目的 女性の化粧に対する意識や考え方および化粧をしたときの気持ちにっいての意識調査を行い, その心理的効果が年代や社会的立場によりどのように異なるのか, 女子大学生, 20代OL, 学生の母親を調査対象として検討する.また, 調査対象者のパーソナリティ特性として自意識を取り上げ, 公的自意識および私的自意識と化粧行動との関係について考察する.成果 化粧に対する意識について, 因子分析により, 自己のおしゃれ表現性, 化粧のTPO性, 外見重視性, 化粧行動に対する干渉の4因子が抽出された.化粧したときの気持ちについて, 因子分析により, リラクセーション, 気分の高揚, 積極性の上昇の3因子が抽出された.各因子の因子得点に対する統計的検定の結果, これらの因子について, 女子大学生, OL, 母親の属性間で有意差が認められた.化粧に対する意識および化粧をしたときの気持ちの心理的効果と公的自意識および私的自意識の関係について, それぞれの因子分析で得られた因子得点間で相関係数を算出し, 有意性の検定を行った結果, 化粧の心理的効果は公的自意識および私的自意識と関係しており, 女子大学生, OL, 母親の属性間で違いがみられた.
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