今回, 筋萎縮性側索硬化症患者A氏に対して, 公的制度を利用した意思伝達装置の導入, ブログ投稿等の継続を目標に介入した. 介入初期, A氏はブログ投稿を余暇活動としていたが, 人工呼吸器装着後, 全身の倦怠感から, ブログ投稿を断念され, 悲観的な発言が聞かれるようになった. 作業療法では, 多職種との連携を取りながら, 公的制度を利用した意思伝達装置を導入し, ブログ投稿の再開に向けて, 作業環境の調整や価値を置く作業の再共有を行った. その結果, ブログ投稿が2年ぶりに再開され, 悲観的な発言が減少した. 本事例での, 公的制度の利用による意思伝達装置導入において重要であった事, ブログ投稿が再開された要因について報告する.
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