阪神・淡路大震災の教訓から, 災害拠点病院, Disaster Medical Assistance Team (DMAT), Emergency Medical Information System (EMIS) が整備され, DMATが設立・運営するStaging Care Unit (SCU) を介して自衛隊機やドクターヘリにより被災者を被災地から被災地外へ航空搬送する仕組みが実施されている. これらのシステムにより災害対応がより円滑に実施されてきているが, 問題点も残す. 最近はさまざまな医療団体の医療チームが被災地で医療を提供するようになり, これらをいかにまとめ上げ, 急性期のみならず慢性期までの絶え間ない医療・福祉の提供を被災地に適切に提供するかが大規模災害時の重要な課題となっている.