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クエリ検索: "肺高血圧"
11,751件中 1-20の結果を表示しています
  • 秋山 一也, 今分 茂, 河田 政明, 山田 学, 安西 信行
    医療
    1983年 37 巻 11 号 1134-1137
    発行日: 1983/11/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    原因不明の
    肺高血圧
    症(いわゆる原発性
    肺高血圧
    症)の1例を報告する. この症例は47才の女性で, 彼女は, Raynaud現象, 関節痛, R-A test陽性などの免疫異常があり, 剖検により兄の原発性
    肺高血圧
    症の家族内発生が疑われていた. 現在, 強心剤, 利尿剤, ヒドラジンの投与で臨床症状は改善している.
  • 濱川 公祐, 矢部 敏和, 羽屋戸 佳世, 山崎 直仁, 北岡 裕章, 松村 敬久, 高田 淳, 西永 正典, 土居 義典
    日本老年医学会雑誌
    2009年 46 巻 4 号 358-363
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/08/28
    ジャーナル フリー
    症例は83歳女性.生来健康であったが,2007年5月下旬呼吸困難を主訴に救急車で来院した.胸部X線にて心拡大と肺うっ血を認め,心エコーでは左室収縮能は保たれていたが,重症の三尖弁逆流を認めた.三尖弁逆流の最大血流速より求めた右房·右室の収縮期圧較差は103 mmHgと高度の
    肺高血圧
    症を呈し,心不全および
    肺高血圧
    症の診断で緊急入院となった.血液検査では甲状腺機能亢進症を認め,抗甲状腺刺激ホルモン受容体(TSH-R)抗体が陽性であり,甲状腺エコーでは甲状腺の血流は著明に増加していたためBasedow病と診断した.心不全治療とともに,チアマゾール投与で甲状腺機能亢進症が改善するにつれて
    肺高血圧
    症も改善し,発症から2カ月後の時点で
    肺高血圧
    症はほぼ正常化した.甲状腺機能亢進症に
    肺高血圧
    症を合併することがあるが,甲状腺機能亢進症の治療により可逆性であることが報告されている.本症例はBasedow病を高齢で発症し,発症時に極めて高度の
    肺高血圧
    症を認めたという点で稀な症例である.
  • 吉田 俊治
    臨床リウマチ
    2008年 20 巻 2 号 95-100
    発行日: 2008/06/30
    公開日: 2016/11/30
    ジャーナル フリー
  • 塚本 浩, 内藤 靖, 黒木 巳賀, 長野 政則, 長沢 浩平
    日本臨床免疫学会会誌
    1992年 15 巻 1 号 87-93
    発行日: 1992/02/29
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は28歳,女性.労作時息切れを主訴に近医受診し,胸写上肺動脈拡張を指摘され当科入院.膠原病を疑わせる検査所見あるも診断基準を満たさず,心臓カテーテル検査などの結果より原発性
    肺高血圧
    症と診断し退院.退院後1ヵ月頃より蝶形紅斑および抗二本鎖DNA抗体が出現したことより全身性エリテマトーデス(SLE)の診断が確定したため,ステロイド投与および血漿交換を行ったところ, 4ヵ月後の心臓カテーテル検査にて肺動脈圧および肺血管抵抗の低下を認めた. SLEに
    肺高血圧
    症を伴う例のあることは知られているが,
    肺高血圧
    症がSLEの診断に先行することは極めてまれである.また原発性
    肺高血圧
    症の20~30%にレイノー現象,関節炎,免疫反応の異常など全身性疾患を示す所見を有するものが認められ,これらに対するステロイドなどの免疫抑制療法の可能性を考えるうえで参考になる1例と思われた.
  • 本邦報告例の集計と臨床的特徴
    下山 伸哉, 井上 佳也, 岡田 恭典, 小林 徹, 金子 浩章, 小林 富男, 鬼形 和道, 竹内 東光, 森川 昭廣
    心臓
    2001年 33 巻 12 号 911-917
    発行日: 2001/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    原発性
    肺高血圧
    症(PPH)の家族内発症はよく知られているが,その臨床像は必ずしも明らかではない.我々は,家族性PPHの自験例2家系と,本邦での報告例の臨床像を検討したので報告する.
    対象は23家系(親子例12組,同胞例14組).親子例では世代を経るごとに発症年齢の早期化,いわゆる表現促進現象が認められた.
    初診時理由(主訴)は親子例,同胞例ともに動悸・息切れ,血痰・喀血によるものが多かったが,健診を契機に発見された例も散見された.また,成人女性22例中13例に妊娠を契機とした病状の悪化が報告されていた.
    各症例に対する治療は様々であったが,PGI2持続静注療法施行例は自験例のみであり,移植治療を受けた例はみあたらなかった.
    家族性PPHの臨床像は散発例の報告とほぼ同様であり,以上の集計結果は家族性PPH,さらには散発例のPPHの診療にあたる上で,有用な疫学的事象となると思われた.
  • 渡邉 裕司
    日本薬理学雑誌
    2014年 143 巻 4 号 165-172
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/10
    ジャーナル フリー
    肺高血圧
    症は,肺動脈圧の異常な上昇を認める病態の総称であり,一般には,安静臥位での平均肺動脈圧が25 mmHgを超えるような場合に
    肺高血圧
    症と診断される.臨床的には,肺動脈性
    肺高血圧
    症,左心疾患に伴う
    肺高血圧
    症,肺疾患や低酸素症に伴う
    肺高血圧
    症,慢性血栓塞栓性
    肺高血圧
    症,その他の
    肺高血圧
    症に5分類される.なかでも肺動脈性
    肺高血圧
    症(pulmonary arterial hypertension:PAH)は慢性進行性の肺血管増殖を特徴とし,極めて不良な予後経過をたどる難治性疾患と考えられてきた.しかし,プロスタサイクリン製剤,エンドセリン受容体拮抗薬,ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬などの登場により,その薬物治療は飛躍的な進歩をとげ,患者の予後は大きく改善している.本稿では,ターニングポイントを迎えたPAH治療の現状を紹介する.
  • 岡 隆治, 印鑰 史衛, 森 善樹, 伊藤 真也, 沖 潤一, 長谷川 浩, 吉岡 一, 平田 哲, 片桐 一
    心臓
    1984年 16 巻 6 号 597-603
    発行日: 1984/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    10歳時に心臓カテーテル造影検査にて原発性
    肺高血圧
    症と診断した症例が経過中に,血小板減少,血管内溶血などのまれな合併症状を呈し,診断確定後2年8カ月の経過でうっ血性心不全のため死亡した1例を経験した.病理組織学的には,肺小動脈の内膜の肥厚が著明でありPlexiform lesionも認められた.肝臓ではうっ血とグリソン鞘および中心静脈を中心とする線維症を認めた.これまで原発性
    肺高血圧
    症に血小板減少症を合併したという報告はあるが,血管内溶血や肝線維症を合併した症例はほとんどなくきわめて貴重な症例と考えられ報告した.
  • 岡川 浩人, 鈴木 淳史, 西島 節子, 奥野 昌彦, 服部 政憲, 中川 雅生, 島田 司巳
    心臓
    1994年 26 巻 6 号 639-644
    発行日: 1994/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    家族歴を有する原発性
    肺高血圧
    症の10歳男子例を経験した.心電図検診の意義とその後の経過観察のあり方について考えるうえで重要な症例であると思われたので報告する.
    小学校1年時の心電図検診にて,V1のR波が1.5mVかつR/S>1より右室負荷を疑われ,要経過観察とされた.しかし,4年生時に全身倦怠感が出現し近医を受診したところ心雑音を指摘された.しかし精査のため当科受診するまで心電図は一度も記録されていなかった.この時の心電図では,右軸偏位,右室負荷,右房負荷,不完全右脚ブロックなどがみられ,心臓カテーテル検査において,主肺動脈収縮期圧137mmHg,肺/体血管抵抗比1.0で,
    肺高血圧
    症をきたす器質的心および肺疾患がないため原発性高血圧症と診断した.本例の母親が原発性
    肺高血圧
    症にて死亡しており,心電図検診の突然死予防の目的から考えると,原発性
    肺高血圧
    症の家族歴があり,かつ右室負荷が疑われる場合には,心臓専門医による十分な経過観察が必要と思われた.
  • 大塚 和生, 前田 蓮十, 古賀 満明, 伴 信太郎, 立花 一幸, 矢野 右人, 小野 彰夫, 島 正義
    医療
    1985年 39 巻 5 号 461-464
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    肝硬変症にはまれながら,
    肺高血圧
    症が合併することが報告されている.
    我々も, 肝硬変症で経過観察中,
    肺高血圧
    症の合併を経験したので報告する.
    症例は49才の男性で, 昭和54年に, HBs抗原陽性を指摘されている. 昭和58年12月, 肝性脳症により当科入院となつた. この時, 胸部X線写真上, 主肺動脈の拡張と末梢肺動脈の狭小化像を認め, 心電図は右室負荷, 又, 心音図上, II音肺動脈成分の亢進がみられた. 肺シンチグラムでは, 両側肺門部にlow activity areaがみられた. 心エコーでも右室腔の拡大, 壁の肥厚など, 右室負荷の所見が得られた. 心臓カテーテル検査で, 肺動脈圧が70/25mmHgと上昇しており, 肺動脈抵抗指数も1648dyne・sec・cm-5/m2を呈した.
    肝硬変症と
    肺高血圧
    症との因果関係については, 諸説が報告されているが, この症例で検討したかぎりでは不明である.
  • 国枝 武義
    日本内科学会雑誌
    1996年 85 巻 8 号 1237-1243
    発行日: 1996/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年のMCTD調査研究班による研究を始めとした自己免疫疾患に関する研究の進歩から,予後の悪い合併症として
    肺高血圧
    症(PH)があることが判明した.その発生頻度は各種膠原病のうちMCTDで最も多く,その治療対策が急がれている.膠原病におけるPHの治療として,現時点で考え得る治療法とその成績について述べた.この方面の治療法の確立を願うものである.
  • 佐地 勉
    心臓
    1997年 29 巻 5 号 430-431
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 徹
    Cardiovascular Anesthesia
    2020年 24 巻 1 号 9-15
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/09/10
    ジャーナル フリー

     

    肺高血圧
    症(PH)の診断基準は平均肺動脈圧25 mmHg以上である。軽症PHにおいても肺血管はかなり障害されており,麻酔時に注意が必要である。PHの原因は肺動脈性PH(PAH),左心系障害,肺疾患,慢性血栓塞栓性PH(CTEPH),その他の5つに分類される。予後は,2000年以前はPAHで5年生存40%,CTEPHも同様であったが,最近は各々90%以上,100%に近い。PH診断のための典型的所見を示した。PAH患者の予後改善には,治療目標の決定,エポプロステノール療法の改良,経口薬の進歩,初期併用療法(Upfront combination Tx)が関係している。PHの麻酔についても簡単に追加した。

  • 伊賀 幹二, 富井 啓介, 玄 博允, 玉村 年健, 松村 忠史, 友永 轟, 堀 健次郎
    心臓
    1989年 21 巻 5 号 625-629
    発行日: 1989/05/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    2世代に及ぶ計3例の家族内発生をみた原発性
    肺高血圧
    症と思われる症例を経験した.2例は進行する労作時呼吸困難で来院,1例は偶然の心電図異常にて発見された.原発性
    肺高血圧
    症の家族内発生がまれとされているのは無症状例は検査されなかったためとも考えられる.家族調査は症状の有無ではなく,心電図,心エコー図等によりなされるべきと思われる.また心臓カテーテル検査を施行した2例に薬剤による血行動態の変化を調べたが,肺血管抵抗は変化せず血管拡張薬の使用には悲観的であった.
  • 河合 裕子, 松村 研二, 雨宮 邦子, 小笠原 定雅, 川越 康博, 中村 憲司, 木全 心一, 広沢 弘七郎
    心臓
    1987年 19 巻 4 号 439-444
    発行日: 1987/04/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    原発性
    肺高血圧
    症とは,原因の明らかでない
    肺高血圧
    症であり,常に進行性の経過をとり一般的には予後不良の疾患である.我々は幼児期に発症し,進行性の右室負荷と著明な肺動脈基幹部の拡張を認めた1例を経験したので報告する.
    症例は26歳男子で,正常分娩.5歳頃から次第にるいそうとなり,運動時チアノーゼを認めた.12歳の時の心臓カテーテル検査で,肺動脈収縮期圧は101mmHgと,ほぼ体血圧と等しく,他の弁疾患やシャント疾患を認めず原発性
    肺高血圧
    症と診断した.21歳の時のカテーテル検査では,肺動脈収縮期圧130mmHgと体血圧を凌駕していた.年を追うごとに肺動脈基幹部の著明な拡大と肺動脈末梢の狭小化が進行し,心電図上右室負荷に加えて各種不整脈が出現するようになった.また次第に心雑音と肝腫が増強し,各種治療を試みたが反応せず,26歳の時突然死した.剖検では肺動脈本幹の著明な拡張を認めたが肺実質には異常はみられなかった.
    PPHの,ことに小児発症例は非常に予後が悪いとされるが,中にはかなり長期間生存する例も見られる.本症例は,進行する
    肺高血圧
    症と右心負荷に対し,治療に抵抗性であったにもかかわらず14年間の経過を観察できた興味ある症例と考えられた.
  • 河野 通史, 佐藤 幹弥, 松山 隆治, 宮田 亮
    日本臨床免疫学会会誌
    1987年 10 巻 1 号 91-97
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(SLE)経過中に肝のmultiple nodular hyperplasiaに起因する門脈圧亢進症を合併した症例を報告する. 30歳女性. 23歳時発症のSLEでprednisolone 10mg/日の維持量で某医通院中,昭和59年10月25日突然吐血をきたし当院へ入院した.高度貧血,巨脾を呈し,食道内視鏡,腹部エコー,腹部CT,肝シンチ所見より門脈圧亢進症による食道静脈瘤破裂と診断した.頻回吐血のため第8病日に摘脾および食道離断術を施行した.術中門脈圧は27cmH2Oと高度亢進し,肝表面は凸凹を呈しwedge biopsyにてmultiple nodular hyperplasiaの所見であった.第23病日,術後離断部縫合不全および敗血症を併発し死亡した.
    本症例は,レイノー現象を有し,抗RNP抗体陽性で腎病変は軽度であり,
    肺高血圧
    症を合併していた.
  • 太田 明, 早渕 康信, 古川 正強
    心臓
    1995年 27 巻 11 号 1022-1026
    発行日: 1995/11/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は生後28日の男児である.児は新生児期に新生児遷延性
    肺高血圧
    症の治療を受け,生後19日目に元気に退院した.生後28日目に突然,ニアミス状態で発見され,緊急入院となった.入院期間中,ニアミス発作が4回ほどみられ,蘇生を受けた.生後3カ月の心臓カテーテル検査で基礎心疾患を有しない高度の
    肺高血圧
    症と診断した.心臓カテーテル検査後,プロスタサイクリン(PGI2)を開始し,ニアミス発作とチアノーゼは消失した.1歳2カ月の時に実施した第2回目の心臓カテーテル検査で依然,
    肺高血圧
    を認めるが,肺血管抵抗は45単位より12.7単位に低下していた.動脈管レベルにおける血流パターンは初期には右左短絡であったが,最近では左右短絡優位を示している.生後6カ月で退院し,在宅酸素療法(HOT)を実施している.HOTは患児の情緒的発達を促し,医療経済的な負担を軽減させた.本症例は新生児遷延性
    肺高血圧
    症の長期持続例であるが原発性
    肺高血圧
    症との関連でみると興味深い.しかし,これまで新生児遷延性
    肺高血圧
    症の慢性型に関する報告はまれで,自然歴をみる上で貴重な症例と思われる.
  • 羽根田 隆, 三浦 拓二, 石出 信正, 宮沢 光瑞, 滝島 任, 丹羽 隆
    日本内科学会雑誌
    1978年 67 巻 8 号 853-859
    発行日: 1978/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性
    肺高血圧
    症(PPH)における非侵襲的診断法を検討するため, 7例の本症患者(男2,女5,年令14~48才,平均30才)に心エコー図検査を施行,左-右短絡性疾患に続発した
    肺高血圧
    症(以下SPHと略す)と比較した. PPH群の肺動脈平均圧は42~90mmHg,平均60mmHg,肺血流量は1.85~3.48l/min/m2,平均2.64l/min/m2であつた.心エコー図所見として右室拡張期径の拡大が全例にみられたに反し,左房,左室径は正常,もしくは小であつた.僧帽弁後退速度は低下し,僧帽弁狭窄症と紛らわしい所見を呈したが,後尖の動きは正常であつた.心室中隔運動の振幅は左室後壁に比し大で, 7例中4例で奇異性運動がみられた.
    肺高血圧
    の所見とされる肺動脈弁エコーにおけるe-fslopeの水平化, ‘a’ dipの消失はPPH, SPH両群に共通にみられたが,もう一つの
    肺高血圧
    の所見,収縮期弁flutteringは後者で全例にみられたに反し,前者では明らかでない例が多かつた.又,弁エコーは援者で太いのに反し,前看で細く,対照的であつた. 4例のPPH剖検例(年令15~33才,平均25才)では肺動脈弁の肥厚を認めなかつたが, SPHの部検7例(年令1~25才,平均13才)では肺動脈弁の肥厚,膠原線維増殖が認められ,弁エコー厚さが異なる一因として,弁の器質的変化が関連を有すると考えられた.
  • 中西 宣文
    臨床リウマチ
    2012年 24 巻 2 号 106-112
    発行日: 2012/06/30
    公開日: 2015/10/02
    ジャーナル フリー
       結合組織病に合併する
    肺高血圧
    症は,病態は多くの点で特発性肺動脈性高血圧症と類似し,このため改訂版
    肺高血圧
    症臨床分類(ダナポイント分類)では第1群:肺動脈性高血圧症の項にConnective tissue disease-PAH(CTD-PAH)の名称で分類されている.しかしCTD-PAHは特発性肺動脈性高血圧症に比して予後が不良であることや,本症の
    肺高血圧
    の成因には結合組織病自身の病態に加え,左心系疾患による
    肺高血圧
    症,肺疾患による
    肺高血圧
    症,慢性血栓塞栓性
    肺高血圧
    症などの要素を含む極めて複雑な病態を持つことが判明してきた.CTD-PAHの治療には,現在は基本的には特発性肺動脈性高血圧症の治療指針に準じて本症に特異的な治療薬が用いられている.しかしわが国ではこれに加え免疫抑制剤を組み入れた治療指針が提案され,その有効性が検証されつつある.
  • 鈴木 一広, 安川 久美, 本田 隆文, 地引 利昭, 小穴 慎二, 羽鳥 誉之, 上砂 光裕, 佐地 勉, 寺井 勝, 河野 陽一
    心臓
    2003年 35 巻 9 号 651-656
    発行日: 2003/09/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    失神・ショックを繰り返した原発性
    肺高血圧
    症(PPH)の女児に対して,経ロプロスタグランジンI2(PGI2)製剤ベラプロストとホスポジテステラーゼ(PDE)III阻害薬オルプリノンの長期投与を行い,症状の安定を得た.症例は生来健康な8歳女児であったが,意識消失発作を認め入院となる.心臓超音波検査にて80mmHg(推定)と著明な右室圧上昇を認め,酸素投与とドブタミン(DOB)投与を開始した.血液検査ではBNP177pg/mlと高値を示し,胸部X線では左第2弓の突出と末梢血管影の狭小化を認め,心胸郭比は0.55であった.心電図は右軸偏位・右室肥大で,心臓超音波検査でも右房右室の拡大,右室圧上昇を認めた.その後も状態は非常に不安定であったため,心臓カテーテル検査は施行せず,酸素投与,DOB,ベラプロスト内服,ヘパリンによる抗凝固療法にて治療を開始した.その後,DOB減量を試みるが腹痛等を訴え減量中止し,3回目の減量中,突然ショック状態となった.このため,肺血管拡張および心機能補助を目的にオルプリノンの併用を開始した.これらの治療により労作時息切れなどの症状は消失し,心臓超音波検査による推定右室圧やBNPといった検査データも正常化した.その後DOBより離脱,さらにオルプリノンも持続静注より週2回の間欠投与としたが,症状および検査の増悪を認めていない.急性増悪期の治療として,ベラプロストとオルプリノンの併用は試みる価値のある治療と思われる.
  • 桑野 敬市, 古杉 圭司, 渕上 千晶, 舟木 俊治
    日本薬理学雑誌
    2021年 156 巻 3 号 178-186
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/01
    ジャーナル オープンアクセス

    セレキシパグ(製品名:ウプトラビ®錠0.2 mg/ウプトラビ®錠0.4 mg)は,日本新薬株式会社において創製された新規なプロスタサイクリン受容体(IP受容体)アゴニストであり,肺動脈性

    肺高血圧
    症(PAH)を効能又は効果とする.セレキシパグを経口投与すると,生体内でMRE-269に変換され,MRE-269の血漿中濃度は長時間維持される.このMRE-269が選択的なIP受容体アゴニスト作用を示し,血管弛緩作用や平滑筋細胞の増殖抑制作用を発揮する.ラット摘出肺動脈標本を用いた血管弛緩作用の検討では,MRE-269は肺葉内及び肺葉外のいずれの肺動脈を用いても高い弛緩作用を示した.また,Sugen5416/低酸素誘発
    肺高血圧
    症モデルラットにおいて,セレキシパグは肺動脈の肥厚,右心室圧の上昇,右心肥大及び生存率を改善した.PAHを対象とした第Ⅱ相臨床試験は,まず欧州で実施され,セレキシパグの良好な有効性と忍容性が確認された.日本では,37例のPAH患者を対象としたオープンラベルの第Ⅱ相臨床試験が実施され,主要評価項目である肺血管抵抗をベースラインから有意に低下させることが確認された.海外第Ⅲ相臨床試験として,本領域で最大規模のPAH患者1,156例を対象としたGRIPHON試験(Prostacyclin(PGI2)Receptor agonist In Pulmonary arterial HypertensiON)が実施され,セレキシパグは主要評価項目の「morbidity/mortalityイベントの発現までの時間」を有意に改善した.以上のように,セレキシパグはPAHの病態悪化を抑制することが臨床試験において示され,PAHの治療に貢献することが期待される.

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