当院での自家培養軟骨移植術 (JACC®) の短期成績に影響する因子を検討した。症例は, 術後1年の成績を渉猟し得た38膝で, 平均年齢46.9歳であった。欠損部位は, 単独が大腿骨内顆 (MFC) 21
膝
, 大腿骨外顆 (LFC) 2
膝
, 脛骨外顆 (LTP) 1
膝
, 膝蓋骨 (P) 4
膝
, 大腿骨滑車 (Tr) 1膝で, 複合がMFC+Tr 2
膝
, LFC+Tr 1
膝
, P+Tr 5
膝
, MFC+P+Tr 1膝であった。損傷面積は平均649.7mm
2であった。臨床スコアとしてKOOS, Lysholm scoreを用いて, 年齢, BMI, 移植面積との相関と, 性別, 注入方法別, 部位別, HTOの有無との関連を検討した。
症例全体のKOOS項目およびLysholm scoreは, 術前と比較して26週のsports以外, 26週以後有意に改善し, 104週まで経時的に改善した。術後合併症はHypertrophy 4
膝
, 軟骨剥離1
膝
, 関節拘縮で鏡視下授動術1膝であった。術後KOOSの比較では, symptom項目以外, 30歳以下が30歳以上に有意に改善した。術後KOOS全項目ともHTOあり, なしで有意差はなかった。しかし, 術前後の変化量でみると, HTOありが有意にHTOなしより改善した。
JACCの短期成績に, 移植面積が小さい, 30歳以前, HTO併用が好影響を与えていた。
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