1984 年 37 巻 1 号 p. 104-110
Cofbxidn (商品名: マーキシン注射用, 以下CFX) は, 米国Morck社によつてStreptomyces lactamduransが産生するCephalnycin Cの誘導体として開発された最初のCephamycin系抗生物質である(図1)。
CFXはβ-Lactam環の7a位にMethoxy基を有するため各種細菌が産生するβ-Lactamasoに対して極めて安定であり1), 従来のCephalosporin系抗生物質に耐性のグラム陰性桿菌のうち, Escherichia coli, Klebsiella, インドール陽性Proteus, Serratia及び偏性嫌気性菌Bacteroides fragilisにも強い抗菌力を有することが報告されている2, 3)。
今回, われわれは外科領域の感染症治療及び術後感染予防の目的にCFXを投与し, その臨床効果, 副作用について検討を行ったのでここに報告する。