【目的】近年、早期リハビリテーション(以下早期リハ)の有効性が示唆されており、人工膝関節全置換術(以下TKA)後にも早期から全
荷重
が指示される.しかし、早期リハを行うに際し、術後どの段階で全
荷重
に至っているかの報告は少ない.今回TKA後の下肢
荷重
量の変化を把握することを目的に、下肢最大
荷重
量を術後早期より経時的に評価し、早期リハ施行時の
荷重量と荷重
痛との関連を検討した.
【対象・方法】2008年1月から2009年3月までにTKAを行った52例(男性:9例、女性:43例)を対象とした.
荷重練習開始後より経時的に荷重
痛(VAS)と体重計による最大
荷重
量を計測した.
【結果】手術日から
荷重
練習開始日までは平均2.9±1.1日であった.平均
荷重
量は、
荷重
練習開始1日目で68.3±22.6%、1週目で95.8±8.7%、2週目で98.5±6.4%、3週・4週目は99.7±1.6%であった.最大
荷重
量90%以上を満たす症例は術後1週目で79%(41例)、2週目には94%(49例)に達していた.平均
荷重
痛は、
荷重
練習開始1日目で6.1±2.4、1週目で4.0±2.7、2週目で2.2±2.4、3週目で1.7±2.2、4週目で0.9±1.8となり術後経過日数とともに減少傾向を示した.
荷重
練習開始1日目で
荷重量と荷重
痛に負の相関が認められたが(p<0.05)、1週目以降は有意な相関を認めず、VASの値にかかわらず、100%
荷重
可能例が増加していた.歩行様式は、ほとんどが3週目で独歩、T字杖、あるいは、シルバーカーによる屋内外歩行可能レベルまで至っていた.
【考察】TKA施行後
荷重
練習開始1日目では
荷重痛が少ない症例ほど荷重
獲得量が多い傾向であった.しかし、術後1週目以降、
荷重痛は荷重
量獲得に影響を与えなかった.術後早期の
荷重痛が少ない症例ほど荷重
・歩行獲得における阻害因子が少なく早期より
荷重練習においてより多く荷重
することが可能であったと考えられた.
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