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クエリ検索: "配偶システム"
136件中 1-20の結果を表示しています
  • Clive K. CATCHPOLE
    日本鳥学会誌
    1995年 44 巻 3 号 195-207,217
    発行日: 1995/08/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    本論文ではヨシキリ属の
    配偶システム
    とその進化の考えられる筋道について概説する。これはLEISLER & CATCHPOLE (1992)の総説をより新しくしたものである。前著の発表以降、いくつかの分野で重要な進歩や新発見があった。とくに DNA フィンガープリント法による最近の研究は従来の知見に大きな衝撃をもたらしてきた。本論文ではまた、さえずりの進化に関する CATCHPOLE(1980,1987)による初期の研究をより新しいものに改め、さえずりの進化と
    配偶システム
    との関係について論じる。
    配偶システム
    は次のように分類する:
    1.単婚(一夫一妻).1雄が1雌とつがう。
    2.複婚.1個体が複数の異性とつがう。
    2a.一夫多妻.1雄が複数雌とつがう。
    2b.一妻多夫.1雌が複数雄とつがう。
    2c,乱婚.雄•雌とも複数の異性とつがう。
    ヨシキリ属の
    配偶システム
    をTable 1にまとめてある。表の下の種ほど単婚的で、上の種ほど、単婚からはずれる度合いが大きくなる。セーシェルヨシキリ A.sechellensis は最近になって研究された種で(KOMDEUR 1992)、単婚だが協同繁殖種でもある。ヨーロッパ産の多くの種は単婚だが、最近になって社会的一夫多妻の例やDNAフィンガープリント法による、つがい外受精(EPFs)の証拠が報告されている(Table 1)。DNAフィンガープリント法は、一夫多妻性の2種間のきわだった違いも明らかにした。オオヨシキリ A.arundinaceus のつがい外受精率は3%と低いが、ハシボソヨシキリ A.paludicola では36%と高く、スズメ目全体の中でももっとも高い種の1つである。雛数の少ない巣ではすべての雛の父親は共通だが、雛数の多い巣では2-4雄によって受精させられている。同腹の雛の複数雄による受精は、ハシボソヨシキリが例外的に乱婚的
    配偶システム
    をもつことを示唆する。
    LEISLER & CATCHPOLE (1992)は、昆虫食と両親での養育の必要性とによる環境上の制約から単婚が生じたことを示唆した。ヨーロッパにおいては、「複婚を可能にする環境条件」は湿原の移行帯で生じるだけであり、そこでは豊富な大型昆虫が片親での養育を可能にする。抱卵と雛への給餌における雌雄間での分担のようすは Table 2に示されている。協同繁殖するセーシェルヨシキリでは両親が養育に参加するが、1羽の雛を巣立たせるにはヘルパーの援助を必要とする。他の単婚の種では両親が養育に参加し、複婚の種になって初めて、片親での養育がみられる。雄が養育から解放される傾向は、雄がまったく養育に加わらないハシボソヨシキリで頂点に達する。
    配偶システム
    は形態上の特徴とも相関がみられる。複婚の種はより大きなくちばしをもち、より大型の昆虫を餌にする。ハシボソヨシキリでは精巣と総排泄腔突起が相対的に大きく、より多くの精子を生産する。これらの特徴は、本種でみられる同腹の雛の複数雄による受精および例外的な乱婚的
    配偶システム
    と関係するのだろう。
    さえずりの構造と
    配偶システム
    の間にも明瞭な相関がみられる(Table 3)。CATCHPOLE(1980,1987)が示唆したように、単婚の種は配偶者を引きつけるための長くて複雑なさえずりをもち、複婚の種はなわばり防衛のための短くて単純なさえずりをもつ(Fig.1)。最近の研究は、複婚の種が配偶者誘引用の長いさえずりとなわばり防衛用の短いさえずりを別々にもつことを示している(Figs.2 & 3)。
  • 中村 雅彦, Rija Sylvain Rakotosoa, Eric Haingonirina Rakotomalala, Hajanirina Rakotomanana
    山階鳥類学雑誌
    2018年 49 巻 2 号 69-74
    発行日: 2018/02/28
    公開日: 2019/02/28
    ジャーナル フリー

    マダガスカル特産ヘルメットオオハシモズEuryceros prevostii

    配偶システム
    を明らかにするため,マスワラ半島で本種の造巣行動を2015年9月27日から10月11日まで調査した.木の横枝につくられたカップ型の巣を一つ発見した.造巣に係わる2個体を嘴の形としみで個体識別した。これら2個体(おそらく雄と雌)が造巣した.この結果は,ヘルメットオオハシモズの
    配偶システム
    は,社会的一夫一妻であることを示唆している.

  • 脇坂 英弥, 脇坂 啓子, 中川 宗孝, 江崎 保男
    山階鳥類学雑誌
    2015年 47 巻 1 号 17-23
    発行日: 2015/09/30
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    We studied breeding ecology of the Grey-headed Lapwing Vanellus cinereus by tracing nesting of 31 banded adults and their precocial chicks in Ogura-ike Farmland, Kyoto, for five breeding seasons from 2007 to 2011. From incubation to chick-rearing periods, banded males and females of seven pairs took care of their offspring cooperatively and the monogamous mating system of this species was confirmed. The pair relationship was maintained over years, notably in two pairs which remained stable for four and five years, respectively, even after failure in breeding. Thirteen birds (four males, eight females, one bird sex-unknown) returned to the study area and nested on the same block of the paddy field. Thus, nest site fidelity in this species can be strong.

  • 食性と繁殖様式に関する研究の現状と展望
    上田 明良, 水野 孝彦, 梶村 恒
    日本森林学会誌
    2009年 91 巻 6 号 469-478
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    キクイムシ類 (キクイムシ亜科とナガキクイムシ亜科) の生態的多様性を, 食性,
    配偶システム
    , 坑道型, 社会性の多様性から論じた。食性は, 植物のさまざまな部分に穿孔して基質そのものを食べるバークビートルと, 木質部へ穿孔して坑道に共生微生物を栽培しこれを食べるアンブロシアビートルに分けられる。
    配偶システム
    は, メス創設の一夫一妻, 同系交配の一夫多妻, ハーレム型一夫多妻, オス創設の一夫一妻に分けられる。また, 特異的な繁殖として, 半倍数性の産雄単為生殖と精子が必要あるいは不要の産雌単為生殖もみられた。坑道型は,
    配偶システム
    と食性の両方の影響をうけて多様化していた。また, 社会性の発達についても論じ, ナガキクイムシ亜科のAustroplatypus incomperusのメス成虫が不妊カーストとなる真社会性の観察および, カシノナガキクイムシ (Platypus quercivorus) 幼虫の利他行動の観察例を紹介した。最後に, 直接的観察によるキクイムシの坑道内での生態解明とそのために必要な人工飼育法開発の重要性について論じた。
  • *村川 雄規, 戸崎 晃明, 福田 道雄, 太田 昭彦
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2010年 103 巻 OR2-33
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/08/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】フンボルトペンギンの
    配偶システム
    は一夫一妻制(monogamy)とされるが、つがい外交尾を行うことが確認されており、その
    配偶システム
    はより複雑である可能性がある。本研究では、分子遺伝学的な手法による家系解析を用いて、飼育下でのこの種における
    配偶システム
    の詳細を解析した。【方法】新規に開発した親子鑑定のための15個のマイクロサテライトマーカー(総合父権否定確率 0.999998)を用い、葛西臨海水族園の飼育群のうち、行動学的に推定した48家族(両親のべ85羽、雛のべ123羽)の遺伝子型を比較検討し、家系解析を行った。【結果】雛123羽のうち122羽(99.2%)においてその遺伝子型において親子関係に矛盾が生じなかった。残る1羽(0.8%)No.328においては、推定された70♂と129♀の両親のうち、70♂との遺伝子型に矛盾が生じた。そこで、70♂以外の父親候補となりうる全ての雄個体との間で解析を行ったところ、No.328は180♂を父親とするつがい外受精の雛であることが強く示された。頻度自体は低いものの、つがい外受精が確認されたことから、飼育下におけるフンボルトペンギンは社会的monogamyではあるものの厳格な遺伝的monogamyとはいえないことが明らかとなった。また、フンボルトペンギンは絶滅危惧種の一種であり、ワシントン条約により国際商業取引が禁止されているため、今後飼育群に野生個体を加えることは極めて困難である。したがって、飼育施設では限られた個体数の中で、遺伝的多様性を維持しつつ継代・繁殖を続けていかねばならない。そのため個体間における血縁関係の正確な把握が重要となる。したがって、分子遺伝学的な手法を用いた家系解析は、
    配偶システム
    の解明のみならず、種の保全の観点から極めて有用であると考えられる。
  • 和田 年史
    日本水産学会誌
    2014年 80 巻 2 号 244
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/03/20
    ジャーナル フリー
  • 林 晋也
    比較生理生化学
    2022年 39 巻 2 号 98-106
    発行日: 2022/08/01
    公開日: 2022/08/17
    ジャーナル フリー

    ミツバチやアリを含む真社会性ハチ目昆虫の集団は,女王を中心とする血縁個体で構成されており,この集団はコロニーと呼ばれる。血縁を基礎とする彼らの社会は極めて高度なものであり,個体間で採餌や育児といった労働の分業だけでなく,繁殖まで分業することにより高い生産性を実現している。このような社会を維持する機構と進化の背景には,個体間の協力の動機となるコロニーの血縁度や,コロニーの生存と関連した近親交配の程度に影響する,配偶の様式(システム)が大きく関わっている。セイヨウミツバチ(Apis mellifera)は,古くから配偶行動について研究されてきた真社会性の昆虫である。そして,非常に興味深い知見が今もなお得られている。本稿ではミツバチの配偶行動・システムを中心に解説するとともに,その繁殖上の問題や,それを回避するための機能的な面についても紹介する。

  • 高橋 松人
    山階鳥類学雑誌
    2011年 43 巻 1 号 33-46
    発行日: 2011/09/30
    公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    The Copper Pheasant Syrmaticus soemmerringii is endemic to Japan and information on its breeding ecology in the wild is fragmentary. To examine the breeding schedule and mating system of this species, I set artificial feeding stations at three sites in Mie Prefecture, Japan, from 2003 to 2009, and observed courtship display, drumming, wattle around the eye, and molt of individuals. Individuals were identified mainly by body (and tail) size and plumage color. The egg-laying period was estimated to be from mid-March to April, based on the breeding schedule of individuals in cages. Males and females had bright red wattles from late-February to April and late-February to May, respectively. The mating period was obscure because courtship displays were observed in June, September and November. Males molted their tail from late June to early November. Some young females and adult females used feeders together until the following May. If they belonged to the same family, the family period lasted for one year. Young males disappeared from the family group in late August. At each feeding station, there was one male and female that continued to use the feeder and appeared together at the feeder. Although other males and females sometimes used the feeder, courtship displays were observed only between the male and female that used the feeder continuously. Only the male that continually used the feeder showed drumming by wing whirring. These results suggest that the Copper Pheasant is socially monogamous.
  • 山口 幹人, 藤岡 崇, 猿渡 敏郎, 大森 迪夫
    日本水産学会誌
    2004年 70 巻 5 号 693-698
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/07/08
    ジャーナル フリー
    水槽に50個体のシラウオ成魚を収容し, その産卵行動をVTRに記録, 分析した。シラウオは雄の吸盤状の尻鰭鱗で雌雄が互いの体を密着させ, 体を震動させつつ放卵放精を行うというユニークな産卵行動を示した。その配偶行動は, 底層に降下した雌に雄が群がって争い, ペアが形成されるというものであった。その後, ペアは上昇して放卵放精に至るが, ペア形成が必ず放卵放精に至る訳ではないことから, 雌による配偶者選択も示唆された。さらに配偶過程の繰り返しから, 雌が少数ずつ産卵を繰り返していたことが示唆された。
  • 川瀬 裕司
    魚類学雑誌
    1998年 45 巻 1 号 1-19
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 中村 雅彦, Rija Sylvain Rakotosoa, Hajanirina Rakotomanana
    山階鳥類学雑誌
    2013年 45 巻 1 号 53-58
    発行日: 2013/09/30
    公開日: 2016/03/24
    ジャーナル フリー
    マダガスカル特産オオハシモズ類は適応放散の例として有名だが,その繁殖生態はよくわかっていない。2011年の10月から11月にマダガスカル南西部でチェバートオオハシモズLeptopterus chabertの一腹卵数とシリアカオオハシモズCalicalicus madagascariensisの
    配偶システム
    を調べた。チェバートオオハシモズの一腹卵数は3–4卵(5巣)であった。観察したシリアカオオハシモズの一巣では,雌雄が抱卵,抱雛および雛への給餌を行った。これらの結果は,シリアカオオハシモズの
    配偶システム
    は社会的一夫一妻であることを示唆している。
  • *小北 智之
    日本生態学会大会講演要旨集
    2005年 ESJ52 巻 S15-6
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/03/17
    会議録・要旨集 フリー
     魚類は脊椎動物の中でも、
    配偶システム
    や保育行動といった繁殖様式が極めて多様な分類群であることが知られている。一方で魚類の繁殖における最も大きな特徴の一つは、その受精様式にある。現生魚類の大半を占める硬骨魚類では交尾をしない体外受精が一般的な受精様式であり、約9割の種が採用している。そのため、近年昆虫で活発に研究されている“交尾回数や交尾持続時間をめぐる性的対立”や“交尾に関連する形態形質や生理形質の拮抗的共進化”という現象は魚類にはほとんど存在しないと言えるだろう。
     しかし、魚類における性的対立の具体的事例も
    配偶システム
    や繁殖戦略の進化を扱った研究の中で次第に示されてきており、近年では性的対立に注目した研究も珍しくない。多様な繁殖様式と関連して雌雄の対立様相も様々で、配偶者数や配偶者の遺棄、親の子への投資などをめぐる性的対立の存在やそのダイナミクスが報告されている。また、性的対立による拮抗的共進化の結果と予想される雌雄の興味深い社会行動も知られている。このような魚類の性的対立に注目した近年の研究成果は、演者が研究した摂餌なわばりを共同防衛するサンゴ礁魚類の事例も含めて、本学会第45回大会(1998年)の自由式シンポジウム「対立する性〜魚類における雌雄のかけひき」でも紹介された。
     本講演では、演者自身の研究成果も含めて、魚類の性的対立に関する最新の研究事例をレビューし、魚類の繁殖における雌雄の利害対立の様相とその対立図式の多様性を紹介するとともに、性的対立がもたらす雌雄の行動形質の拮抗的共進化についても議論を加えたい。
  • 北川 珠樹
    山階鳥類学雑誌
    2005年 36 巻 2 号 117-119
    発行日: 2005/03/20
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    The number of eggs in nests of the Black-winged Stilt Himantopus himantopus himantopus in areas in Tokyo Metropolis and Chiba Prefecture, around the Tokyo Bay was investigated. The mean ± SE number of eggs in nests was 3.50±0.06 (n=384, range 1-10). Instances of five or more eggs in a nest were suggested to have been produced by two or three females. The mean ± SE of clutch size by monogamous pairs was 3.36±0.05 (n=362, range 1-4).
  • 千葉 晃, 中村 雅彦
    山階鳥類研究所研究報告
    2000年 32 巻 2 号 73-79
    発行日: 2000/12/29
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    乗鞍岳山頂部の繁殖地で捕獲された交尾期と抱卵期のイワヒバリ雌成鳥2個体を用いて精子貯留腺を解剖学的に検索し,本種の特異な
    配偶システム
    (多夫多妻)との相関を検討した。本種の精子貯留腺は,他種と同様,卵管の子宮•膣移行部粘膜襞内に存在し,非分岐性の細管として認あられた。1羽当たりの精子貯留腺総数は約1,000個と試算され,各細管(腺)の平均長は交尾期の個体で265.0±39.0μm,抱卵期の別個体で116.5±33.5μmあった。また,腺腔に貯留されている精子の数は,1羽当たり49,000個と推定された。腺は単層の柱状上皮細胞からなり,細胞頂端に多数の微絨毛を持つが繊毛を欠き,細胞質に脂質滴様空胞が多数存在するなど,その細胞•組織構造は鳥類で一般に見られるものと酷似していた。本種は乱婚で高い交尾頻度を示すが,
    配偶システム
    の異なる他種と較べて,精子貯留腺が特に発達していたり,形態学的特化を示すようなことはなかった。
  • 岡本 素治
    昆蟲.ニューシリーズ
    2011年 14 巻 4 号 263-275
    発行日: 2011/10/05
    公開日: 2018/09/21
    ジャーナル フリー
    ヒラズゲンセイの
    配偶システム
    について,羽化脱出直後からの行動観察に基づいて概要を明らかにし,あわせて生活史に関して得られた知見を報告し考察した.ヒラズゲンセイはキムネクマバチに寄生し,成虫は,長い擬蛹期と蛹期を経て,近畿地方では5月の末から6月の中旬に出現する.羽化してクマバチ巣から出ると,雄は特徴的な姿勢をとり,恐らくフェロモンを放出して雌を呼ぶ(コーリング行動).雌は,羽化脱出してしばらくすると飛び立ち,雄のいる巣を探索する.数10m離れた遠方から匂いを頼りに雄の周辺に飛来するのは容易なようであるが,そこから雄がいる巣の場所に到達するには時間がかかる.特に,雄がコーリング行動を止めると,雄のそばに到達するのに要する時間は著しく増大する.雌が雄のそばに至ると交尾が行われるが,通常のマウンティングに先立ち,雄が雌の上に逆向きに重なる特異な行動パターン(「逆マウント」と名付けた)が見られた.交尾がすむと,雌は産卵のためにクマバチ巣内に侵入しようとするが,クマバチによるさまざまなレベルの抵抗を受ける.侵入・産卵に成功した雌は,巣坑内で卵を防御する位置にとどまる.雄も雌に続いて巣坑内に侵入するが,その後も午前中は巣坑外に出てコーリングを行う.2週間程度で孵化した1齢幼虫は,クマバチの毛に大腮でしがみつき,分散していく.トウネズミモチの花の雄蘂の上で訪花活動を行うクマバチを待つヒラズゲンセイの1齢幼虫を発見し報告した.
  • 河地 辰彦
    日本鳥類標識協会誌
    2018年 30 巻 2 号 71-79
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2021/03/31
    ジャーナル フリー

    栃木県北東部の那須野ヶ原で繁殖するケリVanellus cinereusについて,色足環を用いた個体識別と追跡調査をおこなった.その結果,複数年にわたるつがい関係や雌雄の帰還性の差,つがい相手が生存していても別な個体と再婚した例について情報が得られた.

    ケリは,年を隔てても同じ営巣場所を利用し続ける帰還性の強い鳥であることが確認された.しかも,雌よりも雄にその傾向が強く見られた.同じ営巣場所を継続して利用した年数は,雌が平均2.4年に対して,雄は平均6.1年で有意差が認められた.

    つがい関係は,1繁殖期間中は一夫一妻のみで,複数年にわたって継続していた.しかし,長期にわたって継続するものは少なく,雌は数年で替わっていた.つがい関係の継続は最長5年間であった.また,元つがい相手が生存しているにも関わらずそれぞれが別個体と再婚した例もあった.

  • 藤岡 康弘, 三枝 仁, 亀甲 武志
    水産増殖
    2015年 63 巻 4 号 463-468
    発行日: 2015/12/20
    公開日: 2016/12/20
    ジャーナル フリー
    ホンモロコは一妻多夫の産卵行動を行う。これまで群れでの産卵行動に関する知見しかなかった。このためホンモロコの再生産形質を詳細に調査する方法として,水槽を用いて雌雄1個体の4組を飼育し,1産卵期を通して産卵回数や孵化率などを調査してペアー産卵による調査法の妥当性を検討した。産卵巣として方形枠に張った寒冷紗の膜を使用し,これを水槽の表層に水平に設置した。産卵は4月から7月にかけて産卵巣上に6-9回行われ,これまで報告されている回数よりもかなり多かった。本研究において,4ペアーの孵化率,奇形率の平均値は82.7%(44.4-100%),1.5%(0-8.6%)であり,過去に群れで求められた値と遜色がないことが明らかになった。以上の結果は,今回の雌雄1個体のペアーによる産卵が,ホンモロコの再生産形質を個体別に調査する方法として応用可能であることを示していると考えられる。
  • 遠藤 周太, 戸松 紗代, 須之部 友基
    魚類学雑誌
    2019年 66 巻 2 号 261-267
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/28
    [早期公開] 公開日: 2019/09/12
    ジャーナル フリー

    Group structure and cleaning behavior of the cleaner wrasse Labroides dimidiatus were studied in Tateyama Bay, Chiba, Japan. Two males and four females on a rocky reef, and one male and five females on an artificial reef were confirmed as haremic groups. The home ranges of the former were extensive and those of the latter relatively narrow. The host species, which were cleaned by L. dimidiatus, were widely distributed over the rocky reef, but, restricted to a limited area on the artificial reef, indicating that the home range sizes of the cleaner wrasse may be determined by the distribution of the host species.

  • Eiichiro URANO, Yasuo EZAKI, Satoshi YAMAGISHI
    日本鳥学会誌
    1995年 44 巻 3 号 P1-P2
    発行日: 1995/08/25
    公開日: 2008/09/11
    ジャーナル フリー
  • 成田 章
    山階鳥類研究所研究報告
    1994年 26 巻 2 号 132-134
    発行日: 1994/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    Super normal clutches were observed in the Black-tailed Gull Larus crassirostris at the colony on Kabu Island. I regarded clutches of 1-3 eggs as normal and those of 4 or 5 eggs as super normal. The super normal clutches were found in 31 nests (0.8% of 4, 034 nests examined): 5 in 1990, 5 in 1991, and 21 in 1992. Female-female pairings were reported for several species of genus Larus in USA as a cause of super normal clutches. Pairings of this type were not observed in Black-tailed Gulls, but instead, super normal clutches coincided with irregular sequences of egg-laying which suggested intraspecific nest parasitism.
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