抄録
高層建築物の耐震設計の際、動的解析用地震動として広く用いられている1968年十勝沖地震の八戸港湾での強震記録を再数値化し、データ処理を行って、234秒間の数値化記録を得た。得られたデータについて検討し、1) 既存の数値化データのスペクトルと比較すると、周期5秒程度以下ではほぼ一致するものの、それ以上の周期では異なる場合があること、2)加速度の継続時間は1分強であるが、速度や変位の継続時間はそれより長いこと、3) 周期1秒付近と2.5秒付近のスペクトルのピーク周期帯に着目すると、記録開始から30~40秒の時間帯は実体S波、それ以降の40~60秒の時間帯は盆地生成表面波による可能性があること、を指摘した。