本実験において得られた知見を以下に要約する。(1)海事
衛星電話
回線上でMNPモデムを使用した場合,通信の三要素を充分満たすとともに陸上回線との互換性を保持することが可能である。(2)通信速度は半角文字換算で10,200字/分以上で効率の良い情報伝送が可能であり,さらにデータ圧縮を行なうと,上記速度の2倍程度スピードアップできる。(3)通信コストは電話の1/17,FAXの1/13,TELEXの1/18以下に抑えることができる。(4)ワープロなどの文書にパスワードを施すことにより通信の秘密を保持できる。(5)アスキー形式,バイナリー形式などデータの種類を問わず送受信が可能である。(6)ファイルの自動送受信は可能である。(7)パソコンのクロック周波数による他の通信機器への雑音妨害が見られるので,これらに対する対策が必要である。以上のことより,海事
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回線を介するパソコン通信でも,エラー訂正プロトコル内蔵型MNPモデムクラス3を用いて,エラーフリーのデータ通信が可能である。むろん海上移動業務用の通信手段としても充分対応できる。また,クラス5以上のMNPモデムを用いることにより,ファイルの圧縮操作などの手段を講じる事なく,海事
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回線の限界値とされる通信速度4,800bps以上のスループットが期待できる。
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