新しく開発された第3世代cephalospohn系抗生剤の経口剤であるCefixime (CFIX) の嫌気性菌に対する抗菌力を経口剤であるCephalexin (CEX), Cefaclor (CCL), Amoxicillin (AMPC), Ofloxacin (OFLX) を対照薬剤として
in vitroおよび
in vivoで検討した。
参考菌株を用いた検討では, CFIXの嫌気性菌に対する抗菌スペクトラムはCEX, CCLより若干優れ, AMPC, OFLXには菌種により異なるが, ほぼ同等か若干劣り,
B. fragilis groupの一部,
F. mortiferum, C. difficile, C. innocuum, E. phutiを除く広い範囲に亘った。抗菌力は強力で, 上記の菌種を除き3.13μg/ml以下でほとんどの菌株の発育を阻止した。
臨床分離株に対する感受性分布においても, 参考菌株での成績を反映し, CFIXの優れた抗菌力が認められた。
CFIXは,
B.fragilisの産生するβ-lactamaseに対しCEX, CEZ, PCG, ABPCより安定であるが, 若干加水分解された。
CFIXは,
B. fragilisに対して殺菌作用のあることが示唆された。
CFIXは,
E. coliと
B. fragilisとの腹腔内混合感染,
F. necrophorumによる膿瘍に対して治療効果が認められた。
CFIX投与マウスでは
C. difficileの異常増殖はみられなかった。
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