災害時などでの遠隔監視を目的とした静止画無線伝送装置を開発した. このような装置で重要となる可搬性を, 装置の小形・軽量化および無線伝送機能によって実現している. 静止画の符号化にはディザ法を活用し, ハードウェア規模および伝送データ量の削減をはかっている. また, 音声帯域での伝送のため, 大略情報から先に伝送する階層的伝送法を採用し, 通常のスロースキャンで問題となる受信者の心理的負担を緩和した. 無線伝送には, 受信側での高利得アンテナの使用などの配慮をしたうえで微弱電波を用いた. 微弱電波は雑音に弱いのでデータ圧縮は行わないが, 階層的伝送において伝送を途中で打ち切ることで伝送の効率化をはかっている.
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