中学校技術・家庭科「情報とコンピュータ」における学習支援を効果的に行うため,情報機器に関する生徒の学習意識の把握が必要である。そのため,学習意識を形成する重要な要素の一つと考えられる,情報機器に関する生徒の操作経験と,生徒の情報機器利用能力及び情報機器に対する意識との関連の把握を目的に調査を行った。さらに,情報機器の操作経験と情報機器利用能力及び情報機器に対する意識の関連を明らかにすることを試みた。その結果,以下の点が明らかになった。(1)情報機器の操作経験についてテレビゲーム機の操作やパソコンの図形描画,ゲームなどの操作を多くの生徒が日常の生活で経験している。(2)情報機器における,基本的な操作に関する生徒の能力意識が高い。(3)パソコンを操作した経験が,「操作できる」という能力意識の向上に影響を与えていると考えられる。(4)パソコンにおける,文章作成,表計算,電子メール,WEB閲覧等の操作経験が感覚を起因とする意識を向上させる。また,図形描画,ゲーム等の操作経験が,感覚を起因とする意識及び知識を起因とする意識を向上させる。
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