観光イベント等の企画立案や会場の状況把握のために、著者らは、「ソーシャルディスタンス手持ち
行燈
」(ディスタンス
行燈
)と名付けた装置を開発した。この装置は、固定的に設置したアクセスポイントの近傍を通過した観光者を記録することができる。さらに、ディスタンス
行燈
の改良型は、GPS等の衛星測位(NSS)により取得した観光者の位置情報をデジタル小電力コミュニティ無線で伝送し、ほぼ即時的に観光者の行動を知ることができる。改良の結果、従来のディスタンス
行燈
では検出できなかったアクセスポイント間の観光者の動きや、会場間の観光者の移動経路をほぼ即時的に知ることができた。さらに、改良されたディスタンス
行燈
により取得された観光者の移動記録と調査票の回答を組み合わせて分析することで、観光者の属性ごとの経路の使用傾向を知ることができた。
システム運用の結果から、NSS位置情報を無線伝送することにより観光者の動きを即時的に取得できることは、イベント運営に役立つことが確認された。また、観光者の属性と移動経路に関連性が見られた。このことは、観光者の属性に対して会場での案内を変える等の応用が可能である。
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