1994年に北海道および東北地方で分離されたイネいもち病菌のレースは, 003,007,033.1,037,037.1および047の6種類であった。東北地方の各県では, レース007が高頻度に分離されたが, 北海道で分離されたレースはすべて033.1であった。各レースの分離頻度や分布地域は, 各地域のイネの作付品種のいもち病真性抵抗性遺伝子型と関連があったが, 青森県と福島県ではこの関連が少なく, 両県ではレース分布に作付品種の真性抵抗性遺伝子型以外の要因が関与していると思われた。また, 1994年は1980年と比較して優勢レースが003から007に変わり, 分離レースの種類が減少した。これは,
Pi-a型品種に代わり
Pi-i型品種の作付が増加し, 作付品種の真性抵抗性遺伝子型が単純化したためと考えられた。
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