本論の目的は, 企業の情報開示戦略の効用を検討するための枠組として, 情報のやり取りを含む
繰り返しゲーム
を用いた分析方法を提案することである. まず, ゲーム理論における通常の戦略形ゲームを拡張した, 情報のやり取りを含むゲームを提案する. さらに, 拡張したゲームをベースにした
繰り返しゲーム
を考え, 囚人のジレンマを用いた
繰り返しゲーム
から, 3つの典型的な情報開示戦略を提示し, シミュレーションによりそれらの優位性を検討する. 本論が設定するゲーム的状況のもとでは, 事実に即した情報の開示を行なうことが, 意思決定者の利益につながることが示される.
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