2022 年 60 巻 2 号 p. 57-68
本研究では,園内研修におけるリフレクションに注目し,保育者集団はどのようなリフレクションの過程を経て,本質的な諸相への気づきに至るのかを,コルトハーヘンのALACTモデルを参照に検討した。その結果,課題意識を持って保育を行うこと,同僚と語り合う経験ができること,見方・認識の再構築に迫る問いが生まれることにより,本質的な諸相への気づきに至ること,そうして得られた本質的な諸相への気づきは保育者の行為を裏付け,手応えになることが分かった。それらの実現のためには,ミドルリーダー的役割を担う者による研修のデザイン,そういった存在が正統的に発生するような状況が重要であることも示唆された。