本研究の目的は,幼児期の協同的経験を取り上げ,それを支える保育環境作りにおけるモノの役割・機能を明らかにすることであった。
香川大学教育学部附属幼稚園
の3歳児クラスと4歳児クラスの2事例を対象に分析した。その結果,次の2点が明らかになった。第1に,モノの特性が,子ども間に育まれる協同的な経験を制約しうるということである。例えば,ブロックのように定型の想像を生むモノは,追究・創造に至るまでの魅力は見出しにくいことがわかった。第2に,協同へのプロセスは幼児期において年齢を越えて見られるが,そこにおけるモノの機能の仕方は,年齢によって様相が異なるということである。したがって,保育者はそのモノの機能に配慮して導入の場面を考える必要がある。
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