1972年3月~1973年2月の1ケ年間, 越冬生活を送った第12次日本南極地域観測隊29名中13名いてBMR, FFAの季節変動は次の如く要約される。
1.冬季7月のBMRの低下, 秋季2月のBMRの亢進を除いて他の月にはBMRの変動は認められない。
2.冬季7月のBMRの低下は, 6月の暗夜の時期における生活が屋内生活が主となり, 身体活動の減少と室内気温18℃に曝露されていた為の影響と考えられる。
3.秋季2月のBMRの亢進は, 越冬終了直前の為, 身体活動が最も激しくなり, かつ, 0℃~-10℃の外気温に曝露された為の亢進と考えられる。
4.FFAの季節変動には著明な傾向を認めなかった。FFAの血中濃度は全期間を進じて平均816.7μEq/
lと高いレベルにあった。
5.FFAとBMRの関係は, FFAの高い者はBMRが亢進の傾向にあるが, 個人内でのFFAとBMRの変動は有意な負の相関々係をとっている。即ち, BMRが亢進するとFFAは減少する。
6.BMRとRQの間には負の相関々係を示し, BMRが亢進するとRQは低下する。個人内での変動にも同様に負の相関々係がある。
7.FFAとRQの間には負の相関々係を有し, FFAの高い者はRQが低いという関係にあるが, FFAとRQの個人内での変動では有意の相関々係は認められなかった。
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