【目的】幼稚園3歳児クラスの幼児が着替えを習得する過程を動作の所要時間と保育者の援助(内容と回数)の変化より捉えることを目的とする。
【方法】埼玉県内の幼稚園3歳児クラスの20名(男児10名,女児10名)を対象に2016年6月~11月に計8回の観察調査を行った。観察は登園後の着替えの場面とし、通園着から園内服への着替えの様子をビデオカメラで撮影した。録画した画像より、着脱に要する動作の所要時間と保育者の援助(内容と回数)を読み取った。
【結果】所要時間を「脱衣」、「着衣」等の動作ごとに測定した結果、「着衣」の平均所要時間は観察期間内に次第に減少する傾向が見られた。保育者の援助は着衣時よりも脱衣時に多く観察され、被り型衣服の「腕を抜く」等の援助が行われていた。着衣時の主な援助は前あき上衣を「羽織らせる」であった。援助の回数が多い群と少ない群に分けて平均所要時間を算出したところ、援助が多い群の「着衣」の所要時間は6月から9月にかけて短縮されており、援助を受けつつ短い時間で動作を行えるようになっているといえる。援助が多い群の「脱衣」時間は調査日による変動が大きく、保育者が援助を行うタイミングが影響していると考えられる。
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