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クエリ検索: "SDガンダムフォース"
10件中 1-10の結果を表示しています
  • 原 真志
    経済地理学年報
    2005年 51 巻 4 号 368-386
    発行日: 2005/12/30
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    日本初のフル3DCDによるテレビアニメシリーズである「
    SD
    ガンダムフォース
    」プロジェクトを事例として,日本における予算的・時間的に制限された条件下で,アニメのフル3DCG化を実現したイノベーションのプロセスとそのシステムの特徴を分析した.対象プロジェクトを実現した谷原スタジオを中心とした「谷原システム」は,次の5つの特徴を持つ.東京大都市圏で近接する異質なクラスターを前提として,第1に谷原スタジオの主要スタッフとしてアニメ系,CG系,実写系の多様な人材が集められ,第2にアニメ系,CG系,ゲーム系といった多様な企業をサテライトCGスタジオとして組織化している.第3にアニメ産業とCG産業という2つの方法,価値観の異なるクラスターを融合し,従来のアニメとは全く異なる「作り方を作った」.第4に,予想できない問題に対処するために,プロジェクト期間中にループ型からスター型へとプロジェクト構造の進化を行った(「作り方を作った,しかも作りながら」).第5に,このプロジェクトの中で,クラスターを融合する関係性資産が再開発されていったが,異質なクラスターのシステム融合を実現したのは,「クリエイティブサイドとプロデュースサイドのバランスをとった」,異端のリーダーシップであった.大都市圏のコンテンツ産業などでは,近接する異質なクラスターを前提に,その融合の可能性と困難性を認識し,融合する関係性資産の開発プロセスに注目する視点が重要である.
  • 企業間取引と労働市場に着目して
    山本 健太
    地理学評論
    2007年 80 巻 7 号 442-458
    発行日: 2007/06/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    東京におけるアニメーション産業の集積メカニズムを企業間取引と労働市場の実態分析により検討した. その結果, 企業間取引の特徴として, 業界内の受外注は短納期であり, 契約内容が明文化されないことが明らかになった. アニメーション制作企業は取引先企業の技術力と支払いに対する信頼を通して取引の柔軟性を得ている. そのため, 企業相互の関係構築が重要になっている. 一方, 労働市場の主な特徴はフリーランサーが業界の主要な労働力になっていることである. フリーランサーは不安定な就業状態におかれているが, 仕事を通じた縦の人的つながりによって技術を修得し, 仕事仲間の横のつながりによって仕事を得ている. したがって, アニメーション産業の東京集積は, (1) 相互間の知識と信頼に立脚した取引が可能となる同業他社との近接性, (2) 柔軟性に富んだ専門的な労働者の確保と再生産が可能な労働市場, (3) スポンサーとなる関連コンテンツ産業の集積, (4) 新規労働者を供給する専門学校などの相互連関により維持されていると理解できる.
  • 一小路 武安
    赤門マネジメント・レビュー
    2012年 11 巻 6 号 349-376
    発行日: 2012/06/25
    公開日: 2017/03/03
    ジャーナル フリー

    本稿は日本のアニメ産業を事例に、芸術的な感性を問われる製品制作(開発)における情報技術導入の意義を分析する。まず、開発における工程ごとに詳細に検討することによって、「彩色」「撮影」では業界全体で情報技術が普及しているが、「作画」では一部に3DCG が組み込まれているがデジタル作画はあまり行われていないことを明らかにする。さらにこうした工程ごとの細かい分析により、情報技術の登場初期には情報技術投資と生産性の間には関係性が見られないという生産性のパラドックスが生じる理由、並びにそのことで、手描きと3DCG のハイブリッドが生まれたメカニズムも明らかになる。

  • 山本 健太
    都市地理学
    2018年 13 巻 37-47
    発行日: 2018年
    公開日: 2020/02/10
    ジャーナル フリー

    本稿は,東京におけるアニメーション産業労働者のスタジオ内での活動と転職行動を事例に,大都市の文化創造性におけるアニメスタジオの役割について議論するものである.

    アニメーション産業は日本の文化産業の一つとして,国内外に認知されているが,アニメーションを作り出す労働者の実態についてはあまり知られていない.当該産業は国内では東京に一極集中しており,労働者は東京という都市空間の中で技術を習得し,職をみつける.本稿では,この労働者の生産活動に注目する.労働者は担う仕事の違いによって大きく生産部門と制作部門に分けられる.生産部門労働者の生産活動は,主として所属するアニメスタジオ内に限定される.一方で,制作部門労働者の活動はアニメスタジオの内外に展開する.

    アニメスタジオの内外には,彼らの活動を支える様々なインフラやアメニティが整えられている.労働者はこのインフラやアメニティを利用することで,昼夜の時間を問わず,生産活動に従事することができる.またアニメスタジオには,異なる専門技術を持つ労働者が同じ時間帯に働いており,突発的なミーティングなどもなされている.アニメスタジオ間は制作部門労働者が頻繁に往来しており,そこでも物流や情報流がみられる.

  • 国際分業および労働市場に着目して
    山本 健太
    季刊地理学
    2008年 60 巻 4 号 185-206
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は韓国におけるアニメーション産業の集積と特質を企業間取引と労働者の活動実態の分析により明らかにすることである。韓国における当該産業はソウルに集積し, 日本および欧米制作企業からの受注業務が最大の売上額を占める。しかも, 取引および生産の様式が受注先国によって異なる特徴をもつ。日本を主要な取引国とする企業において, 企業間取引は日本の特定制作企業との間に, 相互の信頼関係を重視した固定的取引関係を構築している。日本におけるアニメーションの性質上, 納期は最短で1日と短い。また, 現場での柔軟な対応が要求される。そのため, 企業は労働者をフリーランサーとして雇用することで, 仕事の多寡やスケジュール変更に対応している。フリーランサーの仕事は所属する企業に依存する。また新規参入者の経歴は多様である。そのため彼らの多くは技術的に未熟な状態で参入し, 専門的な技術は現場での人的つながりによって獲得される。労働者がソウルにおいて仕事を継続する理由には, 産業自体への近接性のほか, 仕事仲間の存在や, ともに仕事をしたい労働者の存在が挙げられ, 労働者間のつながりを意識していることが指摘される。一方で, 欧米を主たる取引国とする企業では, 制作企業は多様な関連産業との問で取引をしている。また, 取引に際し, 企業の社会的信用を重視する。自社に対する信用は場所のネームバリューや生産量および資本の安定性によって評価されると考えている。そのため, 制作企業はCBD近隣にオフイスを構える傾向をみせる。これらの企業においてもまた, 多くの労働者はフリーランサーとして雇用される。彼らの就業後の技術習得機会については, 担当職種に応じて多様な機会を選択する。労働者の仕事の受注活動については所属企業外からの受注もみられる。彼らもまた, ソウルにおいて仕事を継続する理由として当該産業への近接性, 仕事獲得の窓口となる仕事仲間とのつながりを重視している。以上のように, 企業間取引および労働市場の特徴から, 韓国におけるアニメーション産業はソウルに集積している。
  • ――静岡県浜松地域を事例として――
    與倉 豊
    E-journal GEO
    2012年 7 巻 2 号 158-177
    発行日: 2012/09/28
    公開日: 2012/09/28
    ジャーナル フリー
    本稿では,研究会や異業種交流会などへの参加によって構築されるインフォーマルネットワークが,イノベーションや知識創造において果たす役割を考察した.事例として取り上げたのは産業支援機関による研究会への支援体制が整っている静岡県浜松地域である.当該地域における研究会参加主体のデータベースを構築し,インフォーマルネットワークが有するポテンシャルを社会ネットワーク分析を用いて検討した.そしてインフォーマルネットワークの関係構造と,共同研究開発に基づくフォーマルネットワークの形成との関連性について考察した.
    その結果,特定の主体が複数の研究会に参加することによって,新奇的な知識を異なる研究会の間で伝達し,イノベーションや知識創造において重要な役割を果たしていることが明らかになった.そのような主体は,フォーマルネットワークの形成において主導的な役割を果たし,先端的な知識や市場情報を流通させる可能性が高いことが示された.長年にわたり開催される研究会では参加主体が同質的になり,多様な主体との接触が抑制される傾向にある.しかし,浜松地域の場合には県外からの参加主体や,複数の研究会に流動的に参加する主体によって,新奇的な知識を獲得するチャネルが確保されることにより,信頼を基にしたフォーマルネットワークが形成され,「認知的ロックイン」が回避されうることが示唆された.
  • 山本 健太
    地理科学
    2013年 68 巻 3 号 202-210
    発行日: 2013/07/28
    公開日: 2017/04/07
    ジャーナル フリー
  • 半リアルタイム定期調査法による2ヶ年コンタクトアナリシス
    *原 真志
    日本地理学会発表要旨集
    2009年 2009s 巻 414
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/22
    会議録・要旨集 フリー
    1.はじめに  文化と経済の双方向での融合が進行し(Scott, 2000),高コストの大都市に集積するコンテンツ産業に対する関心が高まり、わが国でもコンテンツ産業政策支援の議論が活発になって来ている.知識ベース集積論では,イノベーションに重要な暗黙知の共有のために対面接触に有利な近接立地が促進される側面が強調されているが(Maskel and Malmberg, 1999),間接的実証のみで,対面接触の直接的実証が欠如している(Malmberg and Power, 2005).コンテンツ産業の特徴としては,都市空間においてプロジェクトベースで多数の主体が相互作用して離合集散するプロジェクトエコロジーを形成している面が重要であり(Grabher, 2002),単に主体間のネットワークのパターンを静態的に特定するだけでは不十分である.本研究は,コンテンツ産業クラスターにおいて,プロジェクトベースでどんな主体のいかなる相互作用によって,どのようにして多様な主体が時限組織の中に編みこまれて,プロジェクトが開発され,実行されるのかのダイナミズムを明らかにすることを目的とする. 2.方法  地理学においては,主体間のコミュニケーション分析として,コンタクトアナリシスがあるが(Törnqvist, 1970;荒井・中村,1996),定常的コンタクトの分析が中心であった.報告者は,これまでサーベイ・対面調査・参与観察等の手法により,ハリウッド映画や日本のアニメ・実写のコンテンツプロジェクトにおける主要な主体間のコミュニケーションの実証を行ってきたが(原,2002a;原,2002b;原,2007),プロジェクト期間中の,確定された参加者を対象としたものであった.産業クラスターあるいはプロジェクトエコロジーの核心部分は,プロジェクトがいかに立ち上がるのかという開発段階あるいはそれ以前の試行錯誤を含む相互作用ではないかと考えられる.その検証にはプロジェクトの正式な開始以前の長期のデータ収集が必要となるが,コミュニケーションの対象範囲の特定の困難さ,膨大な量,心理的抵抗,守秘義務などの障壁から,そうした段階の長期のデータ入手は困難であった.  本研究は,調査協力者を得て,こうした問題を克服するために「半リアルタイム定期調査法」という方法を考案してデータ収集を行った.「半リアルタイム定期調査法」では,調査協力者に,日常的にコミュニケーション日誌にすべてのミーティングスケジュールを記録してもらい,それを基に1~2カ月に一度の定期的ヒアリングを実施し,各ミーティングに関する詳細な内容を聞き取るというものである.この手法により,シングルケースであるが,1年間を越える長期の大量のコミュニケーションデータの収集が可能となった.聞き取る項目としては,いつ・どこで・誰と何のために会ったかという基本事項に加え,会う契機,定例-非定例,プロジェクトベースか否か,相談・依頼の有無と方向,金銭の授受の有無,情報の送受信量と相対量,コミュニケーションの結果としての認識の変化や意思決定の有無などの項目が含まれている. 3.対象  本研究で具体的な調査対象とする松野美茂氏(現在ミディアルタ社取締役)は映画・テレビのVFXスーパーバイザー・VFXプロデューサー等として活躍しており,代表作に平成ガメラシリーズ,ウルトラマンシリーズ,
    SD
    ガンダムフォース
    ,生物彗星WoO等がある.企業に所属している時期も,企業を超えた形で次世代技術をいち早く活用するプロジェクトを起こすフリーランス的な仕事を行ってきており,またCG関連のソフト・ハード製品についての先見性が業界で伝説になっている.本研究では,松野氏に対して半リアルタイム調査法によりデータ収集を行い,分析を加えた.データ収集は2005年11月から開始し,2008年度日本地理学会春季学術大会において,2006年末までのデータの分析結果を報告した.今回は,2007年度分のデータを加えて,合計六百件強の約2ヶ年のデータの分析結果を報告するが,2006年には従来のフリーランス的な行動が反映されたものであったのに対し,2007年は松野氏が新規起業に関与していった時期であることに起因する興味深い違いが現われている.
  • 水野 真彦
    地理学評論
    2007年 80 巻 8 号 481-498
    発行日: 2007/07/01
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    本稿は, 経済地理学において知識の問題を議論する際に, 社会ネットワーク論の視点が有効であることを指摘し, その展開方向について整理した. 社会ネットワーク論においては, 対象はアクターの関係のネットワークとしてとらえられ, 結合の内容やネットワークの構造が, アクターの行為に影響を与えると考える. 知識の移転・学習におけるアクターの多様性・流動性の意義の問題は, 社会ネットワーク論の視点からは, アクターの結合の質やネットワークの構造の問題ととらえることができる. 具体的には, 弱い紐帯, ブリッジの存在, ランダムで偶然な結合の形成が, 新しい有用な知識の流通を促すと考えられる. そのような社会ネットワーク論においては空間性は考慮されていないため, 経済地理学においてはアクター間の近接性に焦点を当てる必要がある. ただし, この場合の近接性とは, 地理的近接性だけではなく, 組織的近接性や制度的近接性も含まれ, それらは相互に関連している.
  • 水野 真彦
    人文地理
    2010年 62 巻 5 号 426-444
    発行日: 2010年
    公開日: 2018/01/19
    ジャーナル フリー

    This paper reviews studies focused on the economic and social restructuring of cities in developed countries in the 2000s (2000-2009) from the viewpoint of economic geography. Drawing on critical examinations of the global cities thesis and the creative class thesis by Saskia Sassen and Richard Florida, respectively, the author points out the following four features of urban restructuring during the decade.

    First, urban spaces that contain land and buildings have gradually been incorporated in global financial capitalism. In other words, they have become financial products that have been traded beyond local and national borders, which caused a growth in financial business and a rapid rise in housing prices and rent prior to the financial crisis. The surge of financial capitalism in the 2000s has had a tendency to destabilize urban spaces and the lives of the residents in these areas.

    Second, neo-liberal policy movements have emphasized intensifying intercity competition and the rise of urban entrepreneurialism. City governments increasingly tend to pay more attention to attracting mobile capital, and neglect social policy for city residents, who are relatively immobile.

    Third, according to Sassen, global cities are characterized by the economic and social polarization of urban residents. In the 2000s, many Japanese writers and researchers discussed the fact that Japan had been converted into a gap-widening society. The increasing job insecurity of younger workers is suggested as a cause of the widening of the income gap. In particular, some critics perceive the suburbs as a problem, partly because irregular and low-paid employment is often a feature of these regions. In addition, this decade has witnessed an increase in the regional disparity between Tokyo and the rest of Japan.

    Fourth, the intercity competition for attracting highly skilled talents has been accelerated in the 2000s. Richard Florida insists that attracting the creative class is fundamental to urban development. He suggests that diversity, openness, and tolerance are magnets that attract the creative class. Although his view has drawn the attention of local politicians and policymakers, a considerable number of scholars criticized it for several reasons. One of these criticisms is that urban development can be better explained in terms of locations that offer job opportunities rather than the residential preferences of people or urban amenities. Another criticism is that urban policies based on Florida’s view possibly deepen the social divide between the creative class and the rest of the population. We have to recognize the importance of job creation in production activities throughout the production chains in order to prevent the deepening of the social divide in urban societies.

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