
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/07/30
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】現在日本では、摂取カロリー過剰と運動不足などによる消費カロリーの低下から、エネルギーの蓄積過剰の状態、つまり肥満とそれに基づくメタボリック患者の増加が深刻な社会問題になっている。その問題に応えるため、市中病院の規模での運動療法プログラムを提供できる体制を整えた。医師・理学・作業療法士を中心に患者に長期間持続可能な医療提供への取り組みを報告する。
    【方法】2005年より、当院外来患者の中でメタボリック症候群の患者を対象に75g糖負荷試験(OGTT), 内臓脂肪CTを行った。糖尿病治療ガイドに従い、内臓脂肪型肥満でインスリン抵抗性の高い患者のうち運動療法を希望された5名に行った。安全に運動療法を行うために、運動負荷心電図を行った。また、研究はヘルシンキ宣言に基づいたものであり、データを発表することに同意を得た。
    1.運動前の血圧測定2.医師の診察3.理学療法士・作業療法士による医療相談4.運動前ストレッチ5.エルゴメーター6.運動後ストレッチ7.運動後の血圧測定、体重測定。
    エルゴメーターの運動負荷量は、運動負荷心電図測定時のデータを参考に心拍数100回/分で40分の負荷強度を目標にした。体重・血圧・心拍数を経時的に測定した。一年あたりの体重減少の平均値、心拍数×脈圧は10回ごとの移動平均値で分析した。
    【結果】5名のうち2名がリハビリ継続中である。残りの3名は骨折などを契機にリハビリを断念した。5名とも10ヶ月以上の経過を追えた。リハビリ期間中は週1から2回以上のペースを継続できた。体重は平均1.9kg/year減少。血圧は運動後では運動前に比べ上昇する傾向にあった。 運動後の拡張期・収縮期共に減少が見られた一症例もあった。心拍数×脈圧は一症例で移動平均値が経時的に10%以上の減少が見られた。増加傾向が2症例で見られた。
    【考察】運動療法は、患者が治療を継続する難しさがある。治療の目標をどこに置くかで患者との接し方も変ってくる。体重減少を目標においた運動療法は患者に精神的負担を与える場合がある。なだらかな体重減少に基づく、内臓脂肪の減少とインスリン抵抗性の解除を目標にすえ、心拍数×脈圧すなわち心血管系のリスク因子を数値的に捕らえ、メタボリック症候群と向き合うことが必要と考える。また、理学療法士のストレッチ指導・医療相談で精神的なケアが長期継続のために有効と考えられる。
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