雀害を受けた穂の赤籾の発生実態, 赤籾関与菌および赤籾のイネばか苗病伝染源としての意義について調べた。
1. 雀害を受けた穂は赤籾の発生が多くなるが, この赤籾の中にはイネばか苗病菌によるものがかなり含まれている。
2. 籾に人為的に付傷しイネばか苗病菌を接種すると赤籾が発生する。その病徴の発現経過は自然発生の経過に同じ。
3. イネばか苗病菌による稚苗の病徴はメソコチル, 鞘葉, 不完全葉, 第1葉葉鞘, 葉身の徒長, 根の生育阻害, 鞘葉における病斑形成としてあらわれる。
4. 雀害によりイネばか苗病菌による赤籾が発生すると, その株内の非雀害籾は勿論, 隣接する株の健全籾もイネばか苗病菌を保菌する。これらの籾は翌春播種するとイネばか苗病が発生する。
抄録全体を表示