ヒトの様々な組織臓器の組織工学的再構築において, それらの
in vivo三次元構造数値データから, その再構築に適当な構造を持つ生体吸収性の担体を製作する手段として, 従来は工業モデル試作に用いられてきた様々な三次元造型プロセスの適用が, 試みられ始めている. 本稿では, それらの原理と実例・到達点などについて紹介すると共に, 肝組織再構築に向けた我々の基礎検討結果について紹介する. これらを通じて, 特に工業モデル試作では外形のみが重要であったが, 組織工学ではむしろ内部微細構造の正確な再現こそが一般的には重要な課題であること, 最終的に細胞で占められる部分・最後まで残される部分・組織の成長に伴って生体吸収される部分などを明確にデザインした上で, 適切なプロセスの選定や新規プロセス開発を行うことが重要であること, などを指摘する.
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